勝山市の「雪事情」とは?【内陸部・福井県内屈指の豪雪地】

自然・気候

こちらのページでは、福井県内では東側の内陸部に位置する「勝山市」について、その「雪事情(雪の降る・積もる傾向など)」を解説していきます。

勝山市は南隣の大野市と同様に福井県内では特に雪が多い地域となっており、平地でも時に1m以上の積雪が見られるほか、一部の山地では数mの積雪に達することもあります。

掲載情報は2022年時点のものです。その後の観測状況などにより、データなどが変化していることも考えられますので、その点はご留意下さい。

気象庁による市内の積雪観測はなし

勝山市内については、気象庁が「勝山」アメダスを設置していますが、こちらでは気温・降水量などの観測のみで「雪」に関する観測は行われていません。

気象庁の積雪観測地点としては、南隣の大野市にある「大野」・「九頭竜」アメダスが最寄りとなります。

なお、勝山市街地の積雪については「委託観測」が実施されており、勝山市消防署において積雪が観測されています。「勝山市統計書『勝山市のすがた』」によれば、近年の年最深積雪は以下の通りとなっています。

年最深積雪(cm)
2010年150
2011年210
2012年145
2013年60
2014年70
2015年120
2016年68
2017年80
2018年204
2019年30
2020年33
出典:勝山市統計書『勝山市のすがた』

上記のデータから分かる通り、雪が多い年には1m以上の積雪が見られ、2018年には2mを越える積雪となっているなど、かなり雪が多い地域です。

なお、積雪状況について最も一般的な確認方法としては、福井県の道路情報システム「みち情報ネットふくい」で道路画像や積雪の深さなどをご確認頂けます。

勝山市「降雪・積雪傾向」

勝山市の市街地について、各月ごとの大まかな「雪事情」をまとめると、下記のような形になります。

雪の傾向
11月降る頻度 極めてまれ・積もる雪は非常に少ない
積雪 まれな積雪時に数cm程度など(平地の大雪はほぼない)
12月降る頻度 雪が多いシーズン・一気に降る雪が多め・年ごとの差はかなり大きい(余り降らない年も)
積雪 大雪の際には50cm以上の雪となる場合あり
根雪 雪が多い場合は根雪期間に入る
1月降る頻度 最も雪が多い・連日降る場合あり・大暖冬の場合は余り降らないことも
積雪 最大50cm以上となる場合が多い・雪が多い年は最大1m以上積もる
根雪 見られることが多い
2月降る頻度 1月に次ぐ雪の多い時期・連日降る場合あり・大暖冬の場合は余り降らないことも
積雪 最大50cm以上となる場合が多い・雪が多い年は最大1m以上積もる
根雪 見られることが多い
3月降る頻度 急減する時期・積もる雪はほぼ見られない年も
積雪 根雪がある場合50cm以上の場合あり・新しく積もる量は多くない傾向
根雪 3月当初には雪が残っている年が多い
4月降る頻度 極めてまれ
積雪 基本的にほぼない
根雪 4月まで残ることは基本ない(昭和の大豪雪時を除く)
地域ごとの傾向は?

・平地(九頭竜川沿い)の場合川の上流域ほど雪が多い傾向
・越前大仏、恐竜博物館周辺は市街地の雪と大きな差はない
・山沿いの北谷町周辺は市街地より雪が多く、長く残りやすい
・国道157号「谷峠」付近は積雪が4m以上に達することも

雪の要因は?

・大半は「冬型の気圧配置」
・西側から雪雲が流れ込む場合に雪が増える環境
・JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)の影響で大雪となりやすい
・内陸のため「南岸低気圧」による雪も時折見られる(頻度は少な目)

勝山市の雪事情「ポイント・注意点」

福井県内・北陸屈指の豪雪地

勝山市は、福井県内・北陸地方屈指の豪雪地です。雪の量は隣接する大野市と概ね並ぶような水準で、市街地でも「積雪1m以上」となる年が比較的多く見られ、特に豪雪となった年は2m程度の積雪に達する場合があります。

雪の多さは「気温」の影響が大きい

勝山市内で雪が増えやすい要因は、市街地も含め標高が200m近いなど沿岸部と比べ「やや高い場所」に位置し、かなりの内陸部にあたるため「気温が低くなりやすい」ことによる点が大きくなっています。1℃程度の気温差でも状況は劇的に異なる場合があり、福井市ではみぞれ・湿った雪で積雪が増えない場合も、勝山市ではどんどん雪が増え大雪となるケースが少なくありません。

根雪が一般的な地域

雪が多い勝山市では、かなりの暖冬傾向となる年を除き、多くの年で長期間積雪が続く「根雪」が見られます。積雪が特に多い場合12月(主に後半)~3月(主に上旬)にかけて根雪状態が続くこともあり、山間部の集落などでは4月まで雪が残る可能性もあります。

車で通れる全国屈指の豪雪ポイント「谷峠」

勝山市内から石川県内へと伸びる国道157号線は、標高が高い山地を通り、最高地点である「谷峠」付近積雪4m以上、特に多い場合積雪5m以上に達するような全国屈指の豪雪ポイントとなっています。一方で、このルートは重要な交通路ということで除雪体制がしっかりしており、かなりの積雪時であっても通行止めにならず「車で通れる(十分な注意は必要)」ようになっています。