鉄道(在来線など)が「雪に弱くなった」ように感じられるのはなぜ?

自然・気候

鉄道は、各交通機関の中では比較的「雪に強い」存在ですが、近年は「在来線」などについては、大雪になると運転見合わせとなるケースが「体感的」には増えているように感じられる方もいるかもしれません。

こちらでは、鉄道が「雪に弱くなった」ように見えることがある要因を考えていきます。

雪が増えたからとは限らない

近年は、大雪となる際や、雪に弱い地域では少し積雪となる場合などにおいて、鉄道が「すぐに運休するケース」が増加していると感じる方が多いようですが、それは必ずしも雪そのものが増えたことが要因とは言えない場合があります。

もちろん、2023年1月下旬の「京都駅周辺の大雪による立ち往生」や2022年冬に多発した「札幌圏の大雪による運休」など、予想をはるかに上回る大雪が関係しているケースは存在します。

但し、全国を広く見渡した場合、基本的には社会的な事情・企業運営上の事情、このいずれかまたは両方が大きく関係していると言えます。

社会的な要請という「時代の変化」

雪による運休がかつてと比べて増加したイメージが持たれる要因は、裏返して見れば、雪による影響が生じる可能性がある場合は、事前に運休(計画運休)したり、影響が出始めた時点で早めに運休(運休基準の厳格化)したりするという「備え」が当たり前になって来た社会全体の流れを反映したものと言えます。

古い時代であれば、「どこまでいけるかわからないけど走らせてみよう」といった人間の勘のみに頼ったような運行を行う時代も存在したしれませんが、気象データが入手しやすくなり、さすがにそのような当てずっぽうな対応は行われなくなりました(もちろん予測が外れて大きなトラブルになるケースは存在します)。

また、影響が生じた際における対応など、企業のコンプライアンス上の位置づけ、加えて社会全体の意識の変化により「雪の影響が出る時に無理はしない」という世論が当たり前になりつつある中で、事前に予防的に運休するような対応がむしろ望まれるようになったことも大きく影響していると言えます。

人手不足という問題

上記のような意識の変化以外には、企業の側が除雪などの対応を行う人材を確保出来なくなっており、人手不足により運休とせざるを得ない。という切迫した問題も存在します。

これは、首都圏の鉄道など雪が少ない地域ではなく、JR北海道など冬季の鉄道事業において常時「除雪」が最大のテーマとなるような事業者で特に深刻な問題です。

かつてはJR北海道は「冬こそJR」として「雪に強い」ことをアピールしてきた歴史がありますが、近年冬季は雪による運休が増加しており、そのような表現を用いることが出来なくなっています。