鉄道は「雪に強い」存在?

自然・気候

各交通機関を見た場合に「鉄道」という存在は「雪に強い」イメージがありますが、実際の所はどのような場面で「強い」存在と言えるのでしょうか?また「弱くなる」ケースはあるのでしょうか?

かなり強い場合がある交通機関(特に新幹線)

鉄道は、交通機関の中でも「雪に強い」状態とすることが「可能」な交通機関です。特に新幹線の雪への強さは圧倒的です。例えば北陸新幹線で運休列車が発生したケースは、1日1m程度の異常な豪雪となった日などに限られており、道路交通などと比べ、圧倒的に「雪に強い」存在といえます。

新幹線の場合、トンネル・シェルターといった物理的な対策、スプリンクラーなどの融雪設備、ポイントの雪を除去する設備(融雪機・エアジェット等)、貯雪方式と呼ばれる線路脇に大量の雪を貯めることが可能な線路(高架)構造など、路線に応じ様々な「雪対策」が「相応の費用」を掛けて整備されており、かなりの大雪・豪雪にも対応出来るようになっています。

在来線については路線環境が異なるため、新幹線ほどの強さではありませんが、利用が多い路線には「雪対策」がしっかり講じられている場合があり、そういった路線では比較的まとまった量の雪でも運行に支障が出にくいと言えます。

雪に弱くなってしまう場合あり

鉄道は「雪に強くする」ことが可能な交通機関ですが、状況次第では「雪に弱い」存在になる場合もあります。典型例としては、雪が少ない地域であれば、「ごくまれな大雪」に対応した設備などはありませんので、想定を上回る雪になると、運休・遅れなどが生じやすい状況となります(首都圏・京阪神など)。

加えて、「どの程度対策を行うか」によって大きく左右されます。はっきりと表現すれば、鉄道会社にも「優先順位」が存在しますので、より雪対策に重点を置く路線と、そうでない路線が存在します。同じ豪雪地でも廃止論があるローカル線よりは、幹線をより優先することは当然の措置と言えます。JR西日本の一部路線では、大雪となる場合に「長期運休」が当たり前になっているローカル線が存在することはその一例と言えるでしょう。

更に、雪への対応に割ける人員・設備・資金面での問題もあります。鉄道は「何もしなくても」雪に強いのではなく、「かなりの対策」を徹底することで雪に強くなる交通手段ですので、雪対策を万全にすることが難しい事業者の場合は、雪への強さは失われるという現実もあります。

冬こそJR?

かつてJR北海道は「JRは雪に強い」ことをわかりやすくアピールするキャッチフレーズとして「冬こそJR」を用いていました。

しかしながら、近年はJR北海道社内の人手不足等の現実的な問題に直面する中、北海道新幹線を除く在来線ではかつてのような徹底した除雪体制、即時的な対応を維持することが事実上不可能となっています。そのため、大雪になると運休・遅れなどが発生しやすい傾向が見られます。

「雪への強さ」は雪の降り方などに関わらず社会的な状況・事業者の状況によって現実的に変化することがある点、その意味で人手不足が一層深刻化する人口減少社会においては、雪への強さを新幹線以外で維持していくことはなかなか難しい側面が予想されることは、利用者の側も認識した上で鉄道を利用する必要があると言えるでしょう。