こちらでは、東京周辺では高尾山などに次いでハイキングに人気のある茨城県の「筑波山(つくばさん)」の気候について、全体的な特徴や季節ごとの傾向など、基本的な情報を解説していきます。
なお、解説する気候は「山頂周辺」を想定した内容であるほか、解説する内容は全て「過去の一般的な傾向」となります。
【筑波山】全体的な気候の特徴・地理的特徴
山頂付近は標高800m以上となるため、特に昼間の気温はかなり低い地域です。
朝の気温も低いものの、平野部であるような「放射冷却」がないため、地上との気温差は小さく、場合によっては逆転現象が生じることがあります。
山地の規模は大きくないため、山間部でありがちな「平地と比べ雨がかなり多い傾向」は見られません。
標高が高い地域かつ、周囲に関東平野が広がり風を隔てるものがないため、地上と比べ風の強さは顕著です。
筑波山は、茨城県つくば市の北端部に位置する標高877mの山です。
山は関東平野に突き出したような形を持ち、独立峰のような特徴を持ちますが、広い範囲で見た場合「八溝山地」一帯の最南端にあたります。
山は関東屈指の日帰りハイキングを行う山として、徒歩による登山も一般的ですが、山頂付近まで筑波山ケーブルカー・筑波山ロープウェイが通っているため、比較的気軽にアクセスしやすい山としても知られています。
筑波山は関東平野のかなり広い範囲から見えやすい特徴を持つため一般的な知名度も高いほか、各種通信の拠点としてアンテナなども多く設置された山となっています。
【筑波山】基本の気象データ・観測の状況
筑波山においては、現在気象庁による気象観測は行われていません。但し、1976年~2001年までは山頂付近において気象庁の観測所(筑波山)があり、観測が実施されてきました。
気象庁の過去の観測記録を見ると、平地であるつくば市街地(つくば観測所)とは年間平均気温では4℃程度の差が見られるほか、気温差は最低気温では小さく、最高気温では大きい傾向が顕著となっています。また、山地ということで風は地上とは比べ物にならない程強く吹くケースが多々見られます。
なお、気象庁が観測を終了して以降は、2006年以降、同じ標高の地点において筑波大学による気象観測が実施(現在は筑波山神社・筑波大学計算科学研究センター共同気象観測所として運営)されています。こちらの観測データについては、利用に条件などがあるようですので、詳細は筑波大学計算科学研究センターの公式サイトなどをご確認下さい(リンク:筑波大学計算科学研究センター)。
【筑波山】季節ごとの気候
筑波山「春の気候」(3月・4月・5月)
筑波山「夏の気候」(6月・7月・8月)
筑波山「秋の気候」(9月・10月・11月)
筑波山「冬の気候」(12月・1月・2月)
【筑波山の気候】ポイント・まとめ
【全体的な気候の特徴】
標高が高いため寒い(昼間の気温が低い)・朝の気温は地上と逆転するケースも・雨は特別に多くはない・風はかなり強い
【気象観測】
過去に気象庁による観測が実施(2001年まで)・現在は「筑波山神社・筑波大学計算科学研究センター共同気象観測所」により観測が実施
【各季節ごとの大まかな気候の特徴】
春:遅くまで寒い・朝の気温は平地と逆転も・天気は周期的に変わる・風はかなり強い場合も
夏:特段雨の多い地域ではない・極度の天候不順(日照不足)の場合あり・年ごとの天候差大
秋:9~10月は雨量が多く天候不順の傾向も・台風による暴風もあり・気温は低めも極端な寒さはほぼない
冬:かなり寒い・朝の気温は平地と逆転も・よく晴れて乾燥・雪が積もるが多い地域ではない・季節風が強く吹く