JR線「子供(乳幼児)運賃」の基礎知識【区分・ケースごとに考える】

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JR線の運賃は、大人は通常の運賃を原則として支払いますが、全ての年齢で運賃が同じなのではなく、子供・乳幼児については異なる運賃区分が設定されています。

こちらでは、JR線の「子供・乳幼児」の運賃に関する基本的な知識について、なるべく詳しくにまとめて解説していきます。

年齢ごとの運賃区分

JR線を通常利用する場合、年齢ごとの運賃の区分は下記の通りとなっており、大まかには通常の運賃・半額・無料の3パターンがあります。

大人12歳以上(12歳でも小学生は子供として取り扱い)通常の運賃
子供6歳以上12歳未満(6歳でも小学校入学前は幼児として取り扱い)半額の運賃
幼児1歳以上6歳未満原則無料(一部例外あり)
乳児1歳未満無料

基本的には小学生が子供運賃、中学生以上が大人運賃、それ以外は無料となっています。但し、次項で解説する通り、幼児の運賃については人数により例外的なルールがあります。

利用する人数によるルール【子供が一人で乗る場合などは?】

運賃の取り扱いについては、幼児では利用する人数・条件により金額が異なります。
幼児の場合同伴する大人1人あたり幼児が3人を超える場合(3人目以上の1人ごとに)、幼児が単独で利用する場合大人運賃の半額(子供運賃)が必要となります。

◆子供の場合(6歳~11歳)

子供が1人で利用大人運賃の半額
子供が複数人で利用それぞれ大人運賃の半額
大人+子供1人で利用大人運賃+大人運賃の半額
大人+子供複数人で利用大人運賃+それぞれ大人運賃の半額

◆幼児の場合

大人1人+幼児1~2人で利用大人通常運賃のみ(幼児無料)
大人1人+幼児3人以上で利用大人通常運賃+3人目以上1人につき大人通常運賃の半額
大人2人+幼児4人までで利用大人通常運賃のみ(幼児無料)
大人2人+幼児5人以上で利用大人通常運賃+5人目以上1人につき大人通常運賃の半額
幼児1人で利用大人通常運賃の半額

◆乳児の場合

大人+乳児(人数を問わない)大人通常運賃のみ(乳児無料)

子供運賃・乳児の運賃は、どのようなケースでも半額・無料ですが、幼児は無料となるのは「大人と一緒に幼児2人まで」の利用に限られます。

利用の例

【大阪~京都間を在来線(新快速)で移動】
大人1人・幼児2人 大人運賃580円のみ(幼児2人まで無料) 
大人2人・幼児4人 大人運賃合計1,160円のみ(幼児4人まで無料)
大人1人・幼児3人 大人運賃580円+幼児3人目のみ290円=合計870円
大人2人・幼児5人 大人運賃合計1,160円+幼児5人目のみ290円=合計1,450円

定期券の取り扱い

定期券については、乳幼児が利用するケースは事実上考えられませんが、子供(小学生)は通学・通塾その他日常的な習い事などで、場合によっては利用するケースがあるかもしれません。

子供の定期券については、JR各社により詳細な案内などはなされていませんが、小学校に通う場合は「通学定期券」、またその他のケースでは原則的には半額(子供運賃扱い)の「通勤定期券」が基本となります。

通学定期券と呼ばれるものは、学校法人として認定を受けた場所に学生として定期的に通学する場合に限られ、その判定基準は比較的厳しいと言えます。

私立小学校などへ電車で通う場合は「通学定期券」が問題なく購入可能ですが、一般的な民間企業が運営する学習塾に、1年中ほぼ毎日電車で通う場合でも、それはあくまでも「学校」ではありませんので、通学定期券は買えません。

定期料金の割引率については、下記の通りです。

通学定期(小学生)通学定期(中学生)料金の半額
通勤定期(子ども)大人通勤定期料金の半額

JRの通学定期は基本的な制度としては大学生用・高校生用・中学生用があり、中学生用は大人通勤定期料金の半額以下となっていますが、小学生が通学定期を利用する場合更にその半額となるため、実質的に大人通勤定期料金の4分の1を下回る格安でご利用可能です。

通勤定期扱いの場合は大人の半額となりますが、通学定期と比べると高額になります。

特急券の取り扱い

自由席特急料金子供:大人特急料金の半額
乳幼児:無料(座席を別途利用可能)
大人1名あたり同伴の幼児が3人以上の場合:3人目から大人特急料金の半額
幼児が1人で利用する場合:大人特急料金の半額
指定席特急料金子供・乳幼児ともに大人特急料金の半額
グリーン料金・グランクラス料金大人料金の半額

特急をご利用の場合、通常は運賃に加え「特急料金」などを追加して支払います。子供・乳幼児が特急の座席を利用する場合、膝の上に乗せるなどではなく大人とは別に「座席の指定」がある場合は原則として半額の料金が必要です。

自由席については基本的に運賃と同じ仕組みで、同伴する大人1人あたり幼児3人以上が利用するケース・幼児単独が列車を利用するケースを除き乳幼児は無料となります。

利用の例

【東海道新幹線東京~名古屋間を大人1人・幼児1人で利用する場合】
自由席 大人運賃・料金合計10,560円のみ(幼児無料)
指定席 大人運賃・料金合計11,300円+幼児指定席特急料金2,460円=合計13,760円

補足事項

これまで解説してきた内容は通常の「運賃・料金」のケースです。例えば「お得なきっぷ」の場合、子供用の設定がない場合や、逆によりお得な金額に設定されている場合があるなど状況は異なります。

当ページはJR線を利用する場合のケースです。私鉄・地下鉄などその他鉄道事業者では、制度の大枠は似ているものの、一部では取り扱いが異なることがあります。

4月から中学生になる12歳の方が、ご旅行などのために3月31日までに購入した「子ども運賃」のきっぷは、3月31日までを有効期間の開始日としている場合、4月1日以降に有効期間がまたがるきっぷでもそのままご利用頂けます(そのきっぷと同時に利用する特急券も「子ども料金」を適用)。但し、通常の運賃の特例で、定期券などには適用されません。

JR線「子供(乳幼児)運賃」の基礎知識

JR線の運賃は、大まかには「中学生以上」は通常の大人運賃「小学生」は大人運賃の半額「小学生になる前の乳幼児」は無料という3つの区分に分けられます。

幼児については、1人で利用する場合・同伴する大人1人につき幼児3人以上が利用する場合はは無料ではなく「子供運賃」(大人同伴の場合3人目以上の1人につき)となる例外があります。

定期券は、学校へ通う場合小学生用の定期券が非常に割安(大人定期の4分の1未満)である一方、塾や習い事等の場合子供「通勤定期」を買う形(大人定期の半額)となります。

特急・新幹線をご利用の場合、自由席特急料金は運賃と同様乳幼児無料(同伴する大人1人につき幼児3名以上・幼児単独での利用のケースを除く)ですが、座席指定が必要な指定席・グリーン席などは大人料金の半額が必要となります。