沖縄県の「最低気温」ランキング【観測データから見る】

自然・気候

こちらでは、沖縄県で過去に観測された気温の「低い」記録について、ランキング形式でまとめて解説していきます。

なお、情報は2022年春現在の気象庁観測データに基づいています。その後記録が更新される可能性もありますので、その点はご留意下さい。

【沖縄県内】最低気温の低い記録(各地点の1位)

順位観測地点自治体観測史上最低気温
(℃)
観測日
1位久米島(くめじま)島尻郡久米島町2.91963年1月20日
2位奥(おく)国頭郡国頭村3.12016年1月24日
3位名護(なご)名護市3.41967年2月5日
4位南大東(みなみだいとう)島尻郡南大東村3.51982年1月22日
5位渡嘉敷(とかしき)島尻郡渡嘉敷村3.72016年1月25日
6位糸数(いとかず)南城市4.12016年1月25日
7位宮城島(みやぎじま)うるま市4.92016年1月25日
7位那覇(なは)那覇市4.91918年2月20日
9位北原(きたはら)島尻郡久米島町5.12016年1月25日
10位伊是名(いぜな)島尻郡伊是名村5.22016年1月25日
11位安次嶺(あしみね)那覇市5.82016年1月25日
12位石垣島(いしがきじま)石垣市5.91918年2月19日
13位仲筋(なかすじ)宮古郡多良間村6.12010年12月28日
14位西表島(いりおもてじま)八重山郡竹富町6.71963年1月28日
15位下地島(しもじしま)宮古島市6.82018年2月14日
16位宮古島(みやこじま)宮古島市6.91967年1月16日
16位鏡原(かがみはら)宮古島市6.92015年1月24日
18位盛山(もりやま)石垣市7.32016年1月25日
18位大原(おおはら)八重山郡竹富町7.32016年1月24日
20位伊原間(いばるま)石垣市7.62016年1月25日
21位与那国島(よなぐにじま)八重山郡与那国町7.71967年1月16日
22位波照間(はてるま)八重山郡竹富町7.81987年3月1日
23位北大東(きただいとう)島尻郡北大東村8.22015年2月15日
24位所野(ところの)八重山郡与那国町8.42007年1月30日
25位旧東(きゅとう)島尻郡南大東村9.12016年1月25日
気象庁の観測データによる

沖縄県内の気象庁の各観測地点で観測された「観測史上最低気温」について見ると、上記のような形となります。

最高気温のランキングでは、同じような数字が並んでいる一方で、この最低気温の記録は比較的幅が大きく、2℃台~9℃台までに渡り広く分布した記録となっています。なお、0℃を下回る「氷点下」の気温が観測されたことは沖縄県内ではありません。

低温記録の観測日は、2016年1月24・25日が目立ちますが、この日は100年に1回クラスとも言われる強烈な寒波が流れ込んだタイミングであり、温暖化時代と言われながらも、各地で記録的な低温を記録したことで知られています。

基本的に、5℃を下回るような低い気温の記録は久米島・沖縄本島地方周辺を中心に見られ、先島諸島では5℃以上の記録のみが観測されています。また、どちらかと言えば沖縄本島の中では寒気の影響をより受けやすい「北側」で低温の記録が目立つ形になっています。

これは、平均気温などの傾向に一致するもので、県内でも特に温暖な先島諸島(宮古島・八重山地方)一帯は、気温が低く出にくい状況がはっきりしています。

なお、条件にもよりますが、4℃を下回るような環境では「霜」が発生する可能性があるとされ、上記の記録では沖縄でも4℃未満の記録があることから、過去には沖縄でも霜がおりたことがある可能性はあると言えます。

【沖縄県内】最高気温の低い記録(各地点の1位)

順位観測地点自治体観測史上最低気温
(℃)
観測日
1位奥(おく)国頭郡国頭村8.41981年2月26日
2位渡嘉敷(とかしき)島尻郡渡嘉敷村8.71986年3月2日
3位糸数(いとかず)南城市9.11986年3月2日
4位伊是名(いぜな)島尻郡伊是名村9.71981年2月26日
5位久米島(くめじま)島尻郡久米島町10.31959年1月17日
6位那覇(なは)那覇市10.61901年2月12日
7位大原(おおはら)八重山郡竹富町10.71986年3月2日
8位名護(なご)名護市10.81977年2月16日
9位盛山(もりやま)石垣市11.12016年1月24日
9位伊原間(いばるま)石垣市11.11986年3月2日
9位与那国島(よなぐにじま)八重山郡与那国町11.11974年2月26日
12位宮古島(みやこじま)宮古島市11.21986年3月2日
13位石垣島(いしがきじま)石垣市11.31901年2月12日
13位鏡原(かがみはら)宮古島市11.32016年1月24日
15位北原(きたはら)島尻郡久米島町11.62018年2月5日
16位宮城島(みやぎじま)うるま市11.82021年1月8日
17位西表島(いりおもてじま)八重山郡竹富町11.91974年2月26日
18位波照間(はてるま)八重山郡竹富町12.12016年1月24日
19位安次嶺(あしみね)那覇市12.22016年1月24日
19位下地島(しもじしま)宮古島市12.22016年1月24日
21位仲筋(なかすじ)宮古郡多良間村12.32016年1月24日
22位所野(ところの)八重山郡与那国町13.12021年1月8日
23位南大東(みなみだいとう)島尻郡南大東村13.61986年3月2日
24位旧東(きゅうとう)島尻郡南大東村13.92005年3月6日
25位北大東(きただいとう)島尻郡北大東村14.22005年3月6日
気象庁の観測データによる

最低気温ではなく「最高気温」の観測史上最低記録について、各観測地点ごとの状況を見て行くと、上記のような形となります。

沖縄県では、過去に4地点で「最高気温10℃未満」という、本州太平洋側の真冬並みの気温のような状況となったことがありますが、多くの地点では最高気温が10℃を下回ったことがありません。

気温の傾向を見ると、10℃未満となった地点は「緯度的に最も北側」の伊是名を除き、残りの3地点はいずれも「標高200m前後」の地点であり、「やや高い場所」にある結果気温も低く出るという構図になっています。

また、那覇と石垣島については観測の歴史が古いため、1901年という極めて古い時代の記録が「史上最低」となっており、必ずしも温暖化時代の現在において、適切な比較ができるとは言い難い状況です。

地域的な傾向を見ると、最高気温の記録では高めの記録が「大東島地方」に偏っており、これは寒気が流れ込む際に、大東島地方が最も影響を受けにくい地域である点が影響していると考えられます。