沖縄に「秋」はあるのか?

雪・気候

日本国内で最も温暖な県である沖縄県。冬も温暖で、1年を通しての気温差が小さいことが特徴の地域は、本州などと比べ「四季の変化」に乏しいと言われることもあります。

こちらでは、そのような沖縄の四季のうち「秋」について、「秋」はあるのか?「秋」と呼べるのか?また、秋らしさが感じられるような状況とはどのようなケースなのか?といったテーマについて、気温のデータなどを参考にしながら解説していきたいと思います。

何をもって「秋」とみなす?

沖縄県の「秋」。季節の感じ方には人それぞれ様々な目安があり、そもそも「何℃以上・何℃以下がこの季節」といった決まりはないため、必ずしも「季節感」を無理に当てはめる必要はないと言えますが、一般的な目安で考えた場合、沖縄の「秋」はかなり限定的なものであることには違いありません。

沖縄の状況
気温低下9月は夏とほぼ同様
10月以降は少しだけ気温が低下し「秋らしさ」がわずかに現れる
但しその進み具合はごくゆっくり
本州方面との比較11月の平均気温が本州の「9月並み」程度で、極端に限定的な「秋」
季節が進むごとに各地との気温差は拡大
空気の乾燥10月以降などに「ミーニシ(新北風)」と呼ばれる北寄りの風が少しだけ乾いた空気を運ぶ
但し「海沿い」のためそれほど乾燥はしない
天気11月以降は気温は高いものの、次第に日本海側の気候のように、曇りや雨の日が増加

大まかに言えば、沖縄にも「秋」は存在する一方、その「秋らしさ」は本州周辺などで実感するようなものとは大きな差・隔たりがあり、「秋らしさ」を感じる時期にも大きな差がある状況です。

沖縄県内で本州各地で見られるような「秋らしさ」は必ずしも実感出来ませんので、沖縄の「秋」は、あくまでも「沖縄特有」の特徴を持つ「秋」であるという点を把握しておくことが重要です。

事実上真夏に近い「9月」

那覇名護久米島宮古島石垣島西表島与那国島南大東
9月平均気温27.927.627.727.628.227.627.527.9
9月平均最高気温30.630.830.530.131.030.330.031.0
9月平均最低気温25.825.125.325.626.025.225.325.0
単位は℃
気象庁の平年データ(2020年まで)による

沖縄の場合、「9月」はまだ「真夏」に近いような暑さが続きます。気温は年によっては7~8月と全く同じ水準ということもあり、体感的な「秋らしさ」はほぼ感じられない時期と言えます。

風の吹き方などを見ると、時折前線が通過するなどして北寄りの風が吹くなど、夏からの変化が見られやすくなる時期ですが、劇的に気温が下がるようなことはありません。

最高気温30度以上の「真夏日」、最低気温25度以上の「熱帯夜」がまだまだ多く、観光の面からは一般的な「海水浴シーズン」と言えます。

なお、台風の影響も多い時期で、暴風・大雨に見舞われるケースも見られます。

残暑がまだ厳しい「10月」

那覇名護久米島宮古島石垣島西表島与那国島南大東
10月平均気温25.525.025.325.526.025.425.425.9
10月平均最高気温28.128.027.927.828.827.827.828.8
10月平均最低気温23.522.523.223.823.923.423.623.0
単位は℃
気象庁の平年データ(2020年まで)による

10月は、9月と比べ気温低下の傾向が見られますが、その下がり具合はゆっくりで、本州のようにどんどん季節が進むような環境にはありません。

最高気温30度以上の「真夏日」や、最低気温25度以上の「熱帯夜」こそ減るものの、まだ「蒸し暑さ」を感じる時期であり、ずいぶんと気温の高い「残暑」の季節と言えます。

気温は年ごとの差が見られる場合もあり、夏の太平洋高気圧の勢力が強い年などは、10月に入ってからもしばらく真夏のような暑さが続くケースもあります。

1日の気温差も小さく、朝の最低気温が20℃以上の場合がほとんどですので、秋らしい「ひんやり」とした空気を感じられる機会はまだごくわずかと言えるでしょう。

但し、気圧配置が夏とは変わっていくため、北寄りの「ミーニシ(新北風)」と呼ばれる比較的乾いた風が吹き、真夏とは少し違った空気を感じられるようになるという点では、秋の雰囲気が徐々に感じられるとも言えるでしょう。

気温低下よりも天候不順が目立つ「11月」

那覇名護久米島宮古島石垣島西表島与那国島南大東
11月平均気温22.521.922.423.123.623.123.123.1
11月平均最高気温25.024.824.925.326.225.525.325.8
11月平均最低気温20.419.320.321.321.521.021.320.4
単位は℃
気象庁の平年データ(2020年まで)による

11月になると、さすがに真夏と比較した場合の気温差は比較的はっきりするようになり、ようやく「秋」が到来したと言える時期になります。

もっとも、その平均気温は本州各地の「9月」の平均気温に近く、最高気温は25度以上の「夏日」となる日も多く、最低気温も20℃以上の日が多いなど、特段寒い時期ではありません。

気温低下といっても、本州などのように夏と比べ15℃程度下がるような訳ではないため、「紅葉」などもほぼ見られず、「遅れてやってきた秋」であっても、「かなり限定的な秋」であることには違いありません。

11月は、気温以上に特徴的なのは「天候不順(すっきりしない・晴れ間が減る)」傾向であり、これは北からの寒気が海上で雲を発生させることが主な要因で、気温が高いにも関わらず、あたかも本州日本海側で見られるようなどんよりした空となることが特徴となっています。

気温は高いにも関わらず、天気だけは「冬」のような状況になるという点においては、沖縄の11月はかなり独特の気候を持つと言えるでしょう。

ポイント・まとめ

沖縄県内の「秋」は、季節感としてはかなり限定的な「秋」と言えます。
気温は総じてかなり高く各地との「秋らしさ」には大きな違いがあるため、「秋」はあくまでも「沖縄特有の秋」として捉えることが無難です。
9月はまだ「真夏」のような気温が続く場合が目立ちます。
10月「残暑」が厳しく、蒸し暑さを感じやすい時期となっています。
11月気温はやや下がる一方、どちらかと言えば「晴れ間が減る」方が大きな特徴と言えます。