沖縄県は日本屈指の観光地であり、とりわけ海でマリンスポーツ・各種レジャーを楽しんだり、自然を体感したりするようなアクティビティが人気を集める地域でもあります。
一方で、屋外で自然を満喫するような場合、その状況は「天気」によって大きく左右され、雨が降れば出来ないものも多いほか、雨が降っていなくても「曇り」であれば楽しみにくい場合もあるかもしれません。
こちらでは、沖縄県内について「晴れる頻度(よく晴れる時期・晴れにくい時期)」はいつなのか?というテーマで解説をしていきます。
なお、こちらの記事の情報はあくまでも「過去の一般的な傾向」を示すものです。今後の状況や、具体的な日時を指して「晴れる頻度」を解説している訳ではありません。各種の決定に用いることはせず、あくまでも一般論・参考程度としてご確認するものとして下さい。
データから見る沖縄の日照時間
地点名 | 那覇 | 名護 | 久米島 | 宮古島 | 石垣島 | 与那国島 | 南大東 | 東京 |
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1月 | 93.1 | 94.7 | 75.2 | 85.5 | 84.7 | 52.8 | 121.3 | 192.6 |
2月 | 93.1 | 91.4 | 80.1 | 90.3 | 91.3 | 60.3 | 120.3 | 170.4 |
3月 | 115.3 | 112.6 | 107.6 | 116.0 | 118.1 | 88.1 | 154.0 | 175.3 |
4月 | 120.9 | 121.3 | 118.4 | 122.9 | 130.3 | 104.7 | 152.8 | 178.8 |
5月 | 138.2 | 136.7 | 136.2 | 149.3 | 164.3 | 142.3 | 171.0 | 179.6 |
6月 | 159.5 | 152.3 | 158.9 | 191.9 | 212.9 | 182.3 | 219.3 | 124.2 |
7月 | 227.0 | 235.7 | 250.3 | 241.0 | 261.0 | 257.9 | 277.8 | 151.4 |
8月 | 206.3 | 211.9 | 231.9 | 210.9 | 232.9 | 227.4 | 249.3 | 174.2 |
9月 | 181.3 | 183.4 | 198.6 | 179.3 | 189.9 | 180.9 | 220.4 | 126.7 |
10月 | 163.3 | 166.2 | 162.3 | 151.9 | 157.6 | 132.2 | 178.4 | 129.4 |
11月 | 121.7 | 124.5 | 108.3 | 112.3 | 115.3 | 86.0 | 136.4 | 149.8 |
12月 | 107.4 | 108.0 | 89.9 | 92.7 | 89.3 | 59.0 | 120.8 | 174.4 |
年合計 | 1727.1 | 1738.8 | 1717.8 | 1743.9 | 1852.5 | 1568.6 | 2121.7 | 1926.7 |
気象庁の平年データ(2020年まで)による
晴れる時間の長さは、日の出・日の入りのタイミングもあるため完全ではありませんが、基本的に気象庁が観測してきた「日照時間」のデータを見ることで、その状況を把握することが可能です。
沖縄の場合、データを見ると非常にはっきりした傾向を持っており、「夏に日照時間が長い」一方で、それ以外の時期はそれほど長くない状況となっています。
また、東京との比較では「沖縄地方の方が日照時間が少ない(大東島を除く)」という特徴があり、季節的な傾向も逆転しているなど、状況は大きく異なります。
「冬」は晴れ間がかなり少ない
沖縄の「冬」。海水温も低く、一般的には「オフシーズン」扱いを受ける時期と言えますが、「天気・晴れる頻度」という観点からも、確かに「オフシーズン」らしい特徴を備えた時期と言えます。
端的に言えば、沖縄の冬はかなり「晴れにくい」傾向があり、どちらかと言えば「曇り・雨」が目立つ天気となっています。
この要因は、冬に日本海側で雪が降る仕組みと似たもので、大陸から東シナ海を通って流れ込む寒気が「雲」を発生させ、沖縄周辺にその雲が流れ込み続けやすいためで、「亜熱帯・熱帯」の気候と言われながらも、冬はしっかり寒気による影響を受けた気候となっています。
地域差としては、大まかには大東島地方など東ほど晴れやすく、宮古・八重山地方など西ほど晴れにくい傾向があり、とりわけ台湾に近い与那国島などの日照時間は、平均すれば冬の日本海側と同じくらい少ない状況です。
なお、年ごとの差は比較的大きい場合もあり、2020年のような「大暖冬」の年のように、寒気の影響が小さい場合は比較的よく晴れるケースもあります。
「春」も晴れ間はやや少ない
春の沖縄は、晴れる頻度という点で見た場合、冬よりは増えるものの、やはり目立って晴れが多いような状況とは言えません。
とりわけ、春は本州各地で日照時間が最も長い傾向があることから、各地との比較では大東島地方を除き、沖縄の日照時間の短さはかなり目立ちます。
理由としては、3月など前半は「冬の名残」として「寒気」により発生した雲の影響を受けやすい点が大きな要因となっています。また、後半は早くも「梅雨」の時期に入っていくため、低気圧・前線の影響を受けやすい状況で、日照時間の増加は比較的抑えられる傾向が見られます。
なお、日照時間は5月にかけて着実に「増える」傾向にはあるため、春先と比べれば梅雨の時期の方が、むしろ晴れる頻度は多い場合も目立ちます。天候は年ごとの差がかなり大きく、長期間梅雨前線の影響を受け、長雨・日照不足となることもある一方、5月の日照時間が200時間を超える年も見られます。
「夏」はやはりよく晴れる
沖縄県内が1年で最も「良く晴れる」季節は、イメージ通りと言えばそれまでかもしれませんが、やはり「夏」です。
夏は「太平洋高気圧」の影響を強く受け、長期間晴れる日が続くことも多く、日照時間は冬と比べ2~3倍程度と大幅に増加します。
6月は「梅雨前線」の影響を受けやすいため、年ごとの天候の差も大きい場合が見られますが、特に7月は大半の年で晴れる日が多い時期となり、夏らしさを満喫しやすい時期と言えます。また、8月も雨の量はやや増える傾向にありますが、多くの年で晴れる日は多くなっています。
注意点としては、夏は晴れる日も非常に多い一方で、台風が接近するケース・大雨となるケースが1年の中で最も多い時期であり、しばしば「極端な天候の差」が見られる点が挙げられます。いくらよく晴れていても、翌日や2日後には「暴風雨」というケースもありますので、その点は留意が必要です。また、晴れていても台風の影響などで波がかなり高いケースもありますので、晴れていれば問題ないという訳ではありません。
なお、夏の日照時間には地域差もあり、大まかに言えば「沖縄本島」よりも「宮古、八重山、大東島地方」の方がより日照時間が長い傾向が見られます。とりわけ南大東・与那国島の観測地点などでは7月の日照時間が「300時間以上」となったケースが近年も見られるなど、ごく一部の日を除きほぼ「晴れ続ける」ような場合もあります。
「秋」は次第に晴れにくく
秋の沖縄は、季節が進むにつれ「日照時間が減っていく」時期となります。
9月の時点ではまだ晴れる日も多いですが、台風の影響に加え前線の影響をやや受けやすく、7月のような日照時間の長さにはならない傾向があります。
10月以降は日照時間が短くなる傾向がはっきりし、11月以降は大陸からの「寒気」が入りやすい状況となっていくことで、曇り・雨の天気が一層増えていきます。
地域差としては、10月以降は概ね冬や春と同じような傾向で、県の西側(宮古・八重山地方)は日照時間が少な目で、東側(大東島地方)ではやや多く、沖縄本島地方ではその中間的な状況となっています。台湾に近い与那国島などは特に日照時間が少なく、11月の時点で月50時間程度となる年もあるなど、日本海側の地方と同じくらいの「天候不順」傾向が見られます。
ポイント・まとめ
・沖縄県内は、大東島地方を除き東京よりも年間の「日照時間」が少ない地域です。
・日照時間(晴れ間)は冬に大幅に減り、夏に大幅に増える傾向がはっきりしています。
・春の日照時間はそれほど長くはなく、秋は10月以降一気に減る傾向が見られます。
・地域差としては、特に台湾に近い与那国島などでは冬場の日照時間が少なく、全体的に大東島地方では日照時間が多い傾向となります。
・よく晴れやすい夏であっても、台風や大雨、晴れた日の「高波」などには注意が必要です。