本記事では、奈良の「奈良奥山ドライブウェイ」について、そのご利用の方法・ルート・料金・みどころなどについてご案内してまいります。
ドライブウェイは山焼きで有名な奈良の「若草山」・太古からの原始林が残される「春日山」・大文字で知られる「高円山」沿いを通り、都市のすぐそばにある大自然や美しい眺望を満喫することが可能です。
なお、通行は有料となっており、利用するルートにより料金が大きく違う上、一方通行区間があるなどご利用にあたって確認しておきたい点がいくつかありますので、こちらの記事ではそれらを重点的にご案内していきます。
奈良奥山ドライブウェイのルート・アクセス方法
上記の地図はあくまでも参考程度のものです。最新の状況や詳細なスポットについては公式的な情報をご確認下さい。
奈良奥山ドライブウェイは、奈良市街地・奈良公園エリアの東側に広がる若草山・春日山・高円山一帯を縦断するような形で伸びる有料道路です。
ドライブウェイは1本の道でつながっていますが、料金区分・一方通行規制・みどころなどによって3つのコースに分けられています。
リンク:奈良奥山ドライブウェイ
ルートは新若草山コースだけ・高円山コースだけを利用することも可能です。なお、奈良奥山コースについては中間部分にあり、一方通行規制が敷かれているため、全体を利用する形でしか通ることが出来ません。
新若草山コース
新若草山コースは、ドライブウェイの北側エリア、山焼きや夜景で有名な「若草山」に登るルートとなっています。往復距離は7.4㎞です。若草山頂へは日常的に運行される公共交通機関がないため(夜景鑑賞の目的で運行される特別なバスを除く)、こちらのコースを車で移動するのが「登山」以外の基本的なアクセス方法となります。
ドライブウェイ入口の場所は比較的わかりにくく、奈良県庁の東「県庁東」交差点から北に少し進んだ「焼門前」交差点を曲がった後、途中東大寺近くなどを通りながらアクセスする形となります。
主要な曲がり角には案内表示がありますので、そちらに従って道を進めば料金所まで行くことが可能です。
奈良奥山コース
奈良奥山コースは、新若草山コースと高円山コースの間に挟まれた形のコースであり、原始林として知られる「春日山」一帯を通行することが出来るようになっています。途中には少し脇道を進んだ先に「鶯の滝」などの名所もあり、「ありのままの自然」あふれる風景をお楽しみ頂けます。
こちらは北側から南側(若草山方面から高円山方面)への一方通行規制が敷かれており、新若草山コースから入り、高円山コースから抜けるという形でドライブウェイ全線のご利用が必須となります。距離は合計で13.0㎞です。
高円山コース
高円山コースは、ドライブウェイの南側のルートであり、大文字焼きで有名な高円山を登るコースとなっています。距離は往復で10.6㎞です。ドライブウェイ沿いから徒歩で「石仏・石窟仏」巡りが出来るようになっており、眺望・夜景などとは違った魅力を発見して頂けます。
こちらについては、両方向からのアクセスが可能ですが、高円山コースから登る場合、春日奥山コースへ入ることは出来ませんので、Uターンして戻る形になります。
入口は、奈良市内から白毫寺・大和高原(田原)方面へと進む県道80号線沿い、山の中に入ってからの場所にあります。新若草山コースの入口に比べると場所はわかりやすくなっています。
奈良奥山ドライブウェイの営業時間
ドライブウェイは、一部区間を除き民間企業が管理する道路であり、営業時間が設定されています。
各ルートの営業時間は以下の通りです。
新若草山コース | 8時~23時 ※12月1日から3月15日までは22時まで |
奈良奥山コース | 9時~17時 |
高円山コース | 8時~18時30分 |
ルートによって、営業時間が大きく異なることが特徴となっています。
新若草山コースについては「夜景観賞」の需要が大きいため、夜遅い時間帯まで営業時間が設定されています。
一方、春日奥山コースについては17時以降は通行することが出来ません。
また、高円山コースについても新若草山コースと比べ利用が少ないため、概ね夜景などの見れる時間帯には営業が終了するようになっています。
奈良奥山ドライブウェイの料金
奈良奥山ドライブウェイの通行料金については、各ルートごとに設定されています。但し、春日奥山コースについては一方通行規制が敷かれているため、アクセスするためにはすべてのルートを通ることになり、料金は全区間を通った場合のものです。
それぞれの料金は以下の通りです。料金は車種別に細かく設定されています。
普通自動車 | 小型自動車 | 軽自動車 | 二輪車 | マイクロバス | 大型車 | |
新若草山コース | 530円 | 530円 | 530円 | 380円 | 1320円 | 2120円 |
春日奥山コース | 1860円 | 1760円 | 1350円 | 780円 | 4000円 | 5310円 |
高円山コース | 640円(片道470円) | 640円(片道470円) | 640円(片道470円) | 430円(片道320円) | 1590円 | 2540円 |
高円山ドライブウェイについては途中で石切峠方面・誓多林集落への一般道路(山の中の小道)への分岐があるため、片道料金の設定もあります。
通行の注意点
・冬季は山沿いということで路面凍結の場合もあり、状況によっては通行止めになる場合がありますのでご注意下さい。
・春日奥山コースについては完全に未舗装となっています。雨天時の後などには車が汚れる可能性などがその他ルートよりも高いと言えます。その点はあらかじめご留意下さい。
・ETCのご利用は不可能です。ご利用にあたっては必ず現金をご用意下さい。
沿道のみどころ等
若草山:市内のあちこちから目立つ姿が特徴的で、日本有数の「夜景スポット」としても有名な観光地となっています。ドライブウェイを利用して直接山頂付近へアクセス可能です。
鶯の滝:春日奥山コースから脇道を入った先にある奈良市では珍しい「滝」です。滝の近くまで車でアクセスすることが可能です(駐車場あり)。
春日山石窟仏:大仏建立時に使われた「石切場」跡には多数の石窟仏が残されており、平安時代に彫られたものと言われています。石窟仏へは高円山コース沿いから徒歩でアクセス可能です。
地獄谷石窟仏:高円山コース沿いから徒歩でやや離れた「聖人窟」とも呼ばれる場所にも平安時代に彫られた美麗な石窟仏が残されています。
首切地蔵:その名の通りお地蔵様が「刀で真っ二つに切った」ような状態となっている珍しい石仏です。ドライブウェイ沿いからは徒歩5~10分程度掛かります。
なお、整備が行き届いた若草山頂付近を除いてはいずれの場所も「山の中」ですので、一般論として軽装は避けたほうがよいでしょう。
まとめ
奈良奥山ドライブウェイは、奈良の「若草山」・「春日山」・「高円山」周辺を縦断するようにドライブすることが可能な有料のドライブウェイです。ルートは北側の新若草山コース・中間部分の奈良奥山コース・南側の高円山コースに分かれています。
若草山コースでは美しい眺望や夜景などを、奈良奥山コースでは原始林の自然を、高円山コースではドライブウェイ沿いから徒歩が必要ですが「石仏・石窟仏」の美などを堪能して頂けます。
なお、奈良奥山コースについては南行き一方通行のため、ご利用の場合はドライブウェイ全線のご利用が必須です。
料金は各コースごとの設定であり、春日奥山コースについては全区間の利用が必須のため料金が高くなります。また営業時間については新若草山コースを除いては比較的早く終了します。