和歌山県内の「降水量ランキング」を見る【多雨地域】

雪・気候

温暖で太平洋からの湿った気流が直接流れ込む地理的条件を持つ「和歌山県」。

和歌山県は、特に南部は近畿地方のみならず日本国内でも「雨が多い」地域として知られていますが、こちらでは具体的な降水量に関するデータをランキング形式で表す形で、和歌山県内の雨に関する状況を見て行きたいと思います。

「平年」の年間降水量ランキング

最も基本的な「雨」に関するデータとしては、「平年」の「年間降水量」データがあります。

平年の値とは、気象庁が観測した30年間(データが少ない場合は10年以上から)の平均値を取ったもので、現在のデータでは1991年~2020年の30年間に観測された数字で算出されています。
あくまでも平均値ですので、各年の数字とは大きなばらつきが生じますが、その地域で降る雨の量を比較する際には、最も参考になるデータです。

順位観測地点名所在地年間降水量の平年値
1位色川アメダス東牟婁郡那智勝浦町大野3784.7mm
2位西川アメダス東牟婁郡古座川町西川3591.2mm
3位新宮アメダス新宮市佐野3332.9mm
4位龍神アメダス田辺市龍神村湯ノ又字上湯ノ又3088.3mm
5位本宮アメダス田辺市本宮町本宮2918.6mm
6位潮岬特別地域気象観測所東牟婁郡串本町潮岬2654.3mm
7位栗栖川アメダス田辺市中辺路町栗栖川2581.3mm
8位日置川アメダス西牟婁郡白浜町安居2362.4mm
9位清水アメダス有田郡有田川町清水2097.3mm
10位南紀白浜アメダス西牟婁郡白浜町(南紀白浜空港出張所)2025.1mm
11位高野山アメダス伊都郡高野町高野山2003.1mm
12位川辺アメダス日高郡日高川町和佐1961.0mm
13位湯浅アメダス有田郡湯浅町湯浅1673.6mm
14位葛城山アメダス紀の川市那賀町切畑1513.9mm
15位かつらぎアメダス伊都郡かつらぎ町妙寺1464.0mm
16位和歌山地方気象台和歌山市男野芝丁1414.4mm
17位友ヶ島アメダス和歌山市加太苫ケ沖島1288.0mm
参考護摩壇山アメダス田辺市龍神村五百原約3500mm程度

年間平年降水量データの状況は上記の通りです。

和歌山県内で降る雨の量は、地域ごとに最大3倍近い差が見られます。年間降水量が3,000mm以上に達するような「多雨地域」は、紀伊山地一帯の山間部、または南東側の沿岸部となっています。

3,000mmというのは高さにして3m、人間の背丈より大きなものであり、1年間の合計とは言え、非常に雨が多いということがよくわかります。

和歌山市や紀の川周辺など、県内で人口が多い地域は必ずしも雨が特段多い地域とは言えず、南部や山間部との雨量差はかなり大きくなっています。

過去最大の「24時間降水量」ランキング

長期間ではなく、一度に降った雨の量を考える上でのデータとしては、24時間の間に降った雨の量(24時間降水量)のデータが参考になります。

データについては「1日」の雨量である「日降水量」も一般的ですが、一定時間に降った雨量としては、24時間に降った雨量の最大値がより適切に把握可能なデータとなっています。

順位観測地点名所在地24時間降水量の最大値観測日
1位色川アメダス東牟婁郡那智勝浦町大野689.0mm2001年8月21日
2位西川アメダス東牟婁郡古座川町西川685.0mm2011年9月4日
3位本宮アメダス田辺市本宮町本宮648.5mm2011年9月3日
4位新宮アメダス新宮市佐野609.0mm2011年9月4日
5位龍神アメダス田辺市龍神村湯ノ又字上湯ノ又596.5mm2011年9月4日
6位日置川アメダス西牟婁郡白浜町安居553.0mm2011年9月4日
7位栗栖川アメダス田辺市中辺路町栗栖川533.0mm2011年9月4日
8位護摩壇山アメダス田辺市龍神村五百原450.0mm2013年9月16日
9位潮岬特別地域気象観測所東牟婁郡串本町潮岬393.5mm2014年8月3日
10位高野山アメダス伊都郡高野町高野山390.5mm2013年9月16日
11位清水アメダス有田郡有田川町清水385.0mm2011年9月4日
12位南紀白浜アメダス西牟婁郡白浜町(南紀白浜空港出張所)377.0mm2011年9月4日
13位和歌山地方気象台和歌山市男野芝丁375.0mm2000年9月12日
14位湯浅アメダス有田郡湯浅町湯浅374.5mm2015年7月17日
15位川辺アメダス日高郡日高川町和佐373.0mm2015年7月17日
16位友ヶ島アメダス和歌山市加太苫ケ沖島276.0mm2000年9月12日
17位葛城山アメダス紀の川市那賀町切畑275.0mm2017年10月23日
18位かつらぎアメダス伊都郡かつらぎ町妙寺221.5mm2017年10月23日

和歌山県内の気象庁観測地点における24時間降水量の最大値のランキングは上記の通りです。

24時間降水量のデータについても、基本的には北部の和歌山市周辺よりも、南部で雨量が多くなっており、傾向に大きな違いはありません。

和歌山市では1日200mm程度の雨は「記録的な大雨」ですが、南部の観測地点では「毎年あるまとまった雨」程度であり、同じ雨量でも地域ごとにその「重大度合い(危険度)」に違いがあります。

観測された日を見ると、2011年9月4日(3日)が多くなっており、こちらは壊滅的な被害をもたらした2011年9月の台風12号による豪雨(紀伊半島大水害)となっています。

過去最大の「1時間降水量」ランキング

短い時間に集中して降った雨量のデータとしては、「1時間あたりの降水量」が最も把握に適したデータとなっています。

順位観測地点所在地1時間降水量の最大値観測日
1位潮岬特別地域気象観測所東牟婁郡串本町潮岬145.0mm1972年11月14日
2位新宮アメダス新宮市佐野132.5mm2011年9月4日
3位和歌山地方気象台和歌山市男野芝丁122.5mm2009年11月11日
4位栗栖川アメダス田辺市中辺路町栗栖川102.0mm2001年8月9日
5位川辺アメダス日高郡日高川町和佐99.0mm2006年7月5日
6位南紀白浜アメダス西牟婁郡白浜町(南紀白浜空港出張所)97.5mm2016年7月9日
7位色川アメダス東牟婁郡那智勝浦町大野96.0mm1988年9月6日
8位葛城山アメダス紀の川市那賀町切畑90.5mm2020年9月5日
9位西川アメダス東牟婁郡古座川町西川89.5mm2018年8月23日
10位日置川アメダス西牟婁郡白浜町安居89.5mm2017年6月21日
11位友ヶ島アメダス和歌山市加太苫ケ沖島88.0mm2003年10月13日
12位湯浅アメダス有田郡湯浅町湯浅80.0mm2017年8月7日
13位龍神アメダス田辺市龍神村湯ノ又字上湯ノ又79.0mm2001年10月1日
14位かつらぎアメダス伊都郡かつらぎ町妙寺78.0mm2003年8月26日
15位本宮アメダス田辺市本宮町本宮76.0mm2002年7月9日
16位高野山アメダス伊都郡高野町高野山72.0mm1976年7月28日
17位護摩壇山アメダス田辺市龍神村五百原70.0mm2018年9月4日
18位清水アメダス有田郡有田川町清水69.0mm2016年9月28日

1時間降水量の最大値をランキング形式でまとめると、上記の通りとなります。

このデータについては、県内で「雨が多い地域」であるかどうかは、1時間雨量の多さには強い関連がないようにも見えます(標高の高い紀伊山地山間部では100mm以上の観測データがない)が、海に近い地域では極端な雨量が観測されています。

潮岬・和歌山市の過去最高記録は秋の後半、11月の観測となっているなど、ゲリラ的な局地的豪雨は「台風」のみならず様々な条件で発生しています。

まとめ

和歌山県で観測される降水量データをランキング形式で見て行くと、1年間で降る雨の量は、和歌山市などのある北部平地と、雨量が多い南部・山間部との比較では2倍以上の差が見られます。

24時間に降る雨の量の記録で見ても、1年間で降る雨の量の傾向と同様で、南部・山間部で非常に多い一方、北部の「大雨記録」は南部の「毎年あるまとまった雨」程度であるなど、地域ごとに状況は大きく異なります。

長期間のデータではなく、短時間(1時間単位)で降る雨量を見て行くと、南部や山間部=必ず上位ということはなく、和歌山市内でも極端な豪雨が観測されたことがあるなど、地域を問わず豪雨の可能性があります。