糸魚川市の気候とは?

雪・気候

新潟県の中では最も西側に位置する自治体で、交通の難所「親不知」で知られるように、日本海と険しい山地に挟まれた環境が特徴の「糸魚川市(いといがわし)」。

当ページでは、糸魚川市の「気候」というテーマについて、季節ごとの傾向などをなるべく簡潔に解説していきます。

全体的特徴・気象データ

市内の大半が険しい山地であり、山を越えて日本海に吹き下ろす「南風(※)」の影響(強風・気温の急上昇など)受けやすい地域です。

※南風はいわゆるその地域特有の強風「局地風」として「じもん風(地物風)」・「焼山おろし」・「蓮華おろし」などと呼ばれる場合あり

全国的に見ても「降水量」が多い地域で、春の一部期間を除き年間を通して雨量が多くなっています。

積雪量は、わずかな標高差・海との距離の差により1m単位の極端な違いが見られます。

糸魚川の雨温図(気象庁の2020年までの平年データによる)

糸魚川市内には、能生・糸魚川・平岩の3つの気象庁の観測地点があります(平岩は降水量のみ)。

降水量平均気温最高気温最低気温風速日照時間
1月354.8mm3.6℃7.0℃0.9℃3.1m/s52.9時間
2月225.5mm3.8℃7.4℃0.7℃3.0m/s85.2時間
3月204.5mm6.7℃10.9℃2.9℃2.6m/s135.4時間
4月135.1mm11.8℃16.3℃7.6℃2.5m/s178.8時間
5月120.5mm16.8℃21.2℃12.9℃2.2m/s205.3時間
6月168.0mm20.7℃24.3℃17.7℃1.8m/s160.4時間
7月237.8mm25.0℃28.5℃22.3℃1.8m/s159.2時間
8月223.3mm26.6℃30.3℃23.6℃2.0m/s195.2時間
9月251.4mm22.8℃26.6℃19.7℃2.2m/s138.9時間
10月232.4mm17.3℃21.3℃14.0℃2.5m/s133.9時間
11月341.0mm11.6℃15.7℃8.2℃2.7m/s99.7時間
12月407.4mm6.5℃10.2℃3.4℃3.1m/s66.6時間
2901.5mm14.4℃18.3℃11.2℃2.5m/s1611.5時間
降水量平均気温最高気温最低気温風速日照時間降雪量最深積雪
1月387.3mm2.25.6℃-0.6℃2.6m/s41.3時間204cm83cm
2月233.3mm2.1℃6.0℃-1.1℃2.6m/s70.3時間181cm91cm
3月208.1mm4.9℃9.6℃1.0℃2.3m/s118.9時間62cm49cm
4月136.8mm10.4℃15.7℃5.6℃2.3m/s175.2時間2cm1cm
5月124.6mm15.8℃20.8℃11.1℃2.0m/s198.5時間観測なし観測なし
6月174.3mm19.8℃23.9℃16.1℃1.7m/s142.7時間観測なし観測なし
7月243.4mm23.9℃27.8℃20.6℃1.7m/s140.0時間観測なし観測なし
8月237.9mm25.1℃29.4℃21.6℃1.7m/s185.8時間観測なし観測なし
9月281.9mm21.1℃25.6℃17.6℃1.6m/s129.2時間観測なし観測なし
10月293.6mm15.5℃20.2℃11.8℃1.8m/s126.9時間観測なし観測なし
11月404.4mm9.9℃14.5℃6.0℃2.0m/s96.7時間観測なし観測なし
12月474.4mm4.8℃8.8℃1.6℃2.6m/s57.2時間72cm30cm
年間3223.5mm13.0℃17.3℃9.3℃2.1m/s1478.3時間505cm94cm
1991年~2020年の平年値・平均値
降水量
1月423.2mm
2月308.1mm
3月238.3mm
4月133.3mm
5月112.1mm
6月165.5mm
7月217.4mm
8月200.8mm
9月214.3mm
10月199.5mm
11月235.0mm
12月386.7mm
2825.3mm

この他、国土交通省・新潟県により複数の個所で雨量などの観測が実施されています(リンク:新潟県道路情報システム川の防災情報)。

また、積雪観測は市独自の観測が各所で実施されています(リンク:糸魚川市公式サイト内「糸魚川市の積雪状況」)。

糸魚川市「春の気候」

糸魚川市の春は、1年の中で見た場合最も「晴れの日が多い」季節です。

雪については、土塩方面など内陸部では3月に「メートル」単位の残雪があることが一般的で、4月以降もしばらく残ることがあります。3月にしっかり「降る・積もる」ケースは内陸部では見られますが、沿岸部では近年は温暖化の影響もあり、頻度がかなり少なくなっています。

天気は全域で4~5月にかけては晴れやすくなり、雨量も1年の中で最も少ない時期となります。但し、最も少ないといっても平均100mm台と、新潟県内のみならず、全国的に見ても雨が多い部類には入ります。

なお、日本海上で低気圧が発達する場合などには南からの暴風(局地風)が吹くなど荒れた天気となる場合があります。近年の「風の強さ」の記録は半分程度は春に観測されています。

気温は沿岸部では高めで、南風が強く吹くと「フェーン現象」が発生し、過去には4月中から最高気温30度以上の「真夏日」を観測したこともあります。

糸魚川市「夏の気候」

糸魚川市の夏は、市内全域で「雨も多い」季節で、沿岸部では暑さも目立ちます。

気温については、差が比較的大きいことが特徴で、比較的しのぎやすい日もある一方、気圧配置の関係で「強い南風(局地風)」が吹くような場合、「フェーン現象」によって気温が急上昇し、深夜~早朝にかけても気温がほとんど下がらないことがまれに発生します。これまでの記録では市街地の最低気温が「30℃以上」の日が「4回」記録されており、これは東京や大阪では見られない「珍しい記録」となっています。

雨は「梅雨時」も多い一方で、平均的な雨量は8月にかけてもほとんど減らず、月間の雨量は200mmを超えるなど、上越地域とは気候が異なる地域です。

雨が多い要因は市内の大半が険しい山地となっており、山の斜面で雨雲が発達しやすいことなどが影響しています。

糸魚川市「秋の気候」

糸魚川市の秋は、「降水量」が夏以上に多い季節であり、雨のイメージが強い時期となります。

雨は秋の前半は秋雨前線(時に台風)の影響などで降りやすく、後半には今度は季節風の影響(冬型の気圧配置)によって天気が悪くなりやすく、「時雨模様」というよりは「ザーザー降り」のまとまった雨となりやすい傾向が見られます。

台風の影響については、風以上に雨の影響を受けることが多く、2019年の東日本台風(台風19号)では一定規模の土砂災害が発生しています。

雪については、沿岸部では11月に積雪となることはほぼなく、内陸側であっても頻度は少なくまれな現象となっており、標高の高い山地を除いては「雪の季節」は12月以降と言えるでしょう。

気温は沿岸部ではかなり温暖で、秋の間には霜・氷が見られない年も多くなっています。

糸魚川市「冬の気候」

糸魚川市の冬は、日本海から雪雲・雨雲が特に流れ込みやすい地域のため、晴れ間が少なく夏や秋以上に降水量が多い季節です。月間降水量は年によっては500mmを超えるなど、西日本の雨の多い地域の「夏」に匹敵するデータが見られます。

雪は内陸部ではかなり多く、積雪3m以上も珍しくありませんが、沿岸部では1m以上となることは少なく、「わずかな標高の差」や「海から少し離れているかどうか」で極端に(1m以上の差)異なる場合があります。

例えば以下のデータは2022年冬のデータですが、一の宮観測点(市街地)と、10kmほど離れた土塩観測点(内陸側)の最深積雪の差は約5倍に達しています。また、標高差では大きな差はない一の宮観測点(市街地)と5kmほど離れた大野小学校観測地点(内陸側)の積雪差は、1m以上に達しているなど、その極端な差が目立つデータとなっています。

※いずれのデータも出典は糸魚川市のデータ(リンク:糸魚川市公式サイト内「糸魚川市の積雪状況」

最深積雪標高
土塩338cm207m
小滝323cm290m
大野小学校168cm57m
一の宮65cm10m
糸魚川地域の最深積雪(2022年冬)
最深積雪標高
柵口295cm197m
南能生
小学校
203cm111m
浄化センター28cm6m
能生地域の最深積雪(2022年冬)
最深積雪標高
上路198cm187m
消防青海分署55cm13m
青海地域の最深積雪(2022年冬)

積雪の差は、気温の差による点が大きいですが、内陸側の方が山の斜面の影響で一気に雪雲が発達するような傾向もあり、沿岸部の方がより大雪になるケースはほぼありません。

気温は海に近い場所では新潟県内でも特に高い傾向があり、平均気温は3℃台後半と、佐渡島に近い「温暖」な環境ですが、内陸部に行くと気温は一気に下がります。

ポイント・まとめ

糸魚川市の気候は、全体的には「地形による強い南風」・「降水量の多さ」・「積雪量の極端な地域差」といった点が重要なポイントとして挙げられます。

季節ごとの気候の特徴は、大まかには以下の通りです。
【春】最も晴れが多い・雨量は年間最少(絶対値はやや多め)・一部では4月の残雪も・強い南風
【夏】8月の降水量も多め・南風の影響で極端な気温上昇も
【秋】雨量が一層増加・まれに台風による大雨も・11月の積雪は少ない
【冬】降水量最多・地域ごとの積雪差大・気温も地域差大

地域ごとの傾向としては、主なものとしては以下のような特徴が見られます。
【沿岸部】年間を通して温暖・雪は概ね数十cm(ほどほどの量)
【内陸部】南風が吹く場合を除き寒冷・積雪3m超もある「新潟屈指の豪雪地」
【山地】雨も雪も極めて多い「厳しい自然環境」