漢國神社境内「林神社」に設置の饅頭のオブジェ

【奈良駅周辺】「饅頭の神」で有名な「漢國神社(林神社)」ってどんなところ?歴史や行事などをわかりやすく解説!

ごあんない

漢國神社(かんごうじんじゃ)は、奈良市の中心市街地、近鉄奈良駅から最も近い位置にある神社の一つであり、「三条通り」界隈にも近い「開化天皇陵」などに隣接する町並みの中にある神社です。

・その歴史として伝わる内容は近隣の「率川神社」と同様大変古いものであり、その創建の由緒としては奈良時代ではなくそれ以前の飛鳥時代にあたる「推古天皇」元年(593年)、勅命により大神君白堤(おおみわのきみしらつつみ)が大物主命(おおものぬしのみこと・園神)を祀った事に由来するとされています。その後、奈良時代に入り養老元年(717年)には絶大な権力を誇った有名な貴族である「藤原不比等」が大己貴命(おおなむちのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)を合祀することになったとも言われています。なお、古い時代には「春日率川坂岡社」(かすがいさがわさかおかしゃ)、また園韓神社とも呼ばれていたとされています。

・神社の境内地はそれほど広くはありませんが、檜皮葺の本殿は「三間社流造」の美しい造りをしており、その建立は500年以上前の桃山時代に遡ると言われているほか、神社は複数の境内社を有しています。

・とりわけ有名な境内社としては、神社の鳥居の近くにもその名が記された石碑がある「林神社(りんじんじゃ)」があり、これは宋の時代の中国から日本に渡来し、奈良のこの地で日本で初めての饅頭の製造を始めた人物として知られる「林浄因(リン・ジョンイン)」をお祀りするという、日本唯一の「饅頭の神社」・「饅頭の祖神」となっています。現在の林神社自体は昭和期に建立されたもので、それほど古い歴史は持っていませんが、全国の饅頭製造業者の厚い信仰を集め、現在でも毎年4月19日には「饅頭祭」(以下の記事も参照)

【奈良観光】「林神社(漢国神社)」の「饅頭祭」について簡単にまとめてみた【年中行事】

が実施されており、当日は饅頭製造業者の参列のみならず、一般参加者に饅頭とお茶が振る舞われることで知られています。

・なお、漢國神社にはこれ以外にも、「徳川家康」が大坂夏の陣にあたり命拾いした(近隣の「念仏寺」にも同様の伝承あり)ことに由来するとされる、徳川家康から献上された「鎧」を所有しており、こちらは現在は奈良国立博物館の収蔵品となっていますが、その鎧を保管するための「鎧蔵」も境内に設けられています。

・漢國神社は、中心市街地にある神社としては、率川神社と並んで豊かな歴史を有している神社であり、神社愛好家などには広く知られた存在となっていますが、観光スポットとしてはそれほど知名度は高くありません。しかしながら、饅頭のオフジェが設置されているユニークな「林神社」をはじめ、古代から近世に至るまでの様々な歴史の流れを感じることが出来る大変貴重な空間ですので、近鉄奈良駅近隣に立ち寄られた際は、15分程度でもよいので少しだけ足を伸ばしてみることをおすすめします。

漢国神社(林神社)の風景

漢国神社の鳥居

近鉄奈良駅にほど近い、ビルが立ち並ぶ「やすらぎの道」沿いに建つ立派な鳥居。現在はマンションなどにも囲まれ、参道らしさはやや失われてしまっていますが、奥に見える門を超えると境内地に入ることが出来ます。

饅頭の祖神「林神社」を示す石碑

鳥居の真横に建っている「饅頭の祖神・林神社」を示す石碑。「林」は「はやし」ではなく、中国からの渡来人を祀るため、その読みは「りん」となっています。

漢国神社の社殿

地域住民の厚い信仰を集める漢國神社の社殿。狭い境内地にはこのような立派な社殿のほか、多くの境内社などが立ち並び、かなり「にぎやか」な空間となっています。

林神社本殿と「饅頭」

境内の中でも異彩を放つ「林神社」の本殿。鏡餅のような形をした饅頭のオブジェが左右に設置された大変ユニークな神社は、「饅頭祭」当日には大勢の関係者で大変なにぎわいを見せることにもなります。

アクセス

近鉄奈良駅から南西に徒歩3分

JR奈良駅から北東に徒歩11分

近隣スポット:霊巌院から北東に徒歩3分、奈良市観光センターから北に徒歩3分、念仏寺から東に徒歩4分、率川神社から北に徒歩4分、開化天皇陵から東に徒歩5分

漢国神社(林神社)周辺地図