近鉄「天理線」とは?利用上の基本を解説【路線図・運行パターン・運賃・乗り換え】

各種お役立ち情報

日本最長の路線網を誇る私鉄「近畿日本鉄道」には、支線を含むと20を越える路線があり、各路線ごとに運行される電車の種類・ダイヤなどは様々です。

こちらでは、そのうち奈良県内を走る「天理線」について、路線図・運行のパターンなど路線の基本と言える情報を解説していきます。

情報は、2023年春時点での確認情報です。その後状況が一部変化する場合も考えられますので、その点はご留意下さい。

基本・特徴

宗教都市「天理」への最も一般的な公共交通機関

近鉄天理線は、「天理教」本部がある全国屈指の宗教都市として知られる「天理市」へアクセスする上での最も一般的な、利用が多い公共交通機関です。

天理へはJR線の運行もありますが、運行本数面では近鉄天理線の利便性が圧倒的に高く(平日昼間の場合近鉄が1時間3本・JRは1時間1本)、各地からのアクセスについても、近鉄が重要な役割を果たしています。

近鉄とJRのどちらが便利?

本数が多く便利な近鉄線は、天理へアクセスする上では最も便利な交通手段です。
但し、JR線沿線からの場合は、発駅によって便利なアクセス手段は異なります。例えば、難波・京都からの場合は近鉄線の方がスムーズにアクセス可能ですが、天王寺駅・大阪駅からの場合、乗り換え回数はJR1回に対し、近鉄は最大3回となるため、JRの利用も大きな選択肢となります。

大和西大寺・京都方面との直通電車あり

近鉄天理線は、近鉄京都線・橿原線の系統の一部に位置づけられる路線で、運行についても「線内折り返し」の電車に加え、大和西大寺・京都方面と直通運行される電車もあります。

直通電車を利用することで、大和西大寺からの場合20分以内、京都からの場合1時間以内で天理へアクセス可能です。

なお、時刻表上は異なる列車の扱いですが、ごく一部のみ大阪難波・鶴橋(奈良線)方面~天理方面が実質的には直通で運行されている列車もあります。

臨時列車の運行も

天理という宗教聖地の特性上、近鉄天理線は近鉄各線の中でも「臨時列車」の運行が多い路線となっています。

毎月26日の天理教月次祭の際に加え、その他の重要な行事などが開催される際にも臨時列車が運行され、京都・大和西大寺方面~天理を結ぶ電車に加え、大阪難波方面~天理を結ぶ直通電車も一部運行されます。

路線図

出典:地理院地図(地理院地図上の作図機能を利用し作図)
駅名キロ程乗り換え路線
平端駅0.0近鉄橿原線(大和西大寺・京都・大和八木方面)
二階堂駅1.3なし
前栽駅3.2なし
天理駅4.5JR万葉まほろば線(桜井線)(奈良・三輪・桜井方面)

近鉄天理線は、奈良県大和郡山市の平端駅~天理市の天理駅を結ぶ延長4.5kmの短い路線です。平端駅では近鉄橿原線に接続しており、天理駅ではJR線との乗り換えが可能です。

途中は2駅のみで、近鉄沿線から天理を結ぶアクセス手段としての役割が大きくなっています。

運行のパターンは?

運行本数1時間3~5本程度(約10~20分間隔)
運行区間多くの列車は線内のみ運行の普通(平端~天理)
・昼間の一部を除き橿原線との直通電車(急行・普通)も交えて運行
・直通電車は京都、新田辺、大和西大寺発着
列車の種類普通が大半
・急行は橿原線直通で朝夕などを中心に運行(平日の運行本数は少な目)

近鉄天理線は、1時間に3~5本程度の運行で、昼間よりは朝夕などの本数がやや多いものの、必ずしも規則的なダイヤではなく、運行間隔は比較的ばらつきが見られます。

平端駅発着の普通電車については、橿原線の普通電車との接続が図られている場合がほとんどで、3分程度でスムーズな乗り継ぎが可能なケースが多くなっています。

運賃は?

近鉄天理線内の各駅~主な駅までの運賃は下記の通りです(2023年4月1日改定)。

発着地天理駅平端駅大和西大寺駅近鉄奈良駅大和八木駅大阪難波駅京都駅名古屋駅
天理駅240円430円490円430円830円910円2,560円
前栽駅180円240円360円430円360円830円910円2,560円
二階堂駅240円180円360円430円360円760円910円2,560円
平端駅240円300円430円360円760円830円2,560円

天理線沿線~大阪・京都方面は1,000円以内の運賃でアクセスが可能です。なお、大阪・京都方面との往復のみでご利用頂けるような「お得なきっぷ」は特にありません。

各地への観光にご利用頂けるお得なきっぷ類については、天理線も区間に含まれている場合があります。近鉄全線が乗り放題となる「週末フリーパス」は天理線内も乗り放題区間となっています。

乗り換えについて

近鉄天理線は、両端の平端駅・天理駅で他路線との乗り換えが可能です。

乗り換え路線接続乗り換え時間(目安)
平端駅近鉄橿原線(同じ改札内・階段などを移動)大半で接続
直通電車は乗り換え不要
約2~4分程度
天理駅JR万葉まほろば線接続時間はばらつきあり約4~5分程度

平端駅は同じ近鉄電車同士の乗り換えで、電車同士の接続も考慮されている場合がほとんどです。また、天理線~橿原線直通電車の場合は乗り換えの必要がありません。

天理駅は駅はすぐ近くにあり乗り換えはしやすい一方、会社が異なるJR線との乗り換えであり、JR線は運行本数がかなり少な目のため、利用にあたっては電車の時刻・乗り換えのタイミングなどをあらかじめご確認頂くのが無難です。

まとめ

近鉄天理線は、奈良県大和郡山市の平端駅~天理市の天理駅を結ぶ近鉄電車の短い路線(支線)です。平端駅では近鉄橿原線・天理駅ではJR万葉まほろば線との乗り換えが可能です。

電車は1時間3~5本程度の運行で、多くが線内折り返しの普通電車ですが、平端駅を経由して橿原線と直通する普通・急行電車も運行されています。また、天理教に関係する臨時列車が運行される日程もあります。

運賃は線内のみの利用であれば最大240円で、大阪・京都方面~天理線内各駅も1,000円以内の移動が可能です。