日本を代表する「山の観光地」の1つであり、公共交通機関で気軽にアクセスしやすい環境である兵庫県(神戸市・芦屋市)の「六甲山」エリア。
こちらでは、六甲山における「雪」というテーマから、その基本的な傾向などを解説していきます。
平地とは全く異なる気象条件
六甲山上エリアは、多くの観光施設がある場所が標高800m前後と、かなり高い場所となっています。
あくまでも一般論ですが、標高100mごとに気温は0.6℃下がるという目安がありますので、それを機械的に当てはめれば、六甲山上は神戸・大阪などの海沿いと比べ気温は5℃程度は低いということになり、体感的な気温も大きく違うことになります。
地上では雨が降っているだけでも、気温が大きく違えば山上エリアでは雪となっている可能性も十分あり得るということですので、都市部の天気に対するイメージを、そのまま六甲山上のイメージに当てはめてはいけません。
年によってはかなりまとまった積雪も
六甲山上で積もる雪の量は、各年ごとに大きな違いがあります。
少ない年であれば積もってもうっすら~数cm程度の雪が時に見られるくらい、積もっていない期間が多いような状況で済むこともあるかもしれませんが、雪が多い年は何度も雪が積もり、日陰などは長期間雪が残ったりすることもあります。
また、六甲山上の大雪は「南岸低気圧」による影響が大きく、雲の強さと寒気の程度によっては、一部の年では1日で20cm程度~のかなりまとまった積雪(大雪)となる場合があります。
大雪をもたらす南岸低気圧・3月の大雪も
六甲山で大雪をもたらす要因である「南岸低気圧」については、神戸や大阪の市街地では全く雪が降らない(雨)ケースでも、六甲山上一帯だけかなりの大雪をもたらすケースがあります。
例えば、概ね20cm程度~など特に雪が積もった事例としては、一例としては以下のようなケースがあります。
2013年1月14日 | 神戸都心では気温5℃以上の「雨」の中、六甲山上はまれに見る大雪になり、場所によっては推定30cm程度に達するような積雪が見られ、その後も比較的長期間雪が残りました。 |
2014年2月8日・14日 | 2回に渡り南岸低気圧による大雪となり、一度目の雪が残る中で再度の大雪となったため、積雪は推定20~30cm以上に達しました。なお、この時は平地の一部でも大雪となりました。 |
2016年3月14日 | 神戸都心では「雨」の中、3月にも関わらず六甲山上は大雪になり、積雪は場所によっては推定20cm以上に達しました。 |
標高が高い六甲山は、気温差が大きいため3月になってから積雪がまとまるようなケースも時には見られ、全く違う風景となっている場合があるため注意が必要です。
なお、南岸低気圧による大雪の「頻度」自体は毎年必ず見られるものではなく、まとまった雪が積もらない年もあります。
冬用タイヤは不可欠
六甲山上一帯は、上述してきた通り平地とは全く気象状況が異なる場合があります。
雪が降る可能性があるシーズンに六甲山へ「車」で訪れる場合、冬用タイヤ(スタッドレス)・チェーンといった装備は不可欠です。
気温が低いということは、仮に雪が降らなかった場合でも、雨の翌日に路面が凍結しツルツルになるなど、危険な環境になる可能性が上がるということになります。
ノーマルタイヤ・装備なしで冬の六甲山へ車で訪れる行動は危険です。たとえ何度か行ったときに雪が全く無かったとしても、次に行った時に雪がない・凍結していないとは限りません。
積雪・凍結路面に装備なしで訪れると、事故・立ち往生などのトラブルに見舞われる可能性が高まります。大阪・神戸都心から遠くない距離であっても、油断は禁物です。
公共交通機関の利用がおすすめ
冬の六甲山上は、車で訪れる必要は必ずしもありません。
六甲山エリアは「山の観光地・レジャースポット」としては、日本で最も公共交通機関によるアクセスが便利な地域です。
六甲ケーブル・六甲有馬ロープウェイ・六甲山上バス・神戸市営バスといった交通手段を利用し、冬の六甲山上へは阪神・阪急・JR・神戸電鉄線の各最寄り駅から便利にアクセスが可能です。
京阪神など都市部にお住まいの方で、ノーマルタイヤで冬を越されるようなドライバーの方は、公共交通機関を使って冬の六甲山を訪れるのがおすすめと言えるでしょう。
なお、大雪の際などには公共交通機関も含め運行状況が変化する場合があります。移動するにあたっては、各種の交通情報などをご確認下さい。