【瑜伽神社】圧倒的な紅葉に包まれる神社では「飛鳥京」の神様をお祀りする

瑜伽神社(奈良市) 観光スポット・みどころ

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最新の状況については、各スポットに関する公式サイト、または観光協会などの情報発信などを別途ご確認下さい。

観光のご案内

ならまちと奈良公園の間にある高台に鎮座する神社

瑜伽神社(ゆうがじんじゃ)は、、奈良町天神社からほど近いならまちエリアと奈良公園エリアの境界部中世には城郭が存在したとされる「瑜伽山(西方院山)」に位置する神社です。

場所はやや入り組んだところにあるため、知名度が非常に高い訳ではありませんが、浮見堂・荒池周辺からも、また元興寺周辺からも5分ほどでアクセスすることが可能です。

「飛鳥京」由来の神様をお祀りする

神社の由来は飛鳥京の鎮守であった飛鳥神南備を、平城遷都に際しこの地に移して祀ったことにさかのぼるとされており、その名残は周辺が「飛鳥地区」と現在でも呼ばれていることに表れています。また以前は興福寺大乗院の守護神として藤原氏の崇敬を受け、奈良町の大寺院であった元興寺の鎮守神としての信仰も集めました。当初は「今宮」とも呼ばれたという瑜伽神社の現在の祭神本殿宇伽之御魂大神 (うがのみたまのおおかみ)摂社(飛鳥神並社)の祭神瑜伽大神和魂 (ゆうがおおかみのみぎみたま)となっています。

長い石段が特徴の美しい境内

境内は長い石段が特徴的で、石段を登る手前には社務所、手水舎等があり、その先に拝殿へと続く石段が長く伸びています。石段の中ほどには、「飛鳥神並社」と「春は又花にとひこん瑜伽の山 けふのもみぢのかへさ惜しみて」という奈良奉行藤原良材による和歌が記された「瑜伽山櫻楓歌碑」が設置されています。石段を登り切ると、「瑜伽本宮」と記された拝殿、そしてその奥には本殿があり、周辺には末社猿田彦神社・久恵比古社・一言稲荷社が位置し、また大伴坂上郎女の万葉歌碑も設置されています。

とにかく美しい「紅葉」の名所!

周辺は古来から紅葉や桜の名所として知られ、秋には石段を登った拝殿周辺は一面の紅葉に覆われます。紅葉のみならず、神社の屋根や石段周辺に降り積もった落ち葉も趣があり美しく、木々の隙間から奈良のまちを望みながら静かなひとときを過ごして頂けます。

瑜伽神社のみどころ・風景

鳥居周辺

瑜伽神社の鳥居(奈良町)

奈良町エリアの歴史的な町並みが次第に自然あふれる奈良公園の風景へ切り替わりつつ、名勝旧大乗院庭園や奈良ホテルといった品格ある風景に囲まれるエリアに瑜伽神社は立地しています。入り口は鳥居がある以外は小ぶりな造りとなっており、何も考えていなければ素通りしてしまいそうな雰囲気となっています。

石段沿い

瑜伽神社の石段と紅葉

鳥居を抜けてしばらく進むと石段が続き、石段の途中は秋になると圧倒的な美しさの紅葉に包まれます。朱色の社殿とモミジの紅葉はどちらも鮮やかに日差しを反射させ、人影の少ない境内は近くを国道が走っているにも関わらず静寂かつ神秘的な雰囲気を感じさせるほどです。

モミジに覆われた瑜伽神社の境内
落ち葉が積もった瑜伽神社の建物

飛鳥神並社

飛鳥神並社(瑜伽神社)

石段の途中にある境内社、「飛鳥神並社」。この神社は「瑜伽大神」様の「和御魂(にぎみたま)」をお祀りする神社となっています。

瑜伽山櫻楓歌碑

江戸時代の奈良奉行が桜と紅葉の美しさを詠んだ和歌の歌碑である「瑜伽神社櫻楓歌碑」。現在の境内は桜の木は多くなく「桜の名所」とは言えない状況ですが、「紅葉」に関してはおそらく江戸時代の奈良町人たちが味わったものと同じような紅葉が残されていると言えるでしょう。

拝殿・本殿周辺

瑜伽神社の拝殿

石段を登りきると現れる重厚感ある拝殿の建物。「本殿」の建物についてはこの奥にあるようですが、基本的には拝殿前までしか立ち入ることは出来ません。

瑜伽神社の燈籠

木々に包まれているため昼間でも薄暗くなる境内は、鳥居や社殿に差し込む貴重な木漏れ日が一層の趣を生み出しています。

拝殿の近くには、狛犬ではなく「お稲荷様」が静かに神社を守っていらっしゃいます。

拝殿前から石段の方向を見下ろすと、神社が奈良町天神社と同様、ならまち周辺エリアでは最も高い場所にあることがよくわかります。

その他境内社など

拝殿の東側にある「一言稲荷社」。その名の通り「一言」だけ願いを聞き入れてくれる神様となっており、その隣には、「飛鳥乃御井」と言われる小さな井戸もあり、この井戸は高台にあるにも関わらず、水が一度も枯れたことが無い不思議な井戸であるとされています。

拝殿の西側には、猿田彦大神をお祀りする猿田彦神社も設けられています。

猿田彦神社の北隣には、学業成就にご利益がある久延彦大神をお祀りする久恵比古社も設けられています。

万葉歌碑

拝殿の東側、飛鳥乃御井の隣には「大伴坂上郎女」が奈良の「飛鳥」からかつての「飛鳥京」方面を望んだ風景を詠んだ和歌の歌碑が設けられています。なお。現在は木々が生い茂り、建物も多いため「大和三山」など飛鳥・藤原京方面を望むことはやや難しくなっています。

案内板など

次項では、交通アクセスについてご案内致します。

アクセス(電車・バス)

近鉄・JR線各駅からのアクセス

奈良交通バス

・JR、近鉄奈良駅から「天理駅」・「下山」・「窪之庄」行き乗車、「奈良ホテル」バス停下車、東に徒歩2分

・JR、近鉄奈良駅から「市内循環外回り」・「中循環外回り(近鉄奈良駅からのみ)」・「高畑町」・「山村町」・「藤原台」・「鹿野園町」行き乗車、「破石町」バス停下車、西に徒歩8分

近鉄奈良駅から南東に徒歩15分

周辺のみどころ・観光スポット

奈良ホテルから東に徒歩2分、奈良町天神社から西に徒歩2分、名勝旧大乗院庭園から北東に徒歩3分、荒池園地・浮見堂周辺から南西に徒歩5分、頭塔から北西に徒歩7分

瑜伽神社周辺地図