近鉄「生駒線」の基礎知識【ルート・駅・運行ダイヤ・運賃・乗り換え・便利な使い方】

近鉄生駒線の電車 交通・地理

奈良県の北西部、「生駒山地」と「矢田丘陵」の間を南北に通る鉄道路線として知られる「近鉄生駒線」。

こちらでは、近鉄生駒線に関する基本的な知識(ルート・駅・運行ダイヤ・運賃制度・便利な使い方など)を解説していきます。

近鉄生駒線の基本

北は近鉄奈良線(けいはんな線)・南はJR大和路線に接続

近鉄生駒線は、北側の始発駅である「生駒駅」では、大阪難波~奈良を結ぶ「近鉄奈良線」及び大阪メトロへ直通する「けいはんな線」に、南側の始発駅である「王寺駅」では、大阪(梅田)・天王寺~奈良を結ぶ「JR大和路線」に接続しています。

生駒・王寺で乗り換えれば大阪都心部までは約20分程度。生駒線は大阪方面への通勤・通学利用が多い「ベッドタウン」路線となっています。

信貴山へのアクセスに利用可能

生駒線は、南側にある「信貴山下駅」が「寅」で有名な信貴山(朝護孫子寺)へのアクセス拠点となっており、観光で利用される方もいらっしゃいます。

信貴山へは、大阪方面からの場合は河内山本・信貴山口駅経由で「西信貴ケーブル」利用が便利ですが、奈良県内や京都方面からの場合、JR王寺駅または近鉄信貴山下駅の利用が基本となります。

なお、信貴山下駅から直接徒歩ではアクセスしづらいため、「奈良交通バス」への乗り換えが必須です。

田原本線との乗り換えは「改札外」

王寺駅では、JR線への乗り換えが多いですが、同じ近鉄線の「田原本線(新王寺駅)」への乗り換えも可能です。

田原本線については、同じ会社内ですが「同じ駅構内」で乗り換えは出来ません。改札を出て異なる駅同士として乗り換える形になります。但し「運賃」は特殊なケースを除き「通し」で計算されますので特段の問題はありません。

近鉄生駒線の「路線図」

出典:地理院地図(地理院地図上の作図機能を利用し作図)
駅名主な乗り換え路線生駒からの所要時間
(概ね標準的な時間)
生駒からの距離
生駒駅近鉄奈良線
近鉄けいはんな線
近鉄生駒ケーブル
奈良交通バス各路線
菜畑駅2分1.2km
一分駅4分2.3km
南生駒駅6分3.5km
萩の台駅奈良交通バス8分4.5km
東山駅奈良交通バス10分5.4km
元山上口駅13分6.7km
平群駅奈良交通バス15分7.9km
竜田川駅18分9.3km
勢野北口駅21分10.7km
信貴山下駅奈良交通バス(信貴山方面など)23分11.5km
王寺駅JR大和路線(王寺駅)
近鉄田原本線(新王寺駅)
奈良交通バス各路線
25分12.4km

近鉄生駒線は、奈良県生駒市の生駒駅~奈良県北葛城郡王寺町の王寺駅を結ぶ鉄道路線です。

路線の距離は12.4km・全線の所要時間は25分程度と、それほど長い路線ではありません。

接続については、北側の生駒駅では近鉄奈良線・けいはんな線、南側の王寺駅ではJR大和路線に乗り換えが可能で、大阪方面へのアクセス性に優れた路線となっています。また、信貴山下駅では信貴山方面への奈良交通バスに乗り継ぎが可能です。

近鉄生駒線の「運行本数・ダイヤ」

時間帯運行本数の概要
平日朝ラッシュ時間帯【生駒~東山間】
1時間約5~7本(約5~15分間隔)
【東山~王寺間】
1時間約4本(約15分間隔)
平日夕ラッシュ時間帯1時間約4本(約15分間隔)
平日昼間
平日早朝・深夜
1時間約3本(約20分間隔)
時間帯運行本数の概要
土日祝日1時間約3~4本(約15~20分間隔)
分単位で見た細かいダイヤについては、上記の本数と若干の違いが見られる場合があります。

生駒線は昼間でも約20分おきの運行と、ある程度の利便性が1日を通して確保されています。
利用の多い生駒~東山間は朝ラッシュ時間帯には本数が比較的多く、通勤・通学に対応した運行ダイヤとなっています。

同じく「支線」と言える「近鉄田原本線」と比べると本数は多めで、最大でも20分程度の待ち時間であるため、極端に長時間乗り換え待ちをするようなことはありません。

なお、運行ダイヤは、平日は昼間とラッシュ時間帯の違いがはっきりしたダイヤですが、土日祝日については昼間も15分おきに運行される時間帯もあれば、夕方でも20分おきの運行となる時間帯があるなど不規則的で、定まったダイヤにはなっていません。

電車は基本的に「4両編成」・「ワンマン運転(車掌なし)」です。

近鉄生駒線の「運賃・きっぷ・ICカード」

生駒線の始発駅である生駒駅・王寺駅から、線内各駅への運賃は以下の通りです。

駅名生駒からの運賃王寺からの運賃
生駒駅360円
菜畑駅180円360円
一分駅180円360円
南生駒駅240円300円
萩の台駅240円300円
東山駅240円300円
元山上口駅300円240円
平群駅300円240円
竜田川駅300円240円
勢野北口駅360円180円
信貴山下駅360円180円
王寺駅360円
2023年4月1日からの運賃

ご乗車には全国の主な交通系ICカード乗車券が利用可能です。

途中には無人駅が複数ありますが、全駅に「ICカードリーダー」・「自動改札機・券売機」が設置されています。利用の方法は大阪周辺の一般的な鉄道路線と大差ありません。

生駒駅でお乗り換えの場合は、奈良線からは改札内での乗り換えが可能(のりばを移動するだけ)です。けいはんな線からは駅の出口は通らずに「乗り換え専用改札」を通って移動します。

王寺駅から近鉄田原本線(新王寺駅)にお乗り換えの場合は、改札(駅出口)を出た上で乗り換えする形になります。運賃は改札を出る場合でも特殊なケースを除き「通し」で計算されますので、「きっぷ」で乗り継ぎの際にはきっぷの取り忘れにご注意下さい。

王寺駅でJR線にお乗り換えの場合も、異なる会社ですので改札を出て乗り換えます。

生駒線への乗り換え方法【生駒駅・王寺駅】

◆生駒駅での乗り換え

生駒駅の奈良線ホーム

奈良線・けいはんな線をご利用の場合、電車を降りて「5・6」番のりばの案内表示に従い階段・エスカレーター・連絡通路などを利用して移動します。

奈良線からの場合はそのままお乗り換えが可能ですが、けいはんな線からの場合は途中で「乗り換え改札口」を通る形になります(乗り換え改札は駅の出口改札ではない点に注意)。

なお、生駒線へは「西出口」からはお乗り換え頂けません。大阪方面寄りの車両からの場合、西出口への階段が近いですが、そちらへ進まないようにして下さい。

5・6番のりば「王寺」方面の表示に従い進む

生駒線へ乗り換える場合、駅の出口を出る必要はありません。

5・6番のりばの表示に従い、生駒線のりばへそのままお進み下さい。

乗り換え時間は奈良線から生駒線へは最短3分程度、けいはんな線から生駒線へは最短4分程度となっており、スムーズなお乗り換えが可能です。

◆王寺駅での乗り換え

JR王寺駅西改札口前から見る近鉄王寺駅

王寺駅での近鉄生駒線への乗り継ぎはシンプルです。

JR王寺駅の奈良方面行きのりば(1番のりば)の端には「西改札口」があります。この改札口を出たら目の前(左側)が近鉄生駒線の王寺駅です。

なお、JR王寺駅の「中央改札口(利用が多いメインの出口)」は近鉄生駒線の王寺駅とは離れています。とりわけ大阪方面からの電車→生駒線へ乗り換えの際には西改札口を使うのが大変スムーズとなっています。

乗り換え時間はJR王寺駅で降りる場所によりますが、最短2分程度~5分程度を見込んでおくとよいでしょう。

近鉄田原本線(新王寺駅)との乗り換えについては、いずれの駅からも「駅出口(改札)」を出て直進します。階段などを通る必要はなく、地上を真っすぐ進んで行くだけで到着します。乗り換え時間は概ね5分程度となっています。

近鉄生駒線の基礎知識【まとめ】

近鉄生駒線は、生駒駅~王寺駅間を結ぶ鉄道路線です。距離は12km程度、駅数は全12駅とそれほど長い路線ではありません。

北側の始発駅「生駒駅」で近鉄奈良線などに、南側の始発駅「王寺駅」でJR大和路線などに接続しており、大阪へのアクセスルートとして便利な路線となっています。また、信貴山へのアクセスルートとしても利用されています。

運行本数は概ね1時間3~4本程度で、平日のラッシュ時間帯は生駒~東山間ではより本数が多くなります。

利用方法は近鉄奈良線など大阪周辺の鉄道路線と大差ありません。全国共通の交通系ICカードもご利用頂けます。
乗り換えについては概ねスムーズですが、王寺駅で「近鉄田原本線」に乗り継ぐ場合は同じ近鉄線ですが改札(出口)の外で乗り換えます。