こちらでは、世界遺産「姫路城」のある近畿西端の拠点都市「姫路」から、古都「京都」への交通手段について各交通手段ごとに詳しくまとめていきます。
なお、京都市内へはマイカーで訪れることはその交通環境の性質上おすすめできません。本記事では「公共交通機関」による交通手段のみご案内させて頂きます。
なお、本サイトは奈良の観光情報を取り扱うサイトですが、奈良と合わせて京都観光をされる方も非常に多いですので、京都市内の交通アクセスに関する情報もご案内しております。
アクセスの基本
姫路~京都間は、直線距離でちょうど100キロほど離れています。姫路からの場合、中国地方の岡山市や山陰地方の鳥取市、四国の高松市の方が単純な距離では近くなっており、一見京都は「遠い」街に感じられます。
しかしながら、京都へは距離の割には所要時間が短い交通手段、もしくは所要時間は長くても運賃が割安の交通手段が充実しています。
姫路から京都を結ぶ交通手段としては、基本的には以下の3つのルートがあります。
◇JR線(新快速)ルート:在来線の最速ルート(所要時間約90分)・約15分おきに運行
◇JR線(新幹線)ルート:圧倒的な最速ルート(所要時間1時間以内)・料金高い
◇私鉄(阪急・山陽)ルート:通常運賃最安・日帰りの場合お得なきっぷの活用で格安の場合あり・所要時間長い
いずれのルートにも利用するメリットがありますが、基本的にはJR線(新快速)を利用するルートが最も所要時間と運賃のバランスの取れた、利用しやすいルートになっています。
新幹線利用は、コストパフォーマンスは悪くなりますが、とにかく早くアクセスしたい方にはおすすめです。
また、私鉄線利用のルートは、日帰りの場合に限り「お得なきっぷ」の活用で大変お得になる場合がありますが、宿泊を伴うご旅行の場合は基本的にお得なきっぷが往復で使えないという特徴があります。
JR線(新快速)を利用する
ルート | JR姫路駅~JR京都駅(乗り換えなし) |
利用する列車 | 新快速(基本的に全ての新快速が京都を経由します。) |
運行間隔 | 約15分間隔(一部時間帯を除く) |
運賃 | 2310円 |
所要時間 | 約1時間30分 |
姫路駅から15分おきに運行されている「新快速電車」を利用して京都へ行くルートは、姫路~京都間を結ぶ最も基本的で便利なルートです。
新快速電車は在来線を走る電車としては日本で一番早い電車と言っても過言ではない存在であり、100キロ以上離れた京都まで約1時間30分でアクセス可能となっています。
また、新快速は姫路始発の便も多く、基本的にほとんどの場合で「座る」ことが可能です。
運賃は2310円と割安とは言えないものの、新幹線よりは大幅に安上がりであり、利用可能な時期は限られますが、「青春18きっぷ」のご利用で日帰りの場合の往復コストを削減することも可能です。
◇お得なきっぷについて
姫路~京都間の運賃は、一部の日程ではお得なきっぷを活用することで「日帰り」などの場合はお安くすることが可能な場合があります。
「青春18きっぷ」:5日分がセットで12050円でJR全線の普通・快速・新快速電車などがが乗り放題になります(1日あたり2410円)。5日分セットのため、他の日程にもご旅行される場合や、グループでのご利用の場合大変お得にご利用頂けます。なお、発売・利用期間は限定されています。
2023年2月までは往復だけで安くなるJRのお得なきっぷ「関西1デイパス」の利用も可能でしたが、3月以降発売が確認されていません。18きっぷ利用時を除き、通常の運賃で姫路~京都間を往復する形になります。
JR線(新幹線)を利用する
ルート | JR姫路駅~JR京都駅(乗り換えなし) |
運賃・料金 | のぞみ号利用の場合:指定席5800円・自由席4840円 |
運行間隔 | 運行間隔はやや不規則 ※のぞみ号は約1時間に1本程度、その他ひかり号なども運行 ※原則として京都へ直通しない新大阪行きは利用せず「東京」行きなどの利用がおすすめ |
所要時間 | 約45分~ |
新幹線を利用するルートは、姫路~京都間を名実ともに「圧倒的最速」で結ぶ交通手段です。
45分という所要時間は、新快速と比較してもちょうど半分の時間となっており、100キロ以上の距離ながら1時間も掛からずに移動できるようになっています。
運賃・料金は5000円前後と非常に割高のため、新快速電車と比べての利用するメリットはやや少ないかもしれませんが、とにかく早く京都へアクセスしたいのであれば、新幹線の利用はおすすめとなっています。
但し、運行本数は新快速よりも少なく、利用する列車によっては新大阪駅での乗り換えが発生する場合もあります(原則として直通列車の利用がおすすめです)。最速45分ののぞみ号を利用するには、約1時間に1本程度の運行スケジュールに合わせて頂く必要がありますのでその点はご留意下さい。
なお、新幹線については頻繁に利用する方向けの会員制予約サービス「エクスプレス予約」などを除き、割引が適用されるお得なきっぷ類は特にありません。
私鉄線(山陽電車・阪急電車)を利用する
ルート | 山陽姫路駅~神戸高速新開地駅~阪急十三駅~阪急京都河原町駅 |
運賃 | 山陽・神戸高速990円+阪急640円=合計1630円 |
所要時間 | 約2時間20分 |
最も運賃を安くできるルートは、姫路から私鉄の「山陽電車」に乗り、途中で阪急電車に乗り換えて京都へ向かうルートです。
乗り換えは計2回。昼間の基本的なルートは、姫路駅からは阪神梅田行きの直通特急にご乗車頂き、途中の新開地駅で阪急電車の大阪梅田行き特急に乗り換え、大阪の十三駅で京都河原町行の特急に乗り換える形となっています。
こちらのルートは、所要時間は新快速よりも1時間近く長くなっており、少しご面倒に感じられる方もいるかもしれませんが、通常運賃でも最安、また「お得なきっぷ」の活用で更に安い運賃でアクセス可能となり、コストパフォーマンスを重視される場合にはおすすめのルートとなっています。
なお、京都側の玄関口は阪急の京都河原町駅や四条駅となっており、京都駅ではありません。京都駅方面へは地下鉄や市バスで移動する形となっています。
もっとも、市内の主要観光地へは、河原町エリアからでも便利にアクセス出来るため、京都駅を経由して移動する必要性はほとんどありません。
◇お得なきっぷについて
山陽姫路駅から京都方面への移動にご利用頂ける「お得なきっぷ」は、2024年現在は通年で京都まで直接利用可能なものはありませんが、季節限定発売のきっぷはあります。
「京都・嵐山1dayチケット」:春・秋の季節限定発売ですが、2,700円で京都方面への山陽・神戸高速・阪急線が乗り放題となり、嵐山エリア周辺の京都バス、嵐電(京福電車)も乗り放題となります。但し、京都市バス・京都市営地下鉄は利用範囲に含まれません。京都方面への単なる「往復きっぷ」としても元が取れるため、そういった利用方法も可能です。
「三宮・姫路1dayチケット」:通年発売で、1,600円で姫路~阪急三宮の区間が乗り放題となります。阪急線の通常運賃と組み合わせると通常の往復運賃よりも安く移動できるようになっています。なお、阪急線内の三宮より先については別運賃のため、駅を一度出て頂くか改札窓口などでの乗り越しといった対応が必須となりますのでその点はご留意下さい。
2023年までは春・秋の季節限定発売で往復の電車+京都方面の市バス・地下鉄まで乗り放題になる「いい古都チケット」がありましたが、2024年からの発売はありません。嵐山方面への観光は上記「1dayチケット」のみで対応可能ですが、それ以外の地域を巡る場合、京都までの往復は上記「1dayチケット」を活用するなどし、京都市内のお得なきっぷについては、「地下鉄・バス1日券」を現地で購入するとお得な場合があります。
まとめ
以上、姫路~京都間の交通手段について、JR線(新快速)・JR線(新幹線)・私鉄線(山陽・阪急)の各交通手段ごとにまとめてきました。
最後に、3つの交通手段について概要を改めてまとめておきます。
◇JR線(新快速)を利用する
・所要時間と運賃のバランスが取れた最も利用しやすいルートです。新快速は昼間などは約15分おきの運行、乗り換えは一切必要ありません。お得なきっぷは「青春18きっぷ」が一部期間で利用可能です。
◇JR線(新幹線)を利用する
・所要時間は約45分~と圧倒的な速さを誇ります。もっとも、運賃・料金は圧倒的に割高で、運行本数は新快速よりも少ないため、のぞみ号などの時刻に合わせてとにかく早く移動したいという場合におすすめのルートと言えるでしょう。
◇私鉄線(山陽・阪急)を利用する
・所要時間はかなり長く、乗り換えも2回必須となりますが、運賃面ではJRの通常運賃と比べ安いルートとしてご利用頂けるようになっています。時期によっては「お得なきっぷ」の活用でより安くなる場合があります。基本的に「コスト重視」の場合はこちらのルートがおすすめです。
本サイトは京都の交通情報に留まらず、メインコンテンツとしては「奈良観光」に関する情報を広くご案内するサイト「奈良まちあるき風景紀行」です。
ぜひ京都市内の観光のみならず、近鉄・JR線を利用して奈良観光へ訪れてみてはいかがでしょうか。