東京23区の気候とは?

自然・気候

こちらでは、日本の経済・社会・政治などの中心である東京23区(東京都区部・特別区)の「気候」について、その基本的な特徴や気象データ、季節ごとの傾向などをなるべくシンプルに、平易に解説していきます。

なお、情報は2022年時点の確認状況に基づいております。今後変更となる・状況が変わる可能性もありますので、その点はご留意下さい。

全体的な気候の特徴

比較的温暖・秋に雨が多い・冬はよく晴れて乾燥するといった「首都圏」平野部一帯の気候的特徴を持ちます。

日本一・世界一の規模を持つ都市ということで、高層ビルなどが気温、風などにもたらす影響が大きいことが特徴です。

23区内でも大手町・品川といった都心地域と練馬区・杉並区・葛飾区・足立区といった郊外部では、特に「朝晩」の気温に差が生じやすくなっています。

海に面する地域は海からの気候的影響を受けやすく、風の吹き方・気温の変化・湿度などが内陸側と異なる場合があります。

基本の気象データ

東京の「雨温図」
降水量(mm)平均気温(℃)最高気温(℃)最低気温(℃)相対湿度(%)風速(m/s)日照時間降雪量(cm)最深積雪(cm)雪日数
1月59.75.49.81.2512.7192.6432.8
2月56.56.110.92.1523.0170.4433.5
3月116.09.414.25.0573.1175.3001.4
4月133.714.319.49.8623.2178.800.1
5月139.718.823.614.6683.1179.6
6月167.821.926.118.5752.8124.2
7月156.225.729.922.4763.2151.4
8月154.726.931.323.5742.9174.2
9月224.923.327.520.3752.7126.7
10月234.818.022.014.8712.6129.4
11月96.312.516.78.8642.5149.80
12月57.97.712.03.8562.6174.4000.6
1598.215.820.312.1652.91926.7868.5
気象庁の平年データ(1991年~2020年)
降水量(mm)平均気温(℃)最高気温(℃)最低気温(℃)風速(m/s)日照時間
1月47.84.89.90.21.9212.9
2月39.65.810.81.42.1178.8
3月109.310.015.25.22.1189.1
4月130.914.420.09.51.8193.4
5月88.320.025.515.21.5213.2
6月201.422.527.119.01.3135.7
7月165.826.330.823.01.2147.6
8月164.427.832.524.21.3175.3
9月229.623.627.620.21.3120.3
10月263.918.122.114.81.5131.3
11月66.212.416.88.41.4160.3
12月46.37.111.92.71.6182.3
1553.316.120.912.01.62040.2
気象庁の平年データ(2013年~2020年)
降水量(mm)平均気温(℃)最高気温(℃)最低気温(℃)風速(m/s)
1月50.16.09.82.43.5
2月50.96.510.52.83.8
3月103.09.413.45.64.1
4月111.814.018.010.34.4
5月122.518.422.215.14.4
6月150.321.525.018.83.9
7月129.125.128.622.64.4
8月108.026.730.324.24.3
9月195.723.627.020.93.9
10月205.718.421.915.53.5
11月90.513.317.09.93.2
12月53.38.412.24.93.3
136415.919.712.73.9
気象庁の平年データ(1991年~2020年)
降水量(mm)平均気温(℃)最高気温(℃)最低気温(℃)風速(m/s)
1月51.06.39.82.75.1
2月52.16.810.43.35.3
3月111.39.813.76.15.7
4月117.614.518.510.85.8
5月126.719.022.915.75.5
6月150.122.025.519.35.0
7月137.425.829.523.25.3
8月114.427.431.224.65.3
9月204.924.027.221.45.2
10月204.518.921.916.25.0
11月90.013.816.910.64.7
12月55.08.912.35.34.8
1405.416.420.013.35.2
気象庁の平年データ(1991年または1993年~2020年)
降水量(mm)
1月60.9
2月60.4
3月121.4
4月134.0
5月141.9
6月170.5
7月168.5
8月169.6
9月232.2
10月236.2
11月97.7
12月60.9
1654.2
気象庁の平年データ(1991年~2020年)

東京23区内では、気象庁の行うものとしては、気象庁本庁(東京・北の丸公園)・練馬アメダス・江戸川臨海アメダス・羽田アメダス・世田谷アメダスの5か所で気象観測が行われています。

各地点のデータに極端な違いはありませんが、基本的に海沿いは気温差がやや小さく風が強め、内陸側は気温差がやや大きく風は弱めといった特徴が見られます。

また、特別区によっては、区内の気温を区自ら詳細に観測している自治体もあります。

東京23区「季節ごとの気候」

東京23区「春の気候」

気温

・概ね温暖な傾向が続きます。
・3月は冷え込む場合もありますが、23区内で4月以降に氷点下や霜がおりるような気温が観測されるケースはまれです。
・5月には汗ばむ陽気も増え、内陸側を中心に最高気温が30℃以上の「真夏日」となることがあります。

天気・雨

・天気は周期的に変わります。
・晴れる日も多めですが、雨となる日も少なくありません。
・雨量は西日本や日本海側各地と比べ多い傾向があります。
・極めてまれなケースですが3月のみならず、4月に入ってから郊外でなく「23区内」でも「雪」が降ることがあります。

その他

・冬ほどではありませんが、空気が乾燥しやすい状況は続きます。

東京23区「夏の気候」

気温

・蒸し暑い日も多いですが、最高気温は首都圏内陸側(群馬県南部や埼玉県など)の方が高い傾向があります。
・朝晩は都心部を中心に気温が下がりにくく、最低気温25℃以上の「熱帯夜」が当たり前の環境です。

天気・雨

・梅雨の時期は「梅雨らしい」天気となりますが、西日本ほど雨はまとまらない場合が多くなります。
・7月はよく晴れる年と、極度の「日照不足」の年に分かれがちです。
・北関東ほどではありませんが、大気の状態が不安定になる際など「雷雨」に見舞われることも少なくありません。

その他

・台風の影響は夏の間から受けることがありますが、最も影響を受けやすい時期は9月以降となります。

東京23区「秋の気候」

気温

・残暑などは比較的厳しく、9月に熱帯夜や猛暑日を観測することもあります。
・10月以降は秋らしくなりますが、首都圏の中では温暖な環境です。
・霜や氷は年によっては11月中に見られる場合がありますが、主に郊外が中心となります。

天気・雨

・首都圏各地と同様に、9~10月は「1年で最も雨が多い」季節です。
・秋雨前線の活発化や、台風の影響などを受けて大雨となるケースも目立ちます。
・11月以降は急に天候が安定し、良く晴れて乾燥した気候へと変わっていきます。

その他

・2019年の東日本台風に代表されるように、台風が通過して雨のみならず「暴風」の被害を受けることもあります。

東京23区「冬の気候」

気温

・都内や首都圏各地の中では特に温暖な地域です。
・但し、練馬区や葛飾区など「内陸側」へ行くと「冷え込み」がやや強まりやすく、都心部との気温差が出やすい環境です。
・晴れる日が多いため、昼間の気温は比較的上がりやすい環境と言えます。

天気・雨・雪

・1年で最もよく晴れる時期です。
・雨や雪が降るタイミングは多くは太平洋を進む「南岸低気圧」が通過する際であり、機会は限られています。
・東京23区で雪が降る、積もることはまれな環境です。
・但し、南岸低気圧通過時に雪が降ることもあり、数年に一度程度「10cm」以上の積雪が観測されています。

その他

・非常によく晴れる上、北からの季節風が吹き付けるため、京阪神や西日本などと比べても空気の「乾燥」が強く感じられる環境です。

ポイント・まとめ

【全体的な気候の特徴】
概ね温暖・大都市特有の気象条件・都心と郊外の気温差・沿岸部の「海からの気候的影響」

【気象庁による観測】
「東京」・「練馬」・「江戸川臨海」・「羽田」・「世田谷」の5か所で実施

【各季節ごとの大まかな気候の特徴】
春:概ね温暖・周期的な天気の変化・かなりまれに4月の雪も
夏:蒸し暑い・関東内陸部ほどの高温はなし・年ごとの天候の差が大きい
秋:夏より雨が多め・時に台風の影響も・11月からは晴天と乾燥
冬:晴天続き・かなりの乾燥・23区内でも気温差大・雪は少ない・まれにまとまった雪も