養父市の「雪事情」とは?【スノーリゾート・氷ノ山】

自然・気候

近畿地方北部・兵庫県北部の中では「内陸側」に位置し、近畿中部以北の最高峰「氷ノ山」があるなど山深い地域として知られる「養父市」。

こちらのページでは、養父市の「雪事情」というテーマに絞って、雪の降る時期・量など基本的な傾向を解説していきます。なお、情報は2022年現在のものです。

養父市は内陸の地域ですが、日本海から流れ込む雪雲の影響を受けやすく、特に氷ノ山に近い地域は近畿地方でも屈指の豪雪地として知られます。

養父市の積雪を知りたい場合は?

養父市には、気象庁による「雪」に関する観測は実施されていません。最寄りの観測地点は「和田山」や「豊岡」がありますが、市内ではないため、必ずしも市内の積雪を反映した数字とは言えません。

市内の積雪を確認したい場合、 兵庫県道路総合管理システム のサイトから、市内の観測地点のデータをご確認頂けます。

【養父市】月ごとの雪の傾向(市街地の場合)

以下の傾向は、市内では雪が「少な目」にあたる養父市街地(八鹿地域中心部)のものです。標高が高い他の地域などでは、雪がより多くなる点に注意が必要です。

11月

・平地での降雪はほぼ見られません。
・過去に少しだけ積雪した事例もあるようですが、その機会は極めてまれと言えます。

12月

雪が降る頻度が増加する時期です。
・大半の年で1回以上は積雪が見られます。
年ごとの差が大きいため、雪が非常に少ない年、まとまった雪が積もる年など様々です。
・雪が多い場合は最大30cm積もるケースもありますが、50cm以上の積雪はまれです。

1月

雪が降る機会が通常最も多い時期です。
複数回、繰り返しの積雪となる年が多くなっています。
・一部の暖冬年には、雪がほぼ積もらないこともあります。
最大30cm以上の積雪となる場合も一般的で、特に多い場合は50cm以上積もることもあります。
・雪が長期間残る「根雪」は一般的ではなく、近年は極めてまれなケースです。

2月

・1月とほぼ同様に雪が降る機会が多い時期です。
複数回、繰り返しの積雪となる年が多くなっています。
・一部の暖冬年には、雪がほぼ積もらないこともあります。
最大30cm以上の積雪となる場合も一般的で、特に多い場合は50cm以上積もることもあります。
・「根雪」は極めてまれで、雪が多く積もっている場合も月末までには消えることが大半です。

3月

・雪が降る、積もるケースも時に見られますが、2月までと比べ頻度は一気に減ります。
・近年は3月の温暖化傾向が顕著なため、雪とはほぼ無縁な年も見られます。

4月

・平地での降雪はほぼ見られません。
・過去に少しだけ積雪した事例もあるようですが、その機会は極めてまれと言えます。

【養父市】地域ごとの雪の傾向

市内の各地域大まかな雪の傾向
八鹿町・八鹿市街地の雪は先に解説した通り
・石原地区まで行くと雪がかなり多め
西側の山地は雪は一層急増
・名草神社周辺は4月にも残雪が見られるケースがあるかなりの豪雪地
養父町かなり内陸側のため、日本海からの雲がやや届きにくい場合あり
・JR線沿いなど「平地」で見た場合八鹿方面より雪はやや少ない
・建屋地区など山沿いは雪が多め、但し積もるタイミングは「雲の動き次第」
関宮町市内では最も雪が多い傾向を持つ地域
・県内最高峰「氷ノ山」があり、その一帯は西日本で最も雪が多い場所の一つ
・ハチ高原、氷ノ山国際スキー場があるなどスノーリゾートとしても知られる
・積雪量は標高が高い山地では1.5~2m以上も一般的で、4月にも残雪が見られやすい
・関宮町の中心部一帯も50cm以上積もりやすい環境
大屋町山地が多く雪の量も多め
最も内陸側に位置し、風向きによっては雪雲が入りにくい
・「若杉高原大屋スキー場」周辺はかなりの豪雪地で1m以上の雪も一般的

養父市はかつての市町村合併前の4自治体にあたる八鹿・養父・関宮・大屋の4地域に分けられます。

雪の量は山沿いほど一気に増える傾向で、場所によっては近畿・西日本でも特に雪が多い環境となっています。

【養父市】雪が降る要因・パターン

養父市で雪が降る場合、その要因はほとんどが「冬型の気圧配置」によるものです。

集中的に雪が降る・大雪となるケースは冬型の気圧配置の際に生じる発達した雲の帯・塊で「日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)」の影響による場合が大半です。

養父市は内陸側に位置するため、平地も含め気温は海沿いより低い場合があるほか、標高が高い地域も多いため比較的「降れば積もりやすい」環境と言えます。

「冬型の気圧配置」に伴う雪は「風向き(雪雲の動き)」によって降る・積もる場所や量が異なります。養父市内では「北西」方向から雲が入る場合を中心に雪が増えやすい一方、「西」方向から雲が流れ、城崎・香住・浜坂など海沿いで雪がまとまる場合には、市内では「雪が降っていない(晴れ間ものぞく)ケースが少なくありません。

平地を基準に見た場合「雪の降る量・降る頻度」は日本海から遠い地域ほど減少します。但し、市の南側でも標高が高い地域はかなり雪が多くなります。

養父市内の標高が高い地域を中心に太平洋を通る「南岸低気圧」による影響で雪が降ることもありますが、頻度・量ともに「冬型の気圧配置」と比べると目立たない存在です。

【養父市の雪】その他知っておきたいポイント

スタッドレスタイヤは基本装備

養父市は、平地で冬場に常時雪が積もっていることはまれですが、通常は毎年繰り返しまとまった積雪があるため、スタッドレスタイヤなどの利用は基本的な対応です。
市内は京阪神エリアからの車によるアクセスが比較的容易な環境ですが、主なアクセスルートである「北近畿豊岡自動車道」養父市の近くから雪が急増する場合も多く、降雪時の運転には十分な注意が必要です。

山地の雪は遅くまで残る

ハチ高原・氷ノ山周辺といった養父市内の標高が高い山地は、西日本屈指の豪雪地であり2m以上の積雪となる場合もあります。積雪が多ければ雪が残る期間も長く、場所によっては4月以降も雪が残る場合があり、近畿では最も遅くまで雪が見られます。
とりわけ、登山者のみが訪れる氷ノ山の山頂一帯では、5月の大型連休に差し掛かっても残雪を前提とした装備が求められる場合があります。