観光のご案内
秘仏「女人裸形阿弥陀仏」で知られる小さなお寺
璉珹寺(れんじょうじ)は、奈良町の南の端、市内循環バス「紀寺」バス停近く、崇道天皇社を通り過ぎてすぐのところにある小さなお寺です。例年、秘仏である本尊「阿弥陀如来立像」の公開が5月に実施され、その時期になると、ならまちの所々に「秘仏開扉 女人裸形阿弥陀仏」の立て札が立てられます。
その本尊である白色裸形の阿弥陀如来立像は、鎌倉後期の作で、光明皇后を模したものとも言われており、その真っ白の独特の佇まいは仏像ファンには比較的よく知られ、ファンも多い秘仏となっています。
なお、阿弥陀如来さまは奈良県指定文化財ですが、この他には重要文化財に指定されている木造観音・勢至菩薩像の存在でも知られており、腰をひねった姿が印象的な観音菩薩は平安時代の作、勢至菩薩は江戸時代の作となっています。この他本堂には紀有常尊像・行基菩薩坐像・聖徳太子立像・地蔵菩薩半跏像も安置されています。
地名にも残される「紀寺」にそのルーツを持つ?
なお、お寺の由緒に関してはその昔、璉珹寺は「紀寺」とも呼ばれ、現在の明日香村にあった大寺院である「紀寺」が移転してきたものにルーツを持つとされているなど、相当に古い歴史を持っています。なお、「紀寺」の「紀」に表れているように、「紀寺」は、紀貫之などの「紀氏」の氏寺であるという、これまた由緒ある意味を持っています。
本尊のみが注目されがちで、かつ観光情報に掲載されていない場合も多い小さなお寺ですが、小さな石仏がかわいらしく点在する境内はよく整備され、オオヤマレンゲなど季節折々の花の色や香りに包まれており、佇んでいるだけでも気持ちの良い空間となっています。
璉珹寺(れんじょうじ)の風景
璉珹寺(れんじょうじ)はそれなりの大きさの山門を抜けてから、もう一度小さな山門のような扉をくぐり抜けて入っていきます。その雰囲気は一見お寺とは思えないような、どこか大変古い歴史を持つ「民家」に入っていくような気分にさせてくれます。
小さな門を抜けるとすぐに、小さくも立派な風格を漂わせる本堂が見えてきます。本堂の姿はれっきとした寺院そのものなのですが、小さくまとまりのある建物を見ていると、やはり「奈良町のお屋敷」の裏庭にでもいるかのような不思議な気分になってきます。
境内地には、きれいな草花に囲まれた複数の「石仏」たちがあることでも知られ、「隠れ寺」らしい味わいある風景に包まれた風情も感じて頂けます。
次項では、交通アクセスについてご案内致します。
アクセス(電車・バス)
近鉄・JR線各駅からのアクセス
・JR奈良駅から「市内循環内回り」乗車、「田中町」下車、南東に徒歩3分、または「紀寺町」下車、南西に徒歩3分
・近鉄奈良駅から「市内循環外回り」・「中循環外回り(近鉄奈良駅からのみ)」乗車、「紀寺町」下車、南に徒歩1分
※バス通り沿いに比較的よく見える崇道天皇社を目印に、神社の少し南側までアクセスして頂く形になります。
・JR・近鉄奈良駅から「天理駅」・「下山」・「窪之庄」行き乗車、「紀寺町」下車、南西に徒歩5分
JR京終駅から北東に徒歩10分
周辺のみどころ・観光スポット
崇道天皇社から南に徒歩1分、奈良町南観光案内所から東に徒歩3分、飛鳥神社から東に徒歩6分、御霊神社から南東に徒歩7分、元興寺塔跡から南東に徒歩7分、十輪院から南に徒歩8分、福智院から南西に徒歩9分
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