日本屈指の「暑い地域」として一般的には知られる大阪府・大阪市。
こちらのページでは、そんな大阪府内の中でも比較的「涼しい地域(場所)」はどこか?というテーマで解説をしていきます。
大阪府内は一般的な意味の「避暑地」とされるような場所は基本的に存在しませんが、全ての場所が同じように暑いということはなく、場所によっては少し涼しく感じられることもあります。
気軽に暑さをしのぐなら「生駒山頂」
大阪 | 生駒山 | |
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7月平均気温/最高気温平均/最低気温平均(℃) | 27.8/31.8/24.6 | 22.5/26.9/19.7 |
8月平均気温/最高気温平均/最低気温平均(℃) | 29.0/33.7/25.8 | 23.6/28.6/20.5 |
大阪 | 生駒山 | |
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年間猛暑日(最高気温35℃以上)日数 | 14.1 | 0.0 |
年間真夏日(最高気温30℃以上)日数 | 74.9 | 15.1 |
年間熱帯夜(最低気温25℃以上)日数 | 41.5 | 0.0 |
年間夏日(最高気温25℃以上)日数 | 143.1 | 75.3 |
大阪市内など多くの地域から「最も気軽」にアクセス可能な「比較的涼しい場所」は、大阪府と奈良県の境に位置する「生駒山」です。
生駒山は山頂に「生駒山上遊園地」がありますが、この一帯は標高が600m程度と、六甲山ほどではありませんが府内では高い地域であり、気温は大阪の市街地と比べると概ね5℃以上も低くなっています。
猛暑日や熱帯夜は基本的に存在せず、真夏でも30℃以上の気温になる日が少ないなど、平地との気温差は明らかで、生駒山上であれば「ちょっとした避暑地」と言ってもよいくらいの過ごしやすい環境と言えます。
なお、生駒山上一帯は遊園地やハイキングコースなどはありますが、宿泊施設・大規模な飲食店街・商業施設などはありません。アクセスは非常に便利で、ドライブウェイを利用して車でアクセスすることも、近鉄電車とケーブルを乗り継いで公共交通機関でアクセスすることも可能です。
標高が高い北摂山地周辺は朝晩の気温が特に低め
大阪 | 能勢 | |
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年間猛暑日(最高気温35℃以上)日数 | 14.1 | 2.2 |
年間真夏日(最高気温30℃以上)日数 | 74.9 | 45.8 |
年間熱帯夜(最低気温25℃以上)日数 | 41.5 | 1.2 |
年間夏日(最高気温25℃以上)日数 | 143.1 | 115.5 |
大阪 | 能勢 | |
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7月平均気温/最高気温平均/最低気温平均(℃) | 27.8/31.8/24.6 | 24.8/29.4/21.0 |
8月平均気温/最高気温平均/最低気温平均(℃) | 29.0/33.7/25.8 | 25.9/31.2/21.7 |
いわゆる「避暑地」として有名な存在ではありませんが、広い範囲で大阪都心周辺と比べ気温が低めなのは、大阪府北部の北摂山地一帯です。
こちらの地域は、大阪平野一帯とは異なりのどかな田園風景・里山の風景が広がり、都市化が見られないため「ヒートアイランド現象」の影響も小さくなり、気温は比較的上昇が抑えられます。
気温は場所によりますが2℃~5℃ほどの差が見られると推定され、気象庁の「能勢」の観測地点では、大阪都心と比べ標高差は230m程度ながら、気温差は3℃程度に及ぶなど、標高の割に気温は低めに出やすい環境となっています。
朝と昼の気温では、朝の気温が特に下がりやすく、最低気温が25℃以上の熱帯夜はほぼないなど、自然が多い環境が都市部とは異なり熱を溜め込みにくい状況を生み出しています。
海沿いは「猛暑」は少ないが「蒸し暑い」

大阪 | 関空島 | |
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年間猛暑日(最高気温35℃以上)日数 | 14.1 | 2.8 |
年間真夏日(最高気温30℃以上)日数 | 74.9 | 57.6 |
年間熱帯夜(最低気温25℃以上)日数 | 41.5 | 37.6 |
年間夏日(最高気温25℃以上)日数 | 143.1 | 127.5 |
大阪 | 関空島 | |
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7月平均気温/最高気温平均/最低気温平均(℃) | 27.8/31.8/24.6 | 26.6/30.3/24.1 |
8月平均気温/最高気温平均/最低気温平均(℃) | 29.0/33.7/25.8 | 28.3/32.4/25.6 |
大阪府内の地域では、比較的涼しい山沿いの地域に加え、海に近い場所・海沿いの地域も「気温上昇」は抑えられる傾向があります。
例えば、「関空島」の観測地点では、暑い日も多いとは言え、大阪・堺・枚方・豊中・八尾などと比べ「猛暑日」や「真夏日」の日数は明らかに少な目です。
海に近い場所は、海からの風を受けるため、変動が小さい海水温の影響を受けやすく、結果として過酷な猛暑は少なくなります。
一方で、海水温の影響が大きいため、朝晩は気温の下がり方は抑えられるほか、海からの湿った空気を受けるため「蒸し暑さ」は感じやすく、特段「涼しい」とは言えない状況です。
大阪市内に「涼しい場所」はあるのか?
「涼しい場所」の有無について、大阪府内ではなく「大阪市内」だけで見た場合、涼しい地域と言える場所はありませんが、やはりある程度の気温差が生じる場所はあります。
差が生じやすいのは「昼間の暑さ」であり、神戸市ほどではないにせよ、大阪市内の海沿い(南港・咲州・夢洲)などは海からの風を直接受けるため、気温は極端には上がらない傾向があります。
但し、その程度は限られており、昼間に35℃程度の暑さになることもあるほか、朝晩との気温差が小さいため、深夜も寝苦しい気温のままとなることが多くなっています。先述した通り、海沿いは湿度も高いため、気温が低い場合でも蒸し暑さはかえって強く感じられるケースもあります。
また、イレギュラーな意味合いで見れば、高い所ほど気温は低い訳ですので、大阪で最も高いビル「あべのハルカス」の展望台(高さ300m近く)であれば、地上と比べると気温はある程度差が見られることが考えられます。