こちらでは、日本国内にある気象台の「平年データ」を中心に、「3月の平均気温」について見ていきます。
3月はデータ上はそれほど気温が高いとは言えない時期で、北日本ではまだ冬に近い気温と言える状況ですが、近年3月の気温が急激に上がる傾向が見られるため、最近の体感気温と平年気象データの数字にはややずれを感じることもあるかもしれません。
掲載情報は1991年~2020年の「平年データ」を基本に、2023年春時点のものとなっています。その後状況が変化している場合がありますので、その点はご了承下さい。
47都道府県各気象台の「平年データ(高い順)」
順位 | 都市 | 平均気温 | 順位 | 都市 | 平均気温 | 順位 | 都市 | 平均気温 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1位 | 那覇 | 19.1℃ | 21位 | 高松 | 9.4℃ | 41位 | 仙台 | 5.5℃ |
2位 | 鹿児島 | 12.8℃ | 22位 | 名古屋 | 9.2℃ | 42位 | 長野 | 4.3℃ |
3位 | 宮崎 | 12.1℃ | 23位 | 岐阜 | 9.0℃ | 43位 | 秋田 | 4.0℃ |
4位 | 長崎 | 11.2℃ | 24位 | 津 | 9.0℃ | 44位 | 山形 | 4.0℃ |
5位 | 高知 | 11.2℃ | 25位 | 京都 | 8.8℃ | 45位 | 青森 | 2.8℃ |
6位 | 熊本 | 10.9℃ | 26位 | 岡山 | 8.7℃ | 46位 | 盛岡 | 2.6℃ |
7位 | 福岡 | 10.8℃ | 27位 | 熊谷(埼玉県) | 8.6℃ | 47位 | 札幌 | 1.1℃ |
8位 | 静岡 | 10.7℃ | 28位 | 甲府 | 8.6℃ | |||
9位 | 佐賀 | 10.4℃ | 29位 | 松江 | 8.0℃ | |||
10位 | 下関(山口県) | 10.3℃ | 30位 | 奈良 | 8.0℃ | |||
11位 | 大分 | 10.2℃ | 31位 | 前橋 | 7.9℃ | |||
12位 | 大阪 | 9.9℃ | 32位 | 鳥取 | 7.9℃ | |||
13位 | 和歌山 | 9.9℃ | 33位 | 宇都宮 | 7.4℃ | |||
14位 | 松山 | 9.9℃ | 34位 | 水戸 | 7.4℃ | |||
15位 | 徳島 | 9.9℃ | 35位 | 金沢 | 7.3℃ | |||
16位 | 神戸 | 9.8℃ | 36位 | 彦根 | 7.3℃ | |||
17位 | 銚子(千葉県) | 9.7℃ | 37位 | 福井 | 7.2℃ | |||
18位 | 横浜 | 9.7℃ | 38位 | 富山 | 6.9℃ | |||
19位 | 広島 | 9.5℃ | 39位 | 新潟 | 6.2℃ | |||
20位 | 東京 | 9.4℃ | 40位 | 福島 | 5.9℃ |
各地の平均気温を高い順に並べると上記のような形となります。
3月の平均気温は高い?低い?
3月の平均気温は、1年の中で見ると決して高い時期ではありません。
1年全体の平均気温は、本州の気象台では10~18℃台、北海道の札幌で9℃台、沖縄の那覇で23℃台ですので、それと比べると3月の平均気温はずいぶんと低めです。
いくら暖かい日が多い年であっても、多くの地域で霜がおりる、場合によっては氷が張るような冷え込みになる日も時には見られ、北海道や北日本では雪がしっかり降るようなケースもあります。
3月と同じくらいの気温の時期は?
1年の中で、平年の平均気温が3月と近い時期は「11月」及び「12月」です。
基本的には、「11月」の方が3月よりは平均気温が高く、「12月」の方が3月より平均気温が低い傾向が見られます。
但し、後述する通り近年は3月の気温上昇傾向が目立つため、実質的には「11月」の気温の方が3月に近い傾向が強まっています。
近年急上昇する3月の気温
一例として、主な都市の2015年~2022年の3月平均気温と、平年の3月平均気温との差を見ると下記の通りとなります(赤線は平年より0.5℃以上気温が高いケース)。
都市 | 2022年 | 2021年 | 2020年 | 2019年 | 2018年 | 2017年 | 2016年 | 2015年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
札幌 | 1.6(+0.5) | 3.8(+2.7) | 3.3(+2.2) | 2.5(+1.4) | 2.4(+1.0) | 1.4(+0.3) | 2.1(+1.0) | 3.8(+2.7) |
仙台 | 5.5(±0.0) | 8.6(+3.1) | 7.5(+2.0) | 7.0(+1.5) | 7.5(+2.0) | 5.4(-0.1) | 7.0(+1.5) | 6.8(+1.3) |
東京 | 10.6(+1.2) | 12.8(+3.4) | 10.7(+1.3) | 10.6(+1.2) | 11.5(+2.1) | 8.5(-0.9) | 10.1(+0.7) | 10.3(+0.9) |
大阪 | 10.3(+0.4) | 12.2(+2.3) | 11.4(+1.5) | 10.6(+0.7) | 11.5(+1.6) | 9.2(-0.7) | 10.8(+0.9) | 10.2(+0.3) |
福岡 | 12.0(+1.2) | 13.5(+2.7) | 12.4(+1.5) | 11.9(+1.1) | 11.9(+1.1) | 10.5(-0.3) | 11.5(+0.7) | 11.1(+0.3) |
2015年以降で気温が低めであった年は2017年のみで、平年の気温より2~3℃程度高いというかなりの高温を観測するケースが一般的に見られるようになっています。
温暖化傾向により、平年の数字よりも気温が高めになる傾向は、全ての時期で見られることは確かですが、3月ほどその傾向が強い時期は2023年現在確認できません。
3月が特に温暖化している要因は確実なことは言えませんが、体感的にも近年は「春が非常に早い」であるとか、本州の南側であれば「暖房を使わない日が増えた」といったような形で気温上昇を実感する機会は多いと考えられます。