近畿地方の南部へ移動する上での交通の大動脈としては、JR紀勢本線(きのくに線)も重要ですが、高速道路である「阪和自動車道(紀勢自動車道)」が欠かせない存在となっています。
こちらは関西でも特に温暖な地域へ移動するルートということで、物流その他のみならず、行楽・レジャーでの移動も多い道路として知られています。
当記事では、「(和歌山方面の)温暖なイメージ」と一見すると関係がないように感じられる「阪和自動車道(紀勢自動車道)」と「雪」というテーマについて、積雪の頻度や積もる条件などを解説していきたいと思います。
※阪和自動車道の途中区間に挟まれている「湯浅御坊道路」については、実質的な取り扱いは阪和道の一部ですので、本記事でも同様のものとして取り扱います。
通常雪は少ない路線
近畿の「南国」である和歌山県方面への移動に用いられる「阪和自動車道(紀勢自動車道)」。一見すると雪とは無関係に見えますが、「雪事情」はどうなっているのでしょうか。
まずは、基本的な状況を確認しておきましょう。
要は、雪の可能性は低い地域であっても、まれに積もる場合はある。ということになります。
雪が積もる頻度は?
雪が少ない阪和自動車道(紀勢自動車道)一帯ですが、雪が積もる場合、その頻度はどのくらいなのでしょうか。
阪和自動車道(紀勢自動車道)は、温暖な地域へ移動するイメージ通り、雪は確かに多くありません。
但し、積雪となることは「ない」訳ではなく、2010年以降で見た場合でも、「積雪」をどう定義するか(道路が白くなっている状況なのか、路肩などがやや白くなりはじめる水準なのか)にもよりますが、10年少々の間に、阪和自動車道~紀勢自動車道区間の「どこか」で概ね10回程度は雪が積もっています。
舞鶴自動車道・北陸自動車道のように、寒い年は「雪が当たり前」である路線と比べれば極めて雪の頻度は少ないですが、平均年1回程度は雪が積もっている以上、「運が悪ければ」積雪状態に遭遇する可能性はありますので、「雪とは無縁」な訳ではありません。
2019年1月26日 | 積雪により通行止め(泉南IC~和歌山IC間が対象) |
2017年1月23・24日 | 積雪により通行止め(和歌山IC以南が対象) |
2016年1月24・25日 | 積雪により通行止め(泉南IC以南が対象) |
2014年2月14日 | 積雪により通行止め(松原~御坊周辺の広範囲が対象) |
2014年2月8日 | 積雪により通行止め(岸和田和泉~有田間が対象) |
積雪となりやすい「区間」は?
阪和自動車道(紀勢自動車道)は、大阪府松原市から和歌山県すさみ町までの約160kmの区間に渡って伸びる高速道路です。雪はどこでも同じように降る訳ではありませんので、その傾向も地域ごとに考える必要があります。
阪和自動車道の北側の起点である松原市・堺市付近や、和歌山市より南側の区間では「毎年必ず積もる」ような地域とは言えず、何も積もらない年もごく一般的です。
一方で、和泉山脈沿いの地域は気温が低くなりやすい条件で、かつ大阪湾で湧いた雪雲が流れ込む場合があるため、必ず毎年積もるかどうかは別として、結果として雪の頻度はやや多くなります。
もっとも、それでも平均すれば1年に1度あるかないか。という頻度ですので、多くはありませんが、「阪和道一帯の雪」を考える場合、まず注意が必要なのはこの「和泉山脈周辺」の区間となります。
天気予報が「晴れ・曇り・雨」でも「積雪」のケースがある?
阪和自動車道は、大阪府の南部を比較的山に近い地域を沿って走り、和泉山脈を越えて和歌山県に向かいます。
和泉山脈周辺の天気は、大阪の天気予報で予報されている「大阪市」の天気とは条件が異なる場合があり、特に「強い冬型の気圧配置」となった際に、大阪湾周辺で湧いた雪雲が北西方向などから流れ込み、和泉山脈周辺だけで雪が降るケースが「まれ」に見られます。また、「南岸低気圧」の場合でも和泉山脈周辺だけ雪になる場合があり、大阪で「雨予報」となっていても積雪となる場合がやはり「まれ」に見られます。