京都市バスの「混雑」はどんな感じ?

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鉄道交通網が他の大都市と比べやや限定的な京都市は、歴史的にも「バス」の利用が多い地域です。

当記事では、京都市バスの「混雑」というテーマに特化して、その状況についてなるべくシンプルに解説していきます。

コロナ禍からの回復に従い、市バスの混雑傾向が再び顕著になりつつあります。状況は常に変化していますので、こちらの記事の情報はあくまでも参考程度に捉えて頂くのが無難です。

コロナ禍による混雑状況の変化は縮小

2020年初頭からの新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、京都市バスの混雑状況についてもその構図は一変し、一時期は利用が激減する時期もありました。

但し、2022年以降コロナ禍からの回復に伴い、ラッシュ時間帯や昼間時の市バスの利用は特に増加しつつあります。コロナ前の利用者数は戻っていないものの、「観光系統」の運行休止・一般系統の減便が行われたため、「体感的な混雑」は既にコロナ前の混雑状況に近いとも言えます。

なお、実数をもって示すものではありませんが、一般論として2022年現在も含め「夜間時間帯」の利用減少はそれ以外の時間帯に比べ目立っていると言えます。

通勤・通学時間帯の混雑は?

通勤・通学時間帯の市バスは、特に四条通沿いや京都駅などの中心市街地への通勤者、また大規模な学校(大学)などへの通学者で多くの利用があります。

混雑する系統は多く、どれがどの程度と一つ一つ説明する必要もないほどですが、四条通りを東西に通る3号系統・堀川通りをひたすら南北に進む9号系統・北区の住宅街と中心部を結ぶ主要路線である46号系統・市街地の循環系統である203号系統・205号系統・206号系統・207号系統などは一般に特に利用が多い系統となっています。

混雑については、通勤・通学時間帯は便数も多いため、乗り切れないような混雑になることは基本的になく、特段問題になるようなことは生じませんが、主要な系統では車内が着席したお客さんのみならず、多くの立ってご乗車になる方がおられ、バスの後ろ側の通路までお客さんが見られることもあります。

また、京都市の場合は中心街と反対方向についても、例えば四条通沿い・梅津地域の三菱・日新電機の工場、衣笠の立命館大学のように多くの事業所や教育機関などがありますので、中心街へ向かうバスでなくても通勤・通学時間帯には相応の混雑になる路線があります(ほぼ住宅しかないようなエリアへ向かう路線については、駅・中心街へ向かう便以外は空いています)。

コロナ禍の影響により、通勤・通学利用も2019年までと比べると減少の傾向が見られますが、関西圏ではテレワークの浸透が首都圏ほど進んでいない点などもあり、2022年現在通勤利用も含めかなり回復しつつあります。

大学の対面授業再開以降は通学利用も一気に増加しており、体感的な混雑状況は、コロナ前と比べ余り変わらない状況に近づきつつあると言えるでしょう。

日中時間帯の混雑(市民の利用)は?

京都市バスについては、日中時間帯についても「混雑しやすい」イメージが持たれがちな存在であり、実際にその傾向が路線によっては顕著です。

日中時間帯の混雑については、観光利用に伴うものとそうでないものがありますが、観光利用に伴わない一般的な混雑としては、そもそも運行本数の多い主要路線は(3号・5号・9号・46号、205号など各循環系統)は終日に渡り市民の利用が多いですし、このほかにも大学関連の利用が多い路線、また「敬老乗車証(敬老パス)」の利用が目立って多い路線などでも日中の利用も多い傾向があります。

コロナ禍を受けて一時的に昼間の利用は大幅に減りましたが、2022年現在利用は次第に回復傾向にあります。また、便数が多い路線では昼間時間帯の一部減便が実施されたため、利用者数がやや減っている場合でも、実質的な混雑の体感はコロナ前に近づいていると言えます。

なお、洛西方面や洛南方面など、いわゆる「赤字路線」がまとまっているエリアについては、コロナ禍の前より比較的混雑度合いが低い路線も多くなっています。

「観光利用」の混雑は?

コロナ禍の影響は縮小・再び混雑しやすい市バスに

観光に伴う混雑については、かつてはインバウンド需要があったためコロナ禍に見舞われるまでは相当な混雑があり、いわば京都市バスのネガティブな側面として語られることも多いほど市民生活にも一定の影響を及ぼすものでした。

2022年現在、インバウンド需要の回復はコロナ前には及びませんが、観光系統の路線が運行休止となったこともあり、観光地へ向かうバスの混雑が再び見られやすくなっており臨時便・臨時路線の運行などが適宜行われています。

なお、かつて運行されていた観光客向けの系統(100号系統など)は、全て運行が休止となっています。一部の区間では便数にして半減程度になっているなど、コロナ前と比べ輸送力が小さくなっており、臨時便がない平日など状況によってはかえって混雑するケースもないとは言えません。

特に混雑する区間はどこ?

京都市バスで最も観光客が多い区間は、京都駅~三十三間堂・清水寺・祇園方面を結ぶルートです。系統としては「206号系統」など、京都駅ののりばでは「D2」のりばからのバスとなっています。

このルートについては、春・秋の観光シーズン(土日祝日)には「利用の集中」と「道路渋滞」により、特に「お帰りの便(観光地側からの利用)」に乗れないようなケースが生じる場合があります。京都駅発についても、一度では乗れずにバスをやり過ごし、かなり長い時間待つことがあります。

京都市交通局は、混雑時は地下鉄+バスの組み合わせによる「混雑回避ルート」などを推奨していますので、京都駅の状況などを見たうえで、アクセスルートを判断して頂くのがおすすめです。

また、この他には以下のような系統が「観光客」で混雑しやすいと言えます。

5号系統京都駅~平安神宮・岡崎・銀閣寺方面の観光客が多い
205号系統京都駅~四条河原町・下鴨神社・金閣寺・北野天満宮方面などの観光客が多い
17号系統京都駅~四条河原町・銀閣寺方面への観光客が多い
207号系統四条河原町・祇園~清水寺・東福寺方面の観光客が多い
9号系統京都駅~二条城方面への観光客が多い
28号系統京都駅~嵐山方面の観光客が多い

まとめ

京都市バスは「混雑する」ことでコロナ禍までは非常に有名な存在で、通勤・通学ラッシュの時間帯に加え「観光客」で日中も含め大混雑する路線が存在したなど、日本で最も混雑しやすいバスといっても過言ではない存在となってきました。

新型コロナウイルスの感染拡大により一時的に利用は激減しましたが、2022年以降は利用が増加傾向にあり、路線休止・減便された路線も多いことから、混雑の体感はコロナ前に次第に近づきつつあるか、状況によっては上回っているケースもあると言えます。

春・秋の観光シーズンには観光地を結ぶ系統は激しい混雑に見舞われやすく、地下鉄線との組み合わせなど、「混雑回避」ルートの活用が無難です。

通勤・通学時間帯については、四条通り沿いや京都駅周辺など中心街へ向かうバスは多くが立ってご乗車になる方が見られるなど混雑するほか、市内には大きな事業所や大きな大学が複数あるため、中心街とは反対方向へ向かう路線でもかなりの混雑が見られるケースがあります。