兵庫県内では最も北側にある自治体の1つであり、日本海に面したエリア・内陸の深い山地など様々な特徴を持つ地域でもある「香美町(かみちょう)」。
香美町は一般的に「雪が多い地域」として知られますが、こちらでは香美町の「雪事情(雪の降る・積もる一般的な傾向)」について重要なポイントなどを解説していきます。
データから見る香美町の雪
観測地点名 | 平年年間降雪量 (cm) | 平年年間最深積雪 (cm) | 過去最大の積雪深 (cm) |
---|---|---|---|
香住 | 202 | データなし | 140(1985/1/14) |
兎和野高原 | 669 | 124 | 208(2022/2/24) |
【参考】東京 | 8 | 6 | 46(1883/2/8) |
【参考】神戸 | 1 | 1 | 17(1945/2/25) |
月 | 平年月間降雪量 (cm) | 平年月間最深積雪 (cm) | 過去最大の積雪深 (cm) |
---|---|---|---|
11月 | 0 | 0 | 3(2008/11/20) |
12月 | 37 | 14 | 117(1984/12/30) |
1月 | 87 | 36 | 140(1985/1/14) |
2月 | 63 | 30 | 101(2018/2/13) |
3月 | 11 | 6 | 74(1986/3/2) |
気象庁の平年データ・観測データによる
積雪量 | 5cm≧ | 10cm≧ | 20cm≧ | 50cm≧ | 100cm≧ |
---|---|---|---|---|---|
平年年間積雪日数 | 23.3 | 17.8 | 11.3 | 2.8 | 0.1 |
気象庁の平年データによる
月 | 平年月間降雪量 (cm) | 平年月間最深積雪 (cm) | 過去最大の積雪深 (cm) |
---|---|---|---|
11月 | 4 | 2 | 9(2012/11/15) |
12月 | 141 | 58 | 156(2005/12/28) |
1月 | 235 | 105 | 197(2011/1/30) |
2月 | 188 | 112 | 208(2022/2/24) |
3月 | 100 | 67 | 152(2022/3/1) |
4月 | 10 | 11 | 34(2012/4/1) |
気象庁の平年データ・観測データによる
積雪量 | 5cm≧ | 10cm≧ | 20cm≧ | 50cm≧ | 100cm≧ |
---|---|---|---|---|---|
平年年間積雪日数 | 84.6 | 79.0 | 69.1 | 47.1 | 19.9 |
気象庁の平年データによる
香美町内では、海に近い「香住」アメダス(香住区森・標高5m)、山間部の標高が比較的高い環境にある「兎和野高原」アメダス(村岡区宿字菟臥野・標高540m)の2か所で気象庁による「雪」の観測が実施されています。
雪の量は海沿いの香住でも比較的多く、年によっては50cm以上のまとまった積雪となる場合があり、兎和野高原は近畿地方のアメダスでは最も雪が多い地点として、1m以上の積雪が当たり前に観測される環境(過去には2m以上の事例も)となっています。
同じ県内では県南部の神戸市などとは比較にならない状況で、神戸は全国屈指の「雪が少ない場所」である一方、香美町は全国的に見ても「比較的雪が多い場所」となっています。
長期的な変化を見ていくと、温暖化に伴い海沿いの香住では雪が減る傾向がはっきりしていますが、兎和野高原については2005年に雪が積もりやすいより標高の高い地点へ観測場所を移転したこともあり、グラフ上は雪が増えるデータが見られます(実際に増えているかは判断できません)。
【香美町】月ごとの雪の傾向(香住区中心部の場合)
・雪はほぼ降ることがありません。
・2008年に積雪した事例がありますが、かなりイレギュラーなケースです。
・標高が高い山地では11月に冠雪する場合があります。
・雪が比較的降りやすい時期に入ります。
・年ごとの差が大きく、ほぼ降らない場合もあれば、1~2月より雪が多く降る場合も見られます。
・積雪は多い年は最大30~40cm以上、まれに50cm以上を観測する場合があります。
・山地の雪は一気に増える場合があり、兎和野高原では1m以上の積雪となる年があります。
・平均的には1年で最も雪が多い時期です。
・複数回まとまった雪が降ることが多いですが、大暖冬の場合雪がほぼ降らないことがあります。
・積雪は多い年は最大50cm以上に達しますが、比較的温暖なため海沿いの「根雪」はかなりまれな現象です。
・山地では場所によって1m以上の積雪も一般的で、海沿いとはかなりの差が生じる場合があります。
・1月に引き続き比較的雪が多い時期です。
・複数回まとまった雪が降ることが多いですが、大暖冬の場合雪がほぼ降らないことがあります。
・積雪は多い年は最大50cm以上に達しますが、比較的温暖なため海沿いの「根雪」はかなりまれな現象です。
・山地の雪は2月にピークを迎えることが多く、場所によっては2m以上積もる年もあります。
・雪となる頻度は一気に減ります。
・香住アメダスで積雪が観測される年は近年大幅に減っています。但し、平成の中頃までさかのぼると、3月に大雪となった記録も残されています。
・山地ではこれまで積もった「根雪」が大量に残っている場合が多く、専ら雪解けの季節となっています。
・雪はほぼ降りません。
・特に標高が高い山地では残雪が見られる場合があります。
【香美町】地域ごとの雪の傾向
市内の各地域 | 大まかな雪の傾向 |
---|---|
香住区 | ・沿岸部の雪は、先述した通りの傾向 ・村岡区、小代区と比べると雪は少な目 ・内陸側ほど積雪が多くなりやすい傾向 ・海沿いは「真西」方向から雪雲が入る場合に雪が増えやすい ・南側の地域は若干「西北西」寄りの方向から雲が入る場合に雪が増えやすい |
村岡区 | ・香住区と比べ積雪がかなり多い地域 ・標高が少し上がると積雪は一気に増えやすい ・ハチ北、スカイバレイスキー場、木の殿堂周辺は時に2m以上の積雪も ・村岡区中心部でも時折1m以上積もる場合あり ・「西北西~北西」方向から雲が入る場合に雪が増えやすい |
小代区 | ・村岡区と同等~それ以上に雪が多い地域 ・標高が少し上がると積雪は一気に増えやすい ・おじろスキー場一帯などは時に2m以上の積雪も ・小代区中心部でも時折1m以上積もる場合あり ・「西北西~北西」方向から雲が入る場合に雪が増えやすい |
香美町は南北に比較的細長い区域を持つ自治体で、かつての市町村合併前の自治体区分に合わせ「香住区・村岡区・小代区」の3地域に分けられています。
大まかには、海沿いの香住区・山地一帯の村岡区、小代区という形で雪が降るパターン・量も大きく異なりますが、先述の通り香住区の沿岸部でも雪がまとまるケースがありますので、特段雪が目立って少ない地域はありません。
【香美町】雪が降る要因・パターン
【香美町の雪】その他知っておきたいポイント
香美町は、南北に30km以上と比較的広がりのある自治体で、風向きによって雪が降る場所が大きく変化します。
西から風が吹く場合は香住区中心部など海沿いで雪が降る「浜雪(里雪)」となり、村岡・小代方面の山間部では雪が余り降らない、場合によっては晴れ間が見られるケースがあります。
北西寄りの風が吹く場合は村岡・小代方面で大雪となりやすい「山雪」となり、逆に香住市街地では雪が積もらないことが多くなっています。
香美町内は小代区・村岡区にはスキー場が合わせて3か所(おじろ・ハチ北・スカイバレイ)あり、隣接する養父市を含めると関西では最大規模のスノーリゾートとなっています。
積雪量は年ごとの差がかなり大きく、暖冬の年は雪に恵まれない場合もあるようですが、2022年には3m以上の積雪となるなど、十分な積雪量を確保できる場合も多くなっています。
先に解説した通り、香美町内での気象庁による雪の観測は海沿いの「香住」及び山間部の「兎和野高原」アメダスの2か所で実施されています。
この他の地点の積雪を確認したい場合、また道路の状況を確認したい場合、兵庫県道路総合管理システム のサイトから、香美町内の観測地点のデータをご確認頂けます。
町内では雪がまだ少な目の「香住区中心部」の状況を周辺地域と比較すると、隣接する豊岡市の市街地とは同等~やや少ない程度、新温泉町の市街地(浜坂)とはほぼ同等、鳥取市街地よりは雪がやや多いといった状況です。
なお、上記の比較はあくまでも全体的な平均ですので、風向き次第では周辺地域よりも大雪となったり、逆に積雪が非常に少なかったりする場合があります。