京都の市バスというと、一般に観光客が多く利用することでよく混雑する・よく遅れるという評判が広がっています。
こちらの記事では、「混雑」について解説した記事に次いで、「遅れ」に関する一般的な状況について総合的に解説していきます。なお、遅延の状況はその時々の状況に応じ変化している場合がありますので、あくまでも参考程度の情報となっています。
コロナ禍の影響は2022年現在縮小
京都市バスの混雑や遅れの発生については、観光都市としての京都の宿命とも言えるもので、一部の時間帯や一部の路線に多数の観光客が殺到することでバスの乗降に時間が掛かったり、またはバスの乗客数に関わらずマイカーによる交通渋滞に巻き込まれたりすることで遅れがどんどん広がる悪循環がありました。
インバウンド需要も次第に復活する傾向となり、京都市バスを観光で利用する方は今後も増加することが見込まれるため、「遅れ」の状況について、コロナ前・コロナ禍を経た2022年現在で、極端に違いがえると言える状況は見られません。
どこでもいつでも遅れる訳ではありません
京都の市バスというと、京都市バス=遅れるから乗らないほうがよい。というような過度にバスを否定するような説明が「時期」を区切らずになされている事例も見られます。
特に京都市内の場合、比較的人口が多い市内北部は、それより北側に都市がない(日本海側までほぼ何もない)こともあり「通過交通」が少なく、そもそも一部の観光地周辺などを除き、渋滞が余り起きないエリア(北大路・北山・西賀茂方面など)もあり、そういった地域の生活路線は観光地を走る路線とは訳が異なり、少なくともその地域内で遅れが生じることは多くありません(但し、中心部から乗り入れる路線の場合、遅れが波及することはごく一般的です)。
また、北の地域でなくても洛西方面などはベッドタウンとなっており、桂駅周辺は道路渋滞が生じることもあるかもしれませんが、やはり観光地とは全く異なる状況です。
中心市街地を通るバスでも、例えば9号系統が通る堀川通りや206号・6号系統などが通る千本通り沿いなど、観光客というよりは「市民の利用」が目立つ路線の場合、渋滞で遅れる場所は京都駅周辺に集中しているなど、遅れたとしても「路線の大半の区間」では比較的スムーズに走る場合も多くなっています。
遅延が発生しやすい「時期」は?
例えば午前の比較的早い時間帯(朝9時台)などであれば、観光客が多い日でもそれほど大幅に遅れることはないでしょう。また、特別な行事や交通アクシデントでもない限り、夜間や早朝に大幅な遅れが発生することはほぼありません。
市民の通勤ラッシュ時間帯についても、朝ラッシュ時については特に早い時間帯(6〜7時台)は、むしろ観光客が多い時間帯よりも運行がスムーズになる傾向があるといえます。
遅延が発生しやすい「場所」は?
京都市バスの「遅れ」は、実際のところ「どこでも」という訳ではなく、市内のごく一部エリアにその原因が集中しています。
エリア | 主な遅延要因・状況 |
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京都駅周辺 | ◇主に観光シーズンのマイカー・タクシー・バスの集中による渋滞 ◇京都駅以外はスイスイと走る場合も、駅前だけ遅れに巻き込まれるケースも目立つ ◇駅周辺の堀川通り南側・国道1号線にかけての渋滞が目立つ ◇ごくまれに選挙演説などが渋滞の引き金になることも |
東大路通り沿い(清水寺・祇園周辺) | ◇観光シーズンにおけるマイカーなどによる交通渋滞 ◇観光客の利用集中による乗降時間拡大による遅れの波及 |
四条通り沿い(四条河原町~四条烏丸周辺) | ◇道路キャパシティに対する交通量の過度な集中 |
河原町通り沿い(京都市役所前~河原町塩小路周辺) | ◇観光シーズンにおけるマイカーなどによる交通渋滞 |
五条通り・国道9号線沿い | ◇元々交通量が非常に多く、観光シーズンや土日祝日には渋滞が起きやすい ◇但し、路線としては生活路線が主で、観光客に影響を及ぼすケースは少ない |
非常に大まかにいえば、遅延が起きやすいエリアは上記のエリア・区間であり、上述した「遅れやすい時期」にこれらエリアで遅れが発生する傾向があります。
もちろん、これ以外の場所でも何らかの行事の開催・一般的な市民の移動によって渋滞が起きることはありますし、高雄方面など山間部でも観光客の集中で一部の時期のみ渋滞が起きたりすることがあります。
観光シーズンに混雑・遅れが特に目立つ場合は、京都駅前で地下鉄を利用して迂回するルートの案内などが行われている場合もあるため、状況に応じ案内に従って移動して頂くとスムーズでしょう。
遅延が発生しやすい「路線」は?
京都市バスの「遅れやすい路線」は、観光客の状況やマイカーによる渋滞の発生状況などによりその傾向や頻度は異なりますが、非常に大まかにまとめれば以下のようになります(これ以外にも遅延が発生する路線はありますし、逆にこれらの路線でも状況次第ではスイスイ走ることもあります)。
2022年現在、コロナ前に運行されていた「観光系統」は全て運行が休止となっており、観光客・一般の市民などの利用する路線が重複する傾向が強まっています。なお、観光シーズンには臨時便・臨時路線が柔軟に運行されているため、観光客の方はそちらをご利用頂くことが可能です。
系統 | 主な遅延要因 |
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206号系統(東大路通方面) | ◇清水寺・祇園・銀閣寺方面への観光客集中 ◇東大路通りのマイカーによる交通渋滞 ◇加えて京都大学関係など市民の利用も多め |
86号系統 | ◇清水寺・祇園・銀閣寺方面への観光客集中 |
5号系統 | ◇京都駅・四条河原町周辺の交通渋滞 ◇長距離かつ平安神宮・南禅寺・銀閣寺周辺など観光地も多く通ることで遅れが重なりやすい |
205号系統 | ◇河原町通(四条河原町~京都駅)の交通渋滞 ◇金閣寺方面への観光客集中と市民利用の多さ |
17号系統 4号系統 | ◇河原町通(四条河原町~京都駅)の交通渋滞 |
28号系統 | ◇京都駅や嵐山周辺の渋滞 ◇終点「大覚寺」バス停での折り返し時点で遅れが取り戻せないケース |