三重県の北部、県内では最大の規模を誇る拠点都市で、コンビナートなどの存在でも有名な「四日市市」。
こちらでは、四日市市における「雪」というテーマから、降る・積もる基本的な傾向(過去の状況に基づく)を解説していきます。
情報は2023年時点のものです。その後状況が変化する場合もありますので、その点はご留意下さい。
気象庁による積雪観測は平成半ばまで
四日市市では、1997年冬までは気象庁による降雪量・積雪深の観測が実施されてきましたが、その後観測は廃止となり、以降の「公式的」な気象庁による積雪データは存在しません。
そのため、現在は「四日市~cm」といったような積雪の状況を随時確認できる公式的なデータはありません。
なお、過去最大の積雪の深さは1995年12月26日の「53cm」です。この数字は太平洋側の海に近い都市で観測された数字(秩父や甲府といった海から遠い地域を除く)としては、全国で最も大きい数字となっています。
四日市市街地「月ごとの雪事情」
こちらは、近鉄四日市駅周辺など市街地中心部の状況を前提としたものです。市内でもより内陸側では、雪の頻度・量が増える可能性がありますので注意が必要です。
12月
・年ごとの差が大きい
・ほぼ一切降らない年もあれば、まとまって積もる雪が降るケースも
・過去最高「53cm」の積雪記録は1995年12月26日に観測
・近年でも2021年12月のように複数回積もった年あり
1月
・年ごとの差が大きい一方「1回以上雪が積もる年」の方が多め
・年によっては複数回積もる場合も
・一部の年では10cm以上などまとまった積雪が見られる
・近年では2017年1月15日に推定30cm以上の大雪に
2月
・1月と大きな傾向の違いは見られない
・首都圏などに影響を与えやすい「南岸低気圧」による雪はまれに見られる
3月
・雪が降る、積もる機会は一気に少なくなる時期
・近年の「3月の積雪」はかなりまれな現象
四日市市「地域ごとの雪の傾向」
四日市市は、雪が積もる際に市内全域で同じような量が積もるとは限らず、地域差が生じる場合があります。
一般論としては「菰野町・いなべ市」に近い側で雪が多くなりやすく、河原田・楠駅周辺など鈴鹿市寄りの沿岸部ほど雪が少なくなりやすい傾向があります。
但し、風向きの微妙な違いによるところも大きいため、雪が降る度に同じような積もり方をするとは限りません。
市内は平地や丘陵地が多いですが、西部の一部は「鈴鹿山脈」の比較的険しい山地が含まれます。宮指路岳など鈴鹿山脈一帯の山々を登山で訪れる場合は、平地とは全く異なる雪の量となっている可能性もありますので、冬山の状況に十分な注意が必要です。
四日市市で雪となる「パターン・要因」
その他ポイント・注意点など
周辺地域と比べると?
四日市市で降る雪の量・頻度は、市街地同士の比較で見た場合、桑名市街地とはそれほど大きな差はない(降るタイミングは異なる場合あり)と言えますが、鈴鹿市街地・亀山市街地と比べると雪はやや多めで、津市街地と比べるとその差はより広がります。四日市以南の地域は、風向きが「より北寄り」になる場合に雪が積もりやすいですが、雪雲の弱体化や風向きの頻度といった関係上、とりわけ津方面まで雲がしっかり入るケースは少なくなります。
雪は太平洋側基準での多さ
特徴的な雪の積もり方をする四日市市ですが、地理的にはあくまでも太平洋側であり、日本海側のように雪が常に当たり前の地域ではありません。ある風向きの条件を満たした場合、雪が積もりやすいことは確かですが、冬の期間全体では「雪が積もっていない時期」が大半を占め、暖冬の年はほとんど雪が積もらないこともあります。
道路状況の変化に要注意
風向きの違いにより雪の量に差が生じやすい四日市市。とりわけ新名神高速道路や東名阪自動車道は、物流などに非常に重要な存在ですが、まれに雪が積もるとその影響を強く受けやすいため、雪となる可能性がある場合などは運転に特に注意が必要です。風向きによって積雪が増える場所は変わり、ある一部の区間だけ特に雪が多くなるようなケースもあります。
どうして雲が入りやすいのか
太平洋側であるはずの四日市市に、冬型の気圧配置の際にまれに「どっさり」雪雲が入る要因は、必ずしも1つの要因に限られるとは言えませんが、若狭湾からの距離が100km未満と極端に離れてはいない点、途中で琵琶湖の上を通るため雪雲の弱体化・消滅が抑えられている可能性、鈴鹿山脈の険しい山地による地形的な影響などが要因として考えられるかもしれません。