長慶寺

【長慶寺】戦前の「豪傑」ゆかりの奇妙な石像物が立ち並ぶ

ごあんない

興福院にも近い「佐保路」の「異端」?

長慶寺(ちょうけいじ)は、興福院や狭岡神社、不退寺などの隠れた名社寺が多く存在する佐保、法蓮エリアにある寺院です。

この寺院は、その他の奈良の寺院に見られるような「奈良時代」からの深い歴史を持つものではなく、幕末から戦中期までを奈良に生きた「吉村長慶」氏が大正12年(1923年に)創建したというユニークな歴史を持っており、存在自体は奈良の風景の中では異端的な存在にもなっています。

豪傑かつ奇妙な人物「吉村長慶」

吉村長慶氏は幕末に奈良の商人の家に生まれ、相場師等として活躍し莫大な富を築き、一方では明治後期以降奈良市議会議員としても再選を重ね、様々な社会運動・政治運動に身を投じるなど奈良ではよく知られた戦前期までの「名物オヤジ」とも言うべき存在でした。また吉村氏は独特の政治的、宗教的な「思想」を持ち、「宇宙菴」と名乗っては、その思想が表現された奇妙な石碑・石造物をあちこちに建設するという非常にユニークな活動を終生行い、その中では自らの顔をかたどった「長慶像」なども多数制作されました。また「石」に関わる公益事業としては、佐保川に架かる橋を複数建設するなど、地域への貢献も忘れず果たしました。

この長慶寺は、そのようなユニークな活動の一環として本人により建設されたものであり、一時期は吉村氏自身の居宅も兼ねていたとされています。また、吉村氏の活動を象徴するかのように、寺院の入り口付近には多数の石碑・石造物が所狭しと並べられています。

自己主張の激しいお寺?メッセージ性の強い多数の石造物が並びます

入り口に面した道、石段には「是より境内地死んだ宗教を活かす長慶寺神佛となるは生きた人間にかぎる」という吉村氏の言葉が、またその奥には「病人や信仰狂、遊山の参拝は勿論厭世迷信陋習の人も門前に近寄る事お断り。病気は病院、遊びは公園、信仰狂いは脳病院へ」などと、吉村氏の突飛なキャラクターや時代背景を想像させるやや過激な言葉も記されています。

なお、この寺院は拝観、見学等は一切不可能であり、「歴史の道」の公道沿いや長慶寺の玄関口の手前に並べられている石碑・石造物に限り見ることが可能となっています。しかしながら、石碑・石造物を見るだけでも強烈なインパクトと個性を感じさせる風景が広がっていますので、周辺散策の折には是非足を運んでみることをおすすめします。

長慶寺の風景

長慶寺への石段

長慶寺の境内を表す石碑

「法蓮町」の閑静かつ「昭和」の雰囲気漂う古い町並みの中に、住宅街の小道としても利用されている長慶寺の「参道」らしき石段が突如現れます。そして、石段の上には「是より境内地」の但し書きが付けられています。

長慶寺の狛犬

石段付近には少し奇妙な顔をした狛犬が左右に並び、長慶寺を守っています。

長慶寺の名前を記した石碑

長慶寺

山門近くには巨大な「長慶寺」の文字も。周辺には「名物オヤジ」からの説教めいた怪しげな注意書きが随所に散らばっています。

山門付近の奇妙な石像物(長慶寺)

吉村長慶自身の彫像

固く閉ざされたお寺の入り口付近には、説教めいた文言のみならず「吉村長慶」自らをかたどったとみられる石像も彫られていたり、とにかくユニークな石造物にあふれています。

アクセス

各駅からのアクセス

奈良交通バス

・JR、近鉄奈良駅から「西大寺駅」「航空自衛隊」行き乗車、「佐保小学校」バス停下車、北に徒歩5分

※ホテルリガーレ春日野の隣、奈良県の庁舎左側の小道を、途中で曲がりつつも道なりに進んでいくと、最終的に長慶寺の石段に辿り付くことが出来ます。

近鉄奈良駅から北東に徒歩20分

JR奈良駅から北に徒歩25分

近隣スポット

興福院から西に徒歩3分、常陸神社から南東に徒歩5分、大仏鉄道記念公園から北に徒歩7分、狭岡神社から東に徒歩8分、不退寺から東に徒歩15分

長慶寺周辺地図