元明天皇陵(奈良市)

【元明天皇陵】平城遷都を行った女帝が眠る質素な御陵

ごあんない

「黒髪山」周辺にある御陵

元明天皇陵(げんめいてんのうりょう・奈保山東陵)は奈良市北部のなだらかな丘陵地帯、妖しげな名前の「黒髪山」と呼ばれるエリアに位置する御陵です。

埋葬されているとされる元明天皇は飛鳥時代に活躍した「天智天皇」の皇女であり、藤原京時代に即位し、その後平城京への遷都を行い奈良時代を切り開いた女帝として知られ、風土記の編纂を指示したり、和同開珎を鋳造させたりしたことや次第に「藤原氏」が台頭しはじめる過渡期に在位していた女性天皇としても知られています。

簡素な陵墓は遺言に沿ったものとも

元明天皇は自らがこの世を去る前に「朕崩ずるの後、大和国添上郡蔵宝雍良岑に竈を造り火葬し、他処に改むるなかれ」、また「乃ち丘体鑿る事なく、山に就いて竈を作り棘を芟り場を開き即ち喪処とせよ、又其地は皆常葉の樹を植ゑ即ち刻字之碑を建てよ」(『続日本紀』)として火葬の場所を指示し、葬儀の簡素化も厳命しており、この奈保山東陵もその遺言に沿ったかのように、地形が改変されているようには見えないありふれた形状の小山に葬られています。

母と子が隣り合わせで眠る

なお、御陵の西には元明天皇の皇女である「元正天皇」の御陵「奈保山西陵」も位置し、現在も母親とその子女が隣り合わせた位置に眠っています。元正天皇陵と元明天皇陵は、徒歩で簡単に行き来できる距離にありますので、片方をご覧になった場合はもう片方にも是非足を運ばれることをおすすめします。

周辺は資材置き場等が雑然と点在しており、かつて営業がなされていた遊園地「奈良ドリームランド」の跡地にも近いなど、丘陵地帯とは言え、必ずしも自然あふれる静寂な環境とまでは言い難いのが現状ですが、「元明」「元正」天皇の御陵のみならず黒髪山稲荷神社、また那富山墓などの歴史スポットも点在しており、少しディープな歴史散策には適したエリアとなっています。なお、元明天皇陵は、2010年には天皇・皇后両陛下が奈良訪問の折に参拝したことでも知られています。

元明天皇陵(奈良市)

アクセス

各駅からのアクセス

奈良交通バス

JR、近鉄奈良駅から「加茂駅」・「高の原駅」行き乗車、「奈保山御陵」バス停下車、東に徒歩5分

※奈保山御陵バス停を降りた後は、バス停から少し南に進んだ位置にある横断歩道から道路を渡って頂きます。渡って頂くと道路が左右に変則的な分かれ方をしていますので、そのうちの右側のルートを進んでいきます。ひたすら道なりに進んでいくと、資材置き場等が見られるエリアが見え始め、その資材置き場の正面に天皇陵の鳥居が設けられている形となっています。

近隣スポット

元正天皇陵から東に徒歩5分、黒髪山稲荷神社から北東に徒歩12分、那富山墓から北東に徒歩12分、奈良豆比古神社から西に徒歩15分、鴻池(陸上競技場)周辺から北に徒歩15分

元明天皇陵周辺地図