奈良で使える交通系ICカード・利用範囲について

交通・地理

近年は、鉄道・バスのご利用にはICOCA・Pitapa・SUICA・PASMO等の交通系ICカード乗車券を使用する割合が高まっています。

こちらでは、奈良県内の交通機関について「交通系ICカード」への対応状況(2020年現在)をまとめていきます。

奈良県は観光地であり、住民による公共交通機関の利用も多いということから、ICカード乗車券の普及度合いは高くなっています。

近畿日本鉄道(近鉄)で使えるICカード

奈良県内の公共交通機関として最も重要な存在である「近鉄電車」。

近鉄電車では、運賃のお支払いに以下のICカード乗車券がご使用頂けます。利用可能なものは以下の通りです。

ICOCA(イコカ・JR西日本)・Pitapa(ピタパ・関西私鉄)
SUICA(スイカ・JR東日本)・PASMO(パスモ・関東私鉄など)
Kitaca(キタカ・JR北海道)・manaca(マナカ・名鉄など)・TOICA(トイカ・JR東海)・はやかけん(福岡市交通局)・nimoca(ニモカ・西鉄など)・SUGOCA(スゴカ・JR九州)

※近鉄沿線住民が主に利用するICカード乗車券は、ICOCA又はPitapaです。
※奈良交通のCI-CAは使えません。

利用可能な路線は基本的に鉄道の「全線」です。但し「生駒ケーブル」や「葛城ロープウェイ」ではご利用頂けません。高安山への「西信貴ケーブル」では利用可能です。

ICカード乗車券の利用方法や利便性については、全国各地の鉄道各社と変わりはありません。

かつては志摩線の一部等では使えなかったICカード乗車券も、現在では鉄道線では全てのエリアをカバーしていますので、近鉄沿線であれば吉野へ行く場合でも・賢島へ行く場合でも「ICOCA」や「SUICA」等でスムーズなご利用が可能です。

JR西日本で使えるICカード

JR西日本で利用可能なICカード乗車券は以下の通りです。

ICOCA(イコカ・JR西日本)・Pitapa(ピタパ・関西私鉄)
SUICA(スイカ・JR東日本)・PASMO(パスモ・関東私鉄など)
Kitaca(キタカ・JR北海道)・manaca(マナカ・名鉄など)・TOICA(トイカ・JR東海)・はやかけん(福岡市交通局)・nimoca(ニモカ・西鉄など)・SUGOCA(スゴカ・JR九州)

※JR西日本が発売するICカード乗車券は、ICOCAです。
※JR西日本のポイントサービス「WESTERポイント」は、ICOCA利用時に条件を満たした場合のみ付与されます。
※奈良交通のCI-CAは使えません。

利用可能な路線は、JR西日本の奈良県内全線を含む京阪神一帯の広い範囲です。2018年から2020年にかけて和歌山線(吉野口・五条方面等)がIC化され、全てのエリアにICカード乗車券で行けるようになりました。

なお、奈良県の路線ではありませんが、奈良市月ヶ瀬・奈良市柳生エリアへのアクセスに利用されることもある「JR関西線」については、2021年春からICカード乗車券の利用が可能になりました(利用方法は車内ICカードリーダーへのタッチなど)。

奈良交通バスで使えるICカード

奈良交通バスについては、利用可能なICカード乗車券は以下の通りです。

CI-CA(シーカ・奈良交通)
ICOCA(イコカ・JR西日本)・Pitapa(ピタパ・関西私鉄)
SUICA(スイカ・JR東日本)・PASMO(パスモ・関東私鉄など)
Kitaca(キタカ・JR北海道)・manaca(マナカ・名鉄など)・TOICA(トイカ・JR東海)・はやかけん(福岡市交通局)・nimoca(ニモカ・西鉄など)・SUGOCA(スゴカ・JR九州)

※奈良交通が発売するICカード乗車券は、CI-CAです。

奈良交通の路線バスでは、全ての路線(八木新宮線も含む)でICカード乗車券がご利用頂けます。

専用のICカード乗車券「CI-CA」については、チャージごとにプレミア額が付与される等、他のICカード乗車券のご利用と比べ、お得にバスを利用する事が可能です。

関西空港や伊丹空港と奈良を結ぶ空港リムジンバス(関西空港交通・大阪空港交通・奈良交通)についても、お支払いに全国共通のICカード乗車券が利用可能ですが、奈良交通便でも「CI-CA」は使えません。

また、路線バスについては一部で(曽爾村・奈良市月ヶ瀬)奈良県内を通る三重交通の路線バスについても、各種交通系ICカード乗車券が使えます。但し三重交通バスでは奈良交通のCI-CAは利用出来ません。

県内コミュニティバスの対応状況

奈良県内については、中南部では奈良交通バスではなく各自治体の「コミュニティバス」が運行されているエリアが多くなっています。

ICカード乗車券がご利用頂ける主なコミュニティバスについては、以下の通りです。

コミュニティバスについては観光利用がある地域・利用が多い地域・奈良交通バスの車両で運行している地域は、ICカードに対応している場合がほとんどです。

桜井市コミュニティバス全線(談山神社方面等)
天理市コミュニティバス全線
大和高田市コミュニティバス「きぼう号」
橿原市(かしはらし)コミュニティバス全線
生駒市コミュニティバス「光陽台線」・生駒山麓公園ふれあいセンター送迎バス
葛城市公共バス全線(れんかちゃん号等)
五條市コミュニティバス「ゴーちゃんバス」
広陵町コミュニティバス「広陵元気号」
安堵町コミュニティバス全線
斑鳩町コミュニティバス全線
宇陀地域連携コミュニティバス(奥宇陀わくわくバス)
南部地域連携コミュニティバス「R169ゆうゆうバス」

上記コミュニティバスは奈良交通バスで利用可能な各種ICカード乗車券(CI-CA・ICOCA・Pitapa・その他全国共通の交通系ICカード乗車券)がご利用頂けます。

ICカードが使えない交通機関は?

これまで解説してきた通り、奈良県内の大半の交通機関では各種交通系ICカード乗車券がご利用頂けます。

ICカード乗車券が利用出来ない運行会社・交通機関については以下の通りです。

吉野大峯ケーブル自動車(吉野ロープウェイ・吉野山内路線バス)
一部のコミュニティバス等

観光でご利用の場合、吉野駅までの近鉄電車はICカード乗車券が使えますが、吉野山観光に便利な吉野ロープウェイ(代行バス)・山上の路線バスは現金のご利用が基本です。

コミュニティバスについては、先述の通り桜井・橿原・曽爾方面等観光で利用する事も多い路線や利用が多い地域については大半が対応していますが、地域交通としての利用がメインの地域・利用そのものが少ない地域・デマンド型交通となっている地域ではIC非対応のケースも多く見られます。

奈良市内や奈良盆地一帯の「観光」の場合、基本的に各種ICカード乗車券はどこでもご利用頂けます。

まとめ

奈良県内の交通機関については、近鉄電車(ケーブル等を除く)・JR西日本・奈良交通の全ての駅・路線で全国共通の交通系ICカード乗車券がご利用頂けます。

コミュニティバスについても、観光利用のある路線や利用が多い主要な自治体についてはICカード乗車券対応となっているものが多くなっています。

奈良交通の発行する「CI-CA(シーカ)」については、電車ではご利用頂けません。奈良交通バス(路線バス全線)と一部コミュニティバスのみで利用可能です。