雪・みぞれ・あられ・ひょうの違いとは?

自然・気候

様々な天気の中でも、空から「氷」が降る現象としては「雪・みぞれ・あられ・ひょう」の4種類が存在します。

一方で、これらの「違い」については、わかっているようでよくわからない。という方も多いかもしれません。

当ページでは、雪・みぞれ・あられ・ひょうについて、それぞれの違い・差についてなるべくシンプルに解説していきたいと思います。

雪とは

雪とは、空から降って来る「氷の結晶」を指す名称です。

みぞれとの違い・みぞれは「雨」に雪が混じって降る状態
あられとの違い・あられは表面に「結晶構造」を持たない「氷の粒」
・但し、雪の周囲に凍った水滴がついた「雪あられ」もあり、この場合「内部」には結晶構造を持った雪が残る
・あられが雪に混じって少しでも降っていれば気象現象としては「あられ」として扱われる
ひょうとの違い・ひょうは「結晶構造」を持たない「氷の粒」でかつ直径5mm以上のサイズ
・ひょうが雪に混じって少しでも降っていれば気象現象としては「あられ」として扱われる

氷の「結晶」とは、いわゆる「雪の結晶」と言われるものと同じ意味で、規則正しい形となった氷の姿を維持しているものを指します。すなわち肉眼では見えなくても、拡大して見た場合に結晶の形をしているものは「雪」にあてはまります。

つまり、「雪」自体はその「サイズ」で決まるものではなく、ごく小さな雪の結晶が降る「粉雪」、多くの雪の結晶がくっつき合って降る「ぼたん雪」のいずれも「雪」と呼ばれるものです。

なお、気象学的には直径1mmに満たないごく小さな雪のかけらは「霧雪」とも呼ばれます。

他の現象との区別については、みぞれは「雨交じりの雪」、あられは「表面に結晶構造が見られない氷の粒」として区別が可能ですが、みぞれはその定義の通りに雪のかけらを伴うほか、あられでも「雪あられ」と呼ばれるものがあるなど、雪のかけらを含んでいる場合があります。

みぞれとは

みぞれ(霙)とは、雨と雪が混ざって降る気象現象のことを指す名称です。

雪との違い・雨が混じっていない状態では「雪」と呼ばれる
あられとの違い・一見「みぞれ」でも表面に「結晶構造」を持たない5mm未満の「氷の粒」が混じって降れば気象現象では「あられ」の扱い
ひょうとの違い・一見「みぞれ」でも表面に「結晶構造」を持たない5mm以上の「氷の粒」が混じって降れば気象現象では「ひょう」の扱い

みぞれ(霙)はあくまでも「雪」のかけらのみが混じって降る場合の名称であり、雨に混じって「あられ・ひょう」が降る場合、またみぞれに混じって「あられ・ひょう」が降る場合は、気象現象としては「あられ・ひょう」を優先する形で扱われます。

あられとは

あられ(霰)とは、空から降る「氷の粒(表面に結晶構造を持たないもの)」で直径が5mm未満のものを指す名称です。

雪との違い・氷が結晶構造を持つ場合は「雪」、表面に結晶が見られない場合「あられ」
みぞれとの違い・一見「みぞれ」でも表面に「結晶構造」を持たない5mm未満の「氷の粒」が混じって降れば気象現象では「あられ」の扱い
ひょうとの違い・直径が5mm以上の氷の粒は「ひょう」と呼ばれる
・通常、ひょうは氷あられと同じ仕組みで発生(雪あられではない)
雪あられ・中心に「核」として雪のかけらを持ち、その周囲に凍った水滴がまとわりついたもの
※表面には雪の結晶構造は見られない
氷あられ・一切結晶構造を持たない単純な氷の粒(水滴が凍ったもの)

雪と違い表面に結晶構造を持たないあられですが、あられといっても「雪あられ」と「氷あられ」の2種類があります。

このうち雪あられはその中心に核として雪のかけら(結晶)を持っており、その周囲に水滴が付いて凍ったものであり、白い色をしていることが特徴です。この場合、表面には結晶構造は見られないものの、内部には「雪」があることから、単なる氷の粒とは言えません。

一方で、氷あられは雪のかけらを伴わないもので、場合によっては半透明の氷の粒が、一切結晶構造を持たずに降ってきます。

氷あられの場合は雪が降らないような条件でも、気温数度~10℃近くでも降る場合があり、秋や春先の日本海側ではよく見られる現象となっています。

ひょうとは

ひょう(雹)は、あられと同じような氷の粒のうち「直径5mm以上」のものを指す名称です。

雪との違い・氷が結晶構造を持つ場合は「雪」、表面に結晶が見られず直径5mm以上の場合「ひょう」
みぞれとの違い・一見「みぞれ」でも表面に「結晶構造」を持たない5mm以上の「氷の粒」が混じって降れば気象現象では「あられ」の扱い
あられとの違い・氷あられとの違いは、直径が5mm以上であるかどうかのみ
・雪あられは雪の結晶を伴うため、ひょうとは発生原理が異なる

直径5mm以上、場合によってはセンチ単位となるひょう(雹)は、その発生の仕組みは「氷あられ」と基本的に似ています。

発生場所は発達した積乱雲の中である場合がほとんどで、積乱雲の中の強い上昇気流の影響で、小さな氷の粒が落ちて、解けて、再び吹き上げられて、凍って、を繰り返して巨大な「ひょう」へと成長していきます。

ひょうは、春や秋にも見られますが、場合によっては夏場(基本的に6~7月が多い)にも降ることがあり、気温が20℃以上であるにも関わらず、巨大なひょうで地面が氷で覆われて「積雪」のように見えるケースもあるほか、その氷の大きさによってガラスが割れたり人が怪我をするような被害をもたらす可能性もあります。

ポイント・まとめ

【雪】氷の結晶
【みぞれ(霙)】雪(氷の結晶)と雨が混じったもの
【あられ(霰)】表面に結晶が見られない「氷の粒」
【ひょう(雹)】あられのうち直径5mm以上のもの