阪神電車「運賃」の基礎知識【距離ごとの運賃・割引・払い戻しなど】

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大阪と神戸を結び、梅田のみならず難波エリアからも直接神戸三宮へアクセス可能な路線を持つ「阪神電車」。

こちらでは、阪神電車の運賃に関する基本的な知識をまとめて解説していきます。

こちらの記事の情報は、2023年時点の確認によるものです。その後状況が変化している可能性がありますので、その点はあらかじめご了承下さい。

阪神電車の運賃表

基本の運賃(本線など)

キロ程運賃額
1km~4km160円
5km~8km200円
9km~13km250円
14km~18km280円
19km~24km300円
25km~30km320円
30km超330円

※神戸三宮〜元町間のみ130円

阪神なんば線内「加算運賃」合計額

キロ程運賃額
1km~4km220円
5km~8km290円
9km~13km340円
14km~18km370円
19km~24km390円
25km~30km410円
30km超420円
加算運賃=初乗り60円・それ以外90円

阪神線内の運賃額は、乗車するキロ数に応じ上記の通りです。2023年4月1日以降、鉄道駅バリアフリー制度の適用により、一律10円値上げされています。

阪神なんば線のうち2009年に開業した「西九条駅~大阪難波駅」間を含む区間を利用する場合は、上記のうち右側の加算運賃を含んだ金額となります。

主な区間の運賃は以下の通りです。

区間運賃額
大阪梅田駅~神戸三宮駅330円
大阪梅田駅~甲子園駅・西宮駅
神戸三宮駅~西宮駅・甲子園駅
280円
大阪梅田駅~尼崎駅250円
大阪難波駅~神戸三宮駅410円
大阪難波駅~甲子園駅・西宮駅370円
大阪難波駅~尼崎駅340円

基本的に距離が長いほど割安感がある運賃となっており、30km以上にあたる大阪梅田~神戸三宮駅間の場合、JR線よりも100円程度安くなっています。

定期券の運賃については、普通運賃の区分ごとではなく、1km刻みでより細かい金額の設定がなされており、同じ運賃の区間であっても定期運賃は距離によりやや差が生じる場合があります。

大人・子ども運賃の区分

区分定義運賃の内容
大人12歳以上の方(中学生以上)通常の運賃
小児(子ども)6歳以上12歳未満の方(小学生以上)半額(10円未満は切り上げ)
幼児1歳以上6歳未満の方2名まで無料(大人などの同伴の場合)
3名以上は小児(子ども)運賃を適用
幼児単独は小児(子ども)運賃を適用
乳児1歳未満の方無料

阪神電車の運賃は、大人・子どもなどの区分はJR線など他の鉄道会社と大きな違いはありません。

各種運賃割引は?

連絡・乗継割引

阪神線内から阪急線内・神戸高速鉄道線内・山陽電鉄線・神戸電鉄線内までの区間を「普通乗車券」で利用する場合、一部の区間では連絡または乗継割引が適用され、一部を除き大人10円(子ども5円)の割引が行われます(区間の設定は複数あり・両割引の適用にあてはまる区間の場合乗継割引のみ)。

こちらは、そもそもの割引額が小さいため、特段目立つものではありません。

利用が多い「大阪難波駅」をまたいだ阪神線~近鉄線については、割引制度自体がありません。

団体割引

一定の人数以上の団体でご利用の場合は、駅長室で申し込む場合は団体割引運賃が適用されます。割引額は下記の通りです(2023年現在)。

区分25人以上100人以上300人以上
一般団体1割引2割引3割引
中学校3割引4割引5割引
その他学校2割引3割引4割引
この他100人未満の場合1人無賃扱い、100人以上は50人につき1人無賃扱い

障害者割引

区分割引対象割引額
第1種障害者の方と介護者(大人)・普通乗車券
・障害者用特別割引回数乗車券
・定期券
半額(介護者の方も)
第1種障害者の方と介護者(小児)・普通乗車券
・障害者用特別割引回数乗車券
・定期券
半額(介護者の方も)
※定期については介護者のみ割引(小児定期運賃は割引なし)
第1種障害者の方と介護者(乳幼児)・普通乗車券
・障害者用特別割引回数乗車券
・定期券
介護者が半額(本人は無料)
第2種障害者の方と介護者(大人)なしなし
第2種障害者の方と介護者(小児・乳幼児)定期券幼児・乳児の介護者のみ半額(乳児は無料)
第1種・第2種障害者の方が単独で利用なしなし

障害者割引は、障害を持つ方が介護者の方と同一の行程で利用する場合に限り、各種区分に応じて割引が適用される場合があります。障害を持つ方が単独でご利用の場合は割引の対象にはなりません。

なお、第1種障害者の方の場合「特別割引用ICカード」の発行が可能です。

阪神線内の回数券は2022年で廃止

お得に阪神線を利用出来る手段としては、かつては「回数券」が最もポピュラーな存在の1つでしたが、回数券は2022年秋で発売を終了しています。

回数券の発売終了後は、後述の通りICカードによる割引またはポイントサービスがご利用頂けます。

ICカードの取り扱い

阪神電車では、ICOCA・Pitapaをはじめ全国相互利用対象の交通系ICカードがご利用頂けます。

運賃は1円単位ではなく、紙のきっぷと同じ運賃額がICカードでも適用されるため、特段の違いはありません。

ICカードをご利用の場合は、利用区間・回数に応じてお得なサービスが受けられる場合があります。

ICOCA「阪神電車ポイント還元サービス」1か月の間に「同じ運賃の区間」を11回以上利用の場合、11回目以降に運賃の10%分のポイント付与
※事前登録が必要
Pitapa「利用回数割引」1か月の間に「同じ運賃の区間」を11回以上利用の場合、11回目以降が10%割引

いずれの割引も「同じ運賃の区間」かつ「1か月11回以上」という条件があるため、単に様々な区間をたくさん利用しただけでは適用されませんが、「定期を買うほどではないけれども、何度も同じ駅を往復する」といった場合には大変お得です。

払い戻し

阪神電車のきっぷ類を「払い戻し」する場合の要件などは以下の通りです。

種類払い戻しの条件払い戻し手数料
普通券使用開始前かつ有効期間内160円
神戸高速線内は130円
回数券使用開始前かつ有効期間内220円
定期券有効期間開始前
※利用開始後は別途計算式に応じ可能
220円
団体・貸切券使用開始前かつ有効期間内220円
定期券の利用状況払い戻し金額(手数料)
有効期間開始日前定期運賃から手数料220円のみを差し引いた金額
有効期間開始後7日以内定期運賃から「定期券区間の往復普通運賃×経過日数+手数料220円」を差し引いた金額
有効期間開始後1か月以内定期運賃から「1か月定期運賃+手数料220円」を差し引いた金額
有効期間開始後2か月以内定期運賃から「1か月定期運賃×2+手数料220円」を差し引いた金額
有効期間開始後3か月以内定期運賃から「3か月定期運賃+手数料220円」を差し引いた金額
有効期間開始後4か月以内定期運賃から「3か月定期運賃+1か月定期運賃+手数料220円」を差し引いた金額
有効期間開始後5か月以内定期運賃から「3か月定期運賃+1か月定期運賃×2+手数料220円」を差し引いた金額

定期券については、利用開始後でも払い戻し可能ですが、利用期間によっては払い戻し金額がない場合(1か月定期券を購入し、7日以上利用した場合など)があり、払い戻すタイミングによって損得が大きく変わるため注意が必要です。