JR線には様々な割引運賃の制度・お得なきっぷ類ふぁありますが、利用出来る方に条件がある一方でポピュラーな割引制度の一つとしては「学生割引」があります。
こちらでは、JR線の「学生割引」制度に関する基本的な知識(割引となる条件・割引対象と割引額・利用の例など)をなるべく詳しく解説していきます。
割引対象は「中学生・高校生・大学生・専門学校生」など
対象となる学校の定義 | 鉄道会社から指定を受けた学校 |
主な対象となる学校の種類 | 中学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校・高等専門学校・大学・大学院・専門学校・専修学校・一部各種学校 ※通信制も含む |
対象にはならないケース | 保育園・幼稚園・小学校 無認可の学校 企業が運営する「予備校・学習塾」の学生(学校法人が運営する場合は例外あり) 大学などの聴講生・研究生 何らかの「私塾」・「セミナー」・「研修」の学生 など |
JR各社の規則においては「学校名」などが示されている訳ではなく、あくまでも「指定を受けた学校」という記述となっていますが、基本的に学校としての認可を受けた場所に常に通っておられる生徒・学生の方であれば、ほとんどのケースで学生割引の対象となると考えてよいでしょう。
小学生以下については、小学生は既に子供運賃で半額となり、保育園・幼稚園児は基本的に運賃無料ですので、学生割引のような制度は適用されません。
証明書の交付・提出が必要【きっぷの購入は窓口で】
証明書の交付がない場合、駅で証明書をお持ちでなかった場合は「学生割引」の適用はありません。
なお、証明書には以下の通り有効期間があります。通信制の学校の場合はスクーリングや試験の期間に限った利用が可能となっています。
一般の学校 | 発行日から3か月間 |
通信制の学校 | 面接授業・試験期間初日の10日前~終了日の5日後まで |
また、原則的な内容として、学生割引の使用目的は下記のような内容に限られるとされています。
1.休暇、所用による帰省
2.実験実習並びに通信による教育を行う学校の面接授業及び試験などの正課の教育活動
3.学校が認めた特別教育活動又は体育・文化に関する正課外の教育活動
4.就職又は進学のための受験等
5.学校が修学上適当と認めた見学又は行事への参加
6.傷病の治療その他修学上支障となる問題の処理
7.保護者の旅行への随行
(参考:学校学生生徒旅客運賃割引証取扱要領〈日本学生支援機構〉)
割引証の取り扱いについては、日本学生支援機構の公式サイトなどでも詳しい解説も行われています。
必ずしも「何でも対象になる訳ではない」ということで、発行枚数には原則的には制限はないものの、学校によっては「学校学生生徒旅客運賃割引証」の交付枚数に制限が設けられている場合もあります。利用にあたっては通学されている学校の事務手続き上のルールをよくご確認の上、交付を申請するようにして下さい。
一般的には、大学生の方の「帰省」や「就職活動」、通信制大学・高校などの「スクーリング」などに多く利用されていると言えるでしょう。
割引率は「2割」・対象となる部分は「運賃」のみ

割引対象 | JR線(鉄道の全路線)の「運賃」 ※新幹線の運賃を含む |
割引対象外 | 特急料金(自由席・指定席・グリーン席・グランクラスその他) ※在来線・新幹線問わず 急行料金・普通列車などのグリーン料金 |
学生割引は、普通電車のみで移動する場合は単純に運賃が2割引となりますが、特急(新幹線)などをご利用の場合、割引は運賃の部分のみ適用されますので、特急券などを合わせた合計金額が2割引になる訳ではありません。
なお、青春18きっぷをはじめ各種「お得なきっぷ」を購入する場合には、一切割引は適用されません。
学生割引の適用例【どのくらい割り引かれるのか】
通常運賃・料金 運賃8,910円・特急料金5,810円=合計14,720円
割引後運賃・料金 運賃7,130円・特急料金5,810円=合計12,940円(1,780円お得)
※のぞみ号指定席(通常期)を利用の場合
通常運賃・料金 運賃4,070円・特急料金2,550円=合計6,620円
割引後運賃・料金 運賃3,260円・特急料金5,810円=合計5,810円(810円お得)
※指定席(通常期)を利用の場合
通常運賃・料金 運賃3,080円
割引後運賃・料金 運賃2,470円(610円お得)
学生割引を利用すると、新幹線・特急利用時は1割強、利用しない場合は2割ちょうど割り引かれます。
新幹線の場合は学生割引が最もお得になるケースが多いですが、在来線特急の場合「お先にトクだ値」のように割引率が高いきっぷもあり、条件によっては学生割引より安いケースもあるため、その他お得なきっぷが購入可能などうかを事前にご確認・比較の上利用するのがおすすめです。
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