冷たい雨とはどういった現象?【雪との関わりを知る】

冷たい雨は、生活上においては「気温が低く寒い状況で降る雨」を指す言葉ですが、気象現象として見た場合は「上空では固体だったもの(雪など)が、雨になって地上に降ってきたもの」を指します。

より具体的には上空にある「微細な氷晶」を含む雲から発生した「雪(場合によってはあられ・ひょうなどを含む)」などが、途中で気温が上昇していく過程で融解し、完全に雨に変わった状態で降ってきたものを指します。地上でもみぞれで降る場合などは、雨ではなく降雪現象の一部として扱われます。

構造・メカニズム

過冷却水滴の存在・気温が0℃を下回っても、微細な水滴は凍りにくい
・何も関与しない条件であれば、-40℃未満でようやく氷晶になるなど、かなり低い気温まで水滴として残る
氷晶の形成・通常、氷晶核と呼ばれる何らかの物質(土壌由来が大半)を元に、それに過冷却水滴がまとわりつく形で形成
・氷晶核があることで、相対的に高めの気温(例えば-10℃程度など)でも氷晶が形成される
・対流性の雲(積乱雲など)と比べ、層状の雲(乱層雲など)の方がより高めの気温で氷晶が形成されやすい
昇華成長・過冷却水滴よりも氷晶の飽和水蒸気圧が小さいため、過冷却水滴は氷晶の周囲で蒸発
・蒸発した水蒸気を氷晶の一部として「取り込む」形で氷晶が成長(大きくなる)
併合成長・ある程度重くなった氷晶は、その自重により「雪」として落下を始める
・重いものは落下速度が早く、途中でそれ以外の氷晶を巻き込んでいくため、更に成長(大きくなる)
融解・冷たい雨として降る場合は、雪などは地上までに「完全に解ける」
・少しでも雪片が残った状態で降れば(雨主体のみぞれなど)、あくまでも「降雪現象」として扱う

暖かい雨

冷たい雨の対義語としては「暖かい雨」があります。こちらも、生活上においては「気温が高く暖かい状態で降る雨」を指す言葉ですが、気象現象として見た場合は「上空も含め一貫して雨として降ってきたもの」を指します。

暖かい雨の場合はかなり高い場所でも「雨」ですので、夏のシーズンや熱帯・赤道付近などで見られる現象となります。日本付近の場合、南側の地域ほど暖かい雨になりやすいと言えますが、上空の気温は低い場合が多いため、例えば沖縄であったとしても、冬のみならず春や秋に降る雨は「冷たい雨」となっているケースが目立ち、国内で降る雨のうち多くは冷たい雨と言えます。

なお、発達した積乱雲などの場合、高度が5kmどころではなく10km以上に達するものも一般的です。この場合は、どれほど緯度が低い地域であっても、雲の上部では雪(氷晶)が生じることになり、厳密には「冷たい雨」の区分に含まれます。赤道付近であっても、降っている雨が100%暖かい雨とは言い切れません。