高松市・香川県の「雪事情」とは?

自然・気候

こちらでは、四国の中では北東側に位置する香川県と、その県庁所在地である高松市について、冬に「雪」が降る・積もる頻度や量といった「雪事情」を解説していきます。

一般に四国は雪が少ない地域とされる通り、香川県・高松市も雪は少ない傾向がありますが、とりわけ香川県内は四国の他県のように「かなり山深い地域」が限定的なため、雪が増えやすい・見られやすい地域自体も余り見られない環境が特徴となっています。

高松市の雪は極めてまれ

香川県の県庁所在地であり、四国でも松山市に次ぐ規模を持つ都市である「高松市」は、「雪」は極めて少ない地域です。

平成以降のデータによる1cm以上の積雪となった回数平成以降の最深積雪全く積雪がなかった回数年間降雪日数
(平年値)
高松地方気象台14シーズン/34年間5cm
(2011年2月11日)
10シーズン/34年間12.8日
各回数などは「平成以降」の冬、2022年までの状況で見た場合
積雪記録・平年値は気象庁のデータによる

高松地方気象台で観測された積雪は、1cm以上積もったケースは平成以降の場合、平均2年に1回を下回っており、一度も「ごくうっすら」も含め雪が積もらなかった年も10シーズンあるなど、積雪はほぼない地域となっています。

また、積もっても「大雪」となるケースがほぼないことも特徴で、平成以降は10cm以上の積雪は一度も観測しておらず、最も多い2011年2月11日の「南岸低気圧」通過時に5cmの積雪となったのが最高記録となっています。

四国の場合、どの県庁所在地も雪がかなりまれな地域で、あえて比較をする必要もないと言えますが、より雪が少ないとされる高知では2005年に9cm、徳島でも平成以降6cmを2回観測している点を考慮すると、高松市は平成以降一度も5cm以上の積雪となったことがない「松山市」並みにまとまった積雪が見られにくい地域と言えます。

なお、高松市といっても市南端部の標高の高い山地(徳島県境周辺)は状況が大きく異なり、時折大雪となることもあります。

讃岐平野一帯で雪が少なくなる要因

高松市は大変雪が少ない地域ですが、この傾向は県内の広い範囲(讃岐平野一帯)にも同じ傾向が当てはまり、香川県は後述するごく一部の山間部などを除き、全体的に雪はかなり少ない地域です。

雪が少なくなる理由としては、「冬型の気圧配置」になった際に雲が発達するだけの広さを持った「海がない」点、またそもそも「雲が入って来ない」点が大きいと言えます。

出典:地理院地図(一部当サイトにより作図)

香川県の場合一部例外はあるものの、ほとんどの地域では日本海・中国山地一帯から雲が流れ込む過程でかなり弱まり、広島県東部・岡山県内などで既にほぼ消えてしまいます。

また、その雲の切れ端などは、瀬戸大橋周辺などの「最も海の面積が狭い範囲」を通り、十分な水蒸気を得ることなく香川県内に入るため、平野部では基本的に雪を降らせることすらない場合が目立ちます。

雲は讃岐山脈にぶつかる際に「再発達」することがあり、県内でも徳島県境付近の一部ではまとまった雪となるケースもありますが、その雪の程度も「人が住む地域」で見た場合、愛媛県の山間部・徳島県の山間部よりは限定的です。

なお、香川県内の場合積雪となるケースは、「冬型の気圧配置」ではなく「南岸低気圧」の場合も見られます。この場合、四国の太平洋側と比べると寒気が入りやすい・溜まりやすいため、特に高松空港などのある内陸側・山間部では気温が下がり、2014年のように10~20cm程度の大雪となったケースもありますが、あくまでも頻度としてはまれで、毎年必ず見られるような現象とは言えません。

香川県内各地の「雪事情」は?

香川県内の各地について、その「雪事情」を地域ごとにまとめると、非常に大まかには下記のような形となります。なお、あくまでも「過去の一般的な傾向」です。

小豆地域・ごくまれな「南岸低気圧」による雪を除き積雪はほぼない地域
東讃・高松市と同様に平地の雪は極めてまれ
・山間部では時折積雪のケースあり、但し一部を除き頻度は多いとは言えない水準
高松地域・先述の通り平地で積雪となることは極めてまれ
・基本的に南側へ行くほど雪の頻度が増える
・高松市内でも徳島県境に近い讃岐山脈沿いの山間部は、時に大雪となるケースも見られる地域
中讃・平野部は高松市と同様に積雪は極めてまれ
・まんのう町内など讃岐山脈沿いの山間部は、時に大雪となるケースもあるなど県内では雪の頻度が多い地域
西讃・平地の雪は高松市と同様に極めてまれ
・山沿いも人が住む地域で雪が多い地域はない

香川県の「雪事情」は、どこでも雪が極めて少ない讃岐平野一帯・離島部・沿岸部、雪がやや積もりやすい讃岐山脈沿いという、大まかには2つの区分に分けられます。

但し、山間部についてもまれに大雪となるケースがある・平地と比べ雪が積もりやすいとは言え、大半の地域では「積雪がない」ことの方が多く、雪が特に積もりやすいと言えるような地域は、「讃岐竜王山」の山頂一帯などごく一部に限られる状況です。

【高松市・香川県の雪事情】ポイント・まとめ

高松市全国的に見ても雪が少ない地域で、平成以降5cmを上回る積雪の記録はありません。
讃岐平野一帯「冬型の気圧配置」になった際に雪雲が入りにくい地理的条件となっており、高松市に限らずどの地域も雪は極めて少ない環境です。
・県内の積雪は「冬型の気圧配置」ではなく「南岸低気圧」による雪の場合もあります。
徳島県境付近の讃岐山脈沿いは、平野部と比べると雪がやや積もりやすい環境と言えます。