【猿沢池】奈良のまちを象徴する「水辺」は采女伝説ゆかりの地

奈良・猿沢池の風景 観光スポット・みどころ

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最新の状況については、各スポットに関する公式サイト、または観光協会などの情報発信などを別途ご確認下さい。

観光のご案内

奈良観光の「拠点」とも言える位置にある憩いの水辺

猿沢池(さるさわいけ)は、興福寺のほど近く、奈良町・奈良公園エリアなど奈良市内の観光地を取り巻く「中心部」とも言える位置にあり、奈良市の代表的観光スポットでもある周囲300メートルほどの美しい池です。

池の周辺はならまちエリア一帯の「オアシス」のような空間になっており、池のほとりからは春日山や興福寺五重塔・南円堂などを見渡す気持ちの良い眺めが広がるほか、時には「鹿」が池の周辺まで下りてくる場合もあり、写真撮影には大変適したスポットとなっています。

奈良時代から続く歴史

池の歴史は非常に古く奈良時代の天平21年(749年)に、藤原氏の氏寺として栄えた興福寺が「放生会」という儀式に用いる「放生池」として造成させたと言われています。放生会とは、生き物を野に放ち、生命を慈しむ宗教儀式であり、以降も奈良町の人々により猿沢池の生き物は手を触れられずに丁寧に守られていきました。

様々な「伝説」を持つ

猿沢池をめぐっては、その長い歴史に培われた「伝説」や「逸話」は非常に多く、帝の寵愛を受けられなくなった采女が悲しみのあまり池に身を投げたという「采女伝説」はとくに有名なものとなっています。采女伝説に関わる行事としては、毎年9月~10月の中秋の名月の日になると鮮やかな管絃舟が猿沢池を回ったり行列が練り歩いたりすることで有名な「采女祭」が実施され、当日は多くの観光客でにぎわうほか、現在も池の西には「采女神社」が池に背を向ける形で鎮座し、また池の東側には釆女が入水する際にその衣を掛けたという「衣掛柳」の石碑がおかれています。

他の伝説としては「澄まず 濁らず 出ず入らず 蛙はわかず 藻は生えず 魚が七分に水三分」と言われる「猿沢池の七不思議」も有名であり、この伝説に反し猿沢池が変色した際などには奈良町の住民が大騒ぎになったとも言われています。

ベンチに腰掛けてくつろぎの時間を

奈良市の代表的な観光スポットとして有名な猿沢池は、各駅から興福寺や春日大社、ならまちエリア等へアクセスする動線上にも位置し、年間に渡り大勢の観光客が憩いのひとときを過ごしています。池のほとりには多数のベンチも設けられており、ベンチに深く腰かけて池の風情を楽しみながら「読書」をする人もいるほどで、その人通りや賑わいの割には実に「落ち着いた空間」ともなっています。

猿沢池のみどころ・風景

池の風景

猿沢池のベンチ付近から池全体を望む

小ぶりな池ながらも、奈良で最も有名な池として多くの観光客の心をひきつけてやまない「猿沢池」。数多くのベンチが並ぶ池の西側エリアからは、興福寺五重塔や春日山方面へ開かれた大変気持ちの良い眺めが広がります。

猿沢池と鹿

池のほとりでは「鹿」たちの姿も頻繁に見ることができ、池の「亀」たちも合わせ、賑やかな風景が広がっています。

水鏡に南円堂を映す夕方の猿沢池

猿沢池はどの季節、どの時間帯にやってきても美しい池ですが、夕方の少し寂しげな風景も落ち着いた魅力を感じさせます。

猿沢池の七不思議

池の南側には、猿沢池の「七不思議」について記された案内板も設置されています。

采女祭で使用される管絃船

年1回中秋の名月の日に行われる「采女祭」ではカラフルな「管絃舟」も池に浮かべられ、行列なども行われるなど大変なにぎわいを見せることになります。(写真はお祭りの準備中)

九重石塔

猿沢池の九重石塔

池の東側には朝日に照らされる姿がとりわけ美しい「九重石塔」があり、采女伝説ゆかりの池に一層の風情を加えています。

「衣掛柳」の石碑

「衣掛柳」の石碑(猿沢池)

九重石塔の近くには、采女が入水する際に衣を掛けた「柳の木」を示す「衣掛柳」の石碑も設けられています。

美しい「柳の木」

猿沢池のほとりの「柳」と興福寺五重塔

復活を果たした美しい「柳」の木は、池の周囲を涼しげに取り囲んでおり、五重塔と合わせて眺める風景は「奈良にいる」ことをしみじみと感じさせてくれるような雰囲気を醸し出しています。

猿沢池からは興福寺「五重塔」のみならず、「南円堂」も良く見える位置にあり、静かな水面に広がる「水鏡」には南円堂の独特の建築様式が浮き上がることもあります。

次項では、交通アクセスについてご案内致します。

アクセス(電車・バス)

近鉄・JR線各駅からのアクセス

近鉄奈良駅から南東に徒歩8分

JR奈良駅から東に徒歩15分

周辺のみどころ・観光スポット

周辺はならまち・奈良公園エリア、興福寺南円堂・五重塔から(石段を下り)南にすぐ、率川地蔵尊から北にすぐ、率川暗渠起点部(元林院町・絵屋橋周辺)から東にすぐ、三条通り界隈(商店街の東端)から東にすぐ、餅飯殿商店街から東に徒歩3分

猿沢池周辺地図