【東大寺鐘楼】「奈良太郎」とも呼ばれる日本三大名鐘の一つ

東大寺鐘楼全景 観光スポット・みどころ

当ページの内容を含め、奈良の観光スポットに関する内容は原則としてコロナ禍前を中心とした状況に基づく「アーカイブ」的内容となっており、その後状況が変化している場合があります。
最新の状況については、各スポットに関する公式サイト、または観光協会などの情報発信などを別途ご確認下さい。

観光のご案内

大仏殿の東側にある奈良のまちで最も大きな「鐘楼」

東大寺鐘楼は、大仏殿から法華堂(三月堂)・二月堂方面へ上がる道の途中、貴重な仏像で有名な「俊乗堂」も位置する「鐘楼ヶ丘」と呼ばれるエリアに位置する、非常に堂々たる大鐘を釣る鐘楼です。鐘楼の建物とつり下がる巨大な「大鐘」はともに国宝に指定されています。

大鐘のスケールは鐘の部分だけでも高さ4メートル近く、また重量は26トンにも及び、電車一両分に匹敵するほどの凄まじい重量となっています。

「除夜の鐘つき」には飛び入り参加可能

鐘楼においては、毎年1月1日(元日)の午前0時からは「除夜の鐘」が108回に渡って鳴らされることが恒例となっており、その音は奈良市街地周辺、特にきたまち・奈良町周辺に広く響き渡ります。またこの鐘つきは、事前予約なしで一般の人が飛び入りで参加可能となっており、当日は鐘楼の前で整理券が配布され、しばらく並んだ後、順番に数人がかりで鐘をつくことが可能となっています。

※「除夜の鐘」の実施状況は新型コロナウイルスの影響などにより変更の場合があります。

鎌倉時代の折衷的様式を表した鐘楼の建築

鐘楼の建築は、禅師である栄西鎌倉時代に再建したものであるとされており、建築様式は太い丸柱に水平方向に「貫」と呼ばれる別の柱を通して強度を確保するなどといった特徴を持つ、中国文化の影響を受けた「大仏様」と言われるものを引き継いでいる一方で、こちらも中国文化の影響を受けつつ「大仏様」の後に禅宗寺院で広く用いられることになった「禅宗様」と呼ばれる様式も鐘楼の建物のうち反り返った形の軒などに表れており、建築としては折衷的なものとなっています。

大鐘は別名「奈良太郎」とも

鐘楼が吊り下げる大きな鐘は、大仏開眼供養が行われた天平勝宝4年(752年)、すなわち東大寺創建時期に製作されたものとなっており、中世以前に造られた鐘としては日本最大のものとなっています。この大鐘は平安時代の地震で落下したりするなどして幾度かの修理を経つつも、現在も引き続き使用されており、その名は「奈良太郎」とも言われています。

またこの鐘は、京都の知恩院・方広寺の鐘とともに「日本三大名鐘」の一つとして知られており、長い鐘音を響かせる「勢いの東大寺」とも言われているように実に重厚で、堂々とした存在感を放っています。

東大寺鐘楼の風景

早朝の東大寺鐘楼

東大寺鐘楼は、東大寺境内地では二月堂や大仏殿に近い割には比較的人通りが少ない場所に位置しています。特に「早朝」時間帯は、朝日に照らされる美しい鐘楼を、ほとんど誰もいない静かな環境の中で眺めることが可能です。なお、鐘楼の右側奥に見えるのが「俊乗堂」となっています。

東大寺鐘楼の「大鐘」

奈良時代から使用されている「奈良太郎」と呼ばれる「大鐘」は大変堂々とした佇まいを見せ、朝日や夕日に照らされて輝く様子は大変美しいものでもあります。この鐘を「除夜の鐘」として一般の人も鳴らすことが出来るというのは大変貴重な機会と言えるでしょう。

雪景色の東大寺鐘楼

雪の日の東大寺鐘楼。鐘楼周辺には、俊乗堂以外にも行基堂、念佛堂など小さなお堂が点在しています。

俊乗堂と東大寺鐘楼を望む風景

次項では、交通アクセスについてご案内致します。

アクセス(電車・バス)

近鉄・JR線各駅からのアクセス

奈良交通バス

・JR、近鉄奈良駅から「市内循環外回り」・「山村町」・「藤原台」・「鹿野園町」行き乗車、「東大寺大仏殿・春日大社前」バス停下車、北東に徒歩12分、または「春日大社本殿」行き乗車、「東大寺大仏殿」バス停下車、北に徒歩12分

・JR、近鉄奈良駅から「青山住宅」・「州見台八丁目」行き乗車、「今小路」下車、東に徒歩15分

近鉄奈良駅から東に徒歩25分

JR奈良駅から北東に徒歩35分

周辺のみどころ・観光スポット

俊乗堂から南東にすぐ、行基堂から南西にすぐ、念佛堂から西にすぐ、法華堂(三月堂)から西に徒歩2分、二月堂から西に徒歩3分、東大寺大仏殿から東に徒歩3分、手向山八幡宮から北西に徒歩3分、若草山登山口から北西に徒歩5分

東大寺鐘楼周辺地図