【志賀直哉旧居】数多くの文化人が集った「高畑サロン」で文学世界に思いをはせる

ごあんない

志賀直哉氏が昭和初期の10年間を過ごした住居

志賀直哉旧居は、ならまちエリアの東側、奈良市内でも資産家や文化人が数多く住まうことでも知られる「高畑」エリアの家並みの中にある歴史的建造物(国登録有形文化財・奈良県指定文化財)で、その名の通り、日本を代表する文学作家として「暗夜行路」・「城の崎にて」など多数の美しい作品を残した「志賀直哉」氏がかつて住んでいた住居となっています。

人生で20回を超える転居を繰り返した志賀直哉氏は、大正14年(1925年)に京都山科の地から奈良市に移住し、当初は少し離れた幸町に住んでいましたが、4年程した後自らで建物を設計し、京都の数寄屋大工下島松之助氏に依頼してこの高畑の地に住居を構えることになりました。

その後志賀は昭和4年(1929年)から昭和13年(1938年)までの約10年間この家に住まうことになり『暗夜行路』などの代表作を奈良で完成させることになりますが、既に有名作家として確固たる地位を築いていた氏の周りには小林秀雄氏や武者小路実篤氏、瀧井孝作氏、尾崎一雄氏、小林多喜二氏などの多数の文化人も訪れることになったため、その文化的交流の舞台として「高畑サロン」との別名でも呼ばれる空間となりました。

なお、戦中に入り志賀が東京に戻った後は別の方がお住まいになり、戦後にはアメリカ軍の接収なども経て一時取り壊しの危機に瀕する事にもなりましたが、奈良学園により土地の買収が行われた後保存が図られることになり、現在では奈良学園関連のセミナーハウスとしての役割に留まらず、広くその建築を一般に公開し志賀の文学世界に思いをはせる場としても活用されています。

近代和風建築としても見ごたえがあります

ちなみに、この建物は志賀氏の「旧居」としての知名度に留まらず、建物自体が昭和初期のモダンな意匠と数寄屋建築の美しさの両方を折衷させたユニークかつ貴重な建築物となっており、二階部分からは若草山方面や奈良公園一帯を眺める美しい風景を味わえるようになっているほか、室内の調度品や家具も歴史を感じさせる佇まいを見せており、文学に関心のない方でも「近代建築」の美しさを体感して頂けるようになっています。

所有者の奈良学園のセミナーハウスということで、観光スポットではないと誤解される場合もあるかもしれませんが、基本的には通年公開されている施設ですので、「高畑」界隈を散策される場合にはぜひお立ち寄りになってみてはいかがでしょうか。

志賀直哉旧居

施設情報

◇見学時間:9時30分~17時30分(3月~11月)・9時30分~16時30分(12月~2月)

◇入館料:一般350円(団体300円)・中学生200円(団体160円)・小学生100円(団体80円)(※団体は30名以上)

◇休館日:12月28日~1月5日 ※このほかにも、文化活動による貸切などの際は入館できない場合があります。

アクセス

各駅からのアクセス

奈良交通バス

・JR奈良駅(東口)、近鉄奈良駅から「市内循環内回り」・「中循環内回り」・「藤原台」・「山村町」・「鹿野園町」・「奈良佐保短期大学」行き乗車、「破石町」下車、東に徒歩6分

近隣スポット

式内赤穂神社から北東に徒歩3分・不空院から北西に徒歩6分・頭塔から東に徒歩7分・新薬師寺から北西に徒歩7分・白山比咩神社から北西に徒歩7分・浮見堂から南東に徒歩7分

志賀直哉旧居周辺地図