観光のご案内
奈良公園の桜を上回る規模の圧倒的な桜並木
奈良市を代表する河川であり、万葉集などの歌枕としても有名な佐保川一帯には、奈良市内中央部を南北に貫く形で約5キロに渡り、途切れることのない壮大な桜並木が広がっています。
佐保川の桜は、奈良市内の桜の名所としては他の追随を許さない最大の規模を誇り、県内でも有数の桜の名所として知られます。
桜のシーズン・見頃には大勢の市民・花見客・観光客が集まり、5キロに渡る並木道は人が絶えることがありません。
桜は江戸時代の名奉行ゆかり
この桜並木は、全体の歴史については未詳の点も多いですが、江戸時代末期、奈良の名奉行として現在でも尊敬を集める「川路聖謨(かわじとしあきら)」が山林の整備や東大寺周辺の植樹など、景観整備を行う一環で植えさせたものに端を発すると言われています。
現在でも、桜並木の北端に近いJR関西本線の踏切を渡った周辺には、川路時代に植えられたとされる樹齢170年程度の立派なソメイヨシノ「川路桜」が数本残り、地元の方の尽力により保全・管理が行われています。
「川路桜」については大きな案内板などがある訳ではありませんが、一目で「古木」と分かる桜の木がありますので、見落とすようなことはありません。
全行程は5キロ。駅周辺の散策がおすすめです
桜並木は、5キロの全行程を歩くのも見ごたえがありますが、桜並木の南側に行くほど交通アクセスは不便になっていきます。
そのため新大宮駅周辺、また近鉄奈良駅からも近い川路桜周辺を巡る人が最も多くなっており、毎年シーズンには川路桜周辺では「桜祭り」も行われるため、一段と賑わいを見せることになります。
なお、川路桜からも近い北側の桜並木の終点付近にあたる「大仏鉄道記念公園」も桜の名所となっていますので、そちらもぜひお立ち寄りください。
川路桜周辺以外では、新大宮駅周辺からやや南に下った三笠中学校周辺も、川べりに広いオープンスペースがあるために、歓談する花見客で特に賑わっています。
ちなみに、佐保川の桜並木は桜のみならず、秋の紅葉でも美しい風景を生み出しており、11月上旬ごろからは佐保川一帯は赤色に染め上がることでも知られています。
奈良市内には多数の桜のみどころがあり、佐保川に訪れた後に別の名所を訪れてみるのもおすすめです。
見頃について
各年ごとの開花状況は異なります。奈良における桜の開花状況については、各種の公式的な情報を別途ご確認ください。
佐保川の桜並木の「見頃」については、その年の気候によりますが、概ね3月末~4月の初旬頃の約1週間程度が見頃となる場合が多くなっています。
なお、見頃・満開期間についてはその時期の風の強さ・降雨の有無により変わり、3~4日ほどしか満開の風景がご覧頂けない場合もあれば、1週間以上に渡り満開の風景がご覧頂ける場合もあります。
桜の開花日は年によって違いますが、佐保川の桜については奈良市街地における標準的な「桜の開花日」とほぼ同じとなっており、一般的な「桜の開花情報」で「奈良公園」や「郡山城跡」などの項目をご覧頂くことでおよその参考にして頂けます。
佐保川の桜並木の風景


佐保川の桜並木はどのエリアでも大変美しいですが、川が東を向いて流れる新大宮駅北側から桜並木東端の「大仏鉄道記念公園」付近までは、所々で「若草山方面を望む風景」と合わせて桜を楽しむことが出来ます。


江戸時代にさかのぼる歴史を持つ「川路桜」は、支柱に支えられながら現在も素晴らしい花を咲かせています。
関連記事:【川路桜】樹齢170年の桜の巨木は幕末に活躍した「名奉行」ゆかり
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桜並木の東端部、大仏鉄道記念公園の近く(奈良県立大学周辺)にやって来ると、ソメイヨシノ以外の種類の桜も複数咲いており、様々な色合いを楽しむこともできます。




新大宮駅や川路桜周辺よりも川の幅が広い「三笠中学校」より南のエリアは、真っすぐとした流れになっているため、まさに「桜並木」らしい壮大な風景が広がっています。


下流側に来ると北側ほどの人混みはなくなり、周辺も工場などが多くなりますが、大和郡山市との境界部に位置する桜並木の最南端に至るまで一定の散策客が見られます。
























次項ではアクセス方法を解説致します。
アクセス(電車・バス)
近鉄・JR線各駅からのアクセス
近鉄奈良駅から北西に徒歩15分(桜並木の東端・大仏鉄道記念公園)
近鉄新大宮駅から北に徒歩5分、または西に徒歩8分、周辺一帯(桜並木の北側エリア)
・近鉄、JR奈良駅から「奈良県総合医療センター」「学園前駅(南)※尼ヶ辻駅経由」「法隆寺前」「近鉄郡山駅」行き乗車、「三笠中学校」下車、東に徒歩3分、周辺一帯(桜並木の中央部エリア)
・近鉄、JR奈良駅から「恋の窪町」行き乗車、「大安寺西二丁目」下車すぐ、周辺一帯(桜並木の南側エリア)
・近鉄、JR奈良駅から「イオンモール大和郡山」「杏南町」行き乗車、「杏南町」下車、北西に徒歩12分(桜並木の南端)
※自家用車によるアクセスは周辺駐車場が少なく確保が難しいこともあり、お勧めできません。奈良交通バスや近鉄電車などの公共交通機関をご利用ください。
桜並木のルートマップ
桜並木は佐保川沿いに奈良市街地の北東部から南部へかけて5kmほどに渡り続いています。
春の空気に包まれながら、全区間を散策してみるのもおすすめです。
周辺のみどころ・観光スポット
大仏鉄道記念公園は、桜並木の上流側の起点(北東端)に位置する小さな公園であり、こちらも桜の名所として知られていますす。
大安寺は、佐保川の桜並木の南側(高橋)一帯から東に徒歩約12分程度でアクセス可能です。
興福院(こんぶいん)は、佐保川の桜並木の上流側起点(大仏鉄道記念公園)から北に徒歩約6分程度でアクセス可能です。なお、必ずしも自由に拝観できる寺院ではありません。
平城京左京三条二坊宮跡庭園は、佐保川の桜並木の中間部分をまたぐ「大宮通り」沿いにあります。桜並木からは西に徒歩約5分程度です。
高橋神社は、桜並木の南側エリアの川沿いに位置する神社です。