新幹線・特急の「繁忙期」・「閑散期」とは?変わる料金の仕組みをわかりやすく解説

基礎知識・お役立ち情報

新幹線・特急電車の料金は、基本的に駅から駅までの「運賃」と、座席料金である「特急料金」の2種類をプラスした金額となります。

一方で、乗り換え案内などで検索すると、検索する日によって同じ列車でも少しだけ料金が違うことにお気づきの方もいらっしゃるかもしれません。これは、いわゆる「繁忙期・閑散期」料金というもので、設定された時期によって少しだけ金額が変化するようになっています。

こちらの記事では、新幹線・特急電車の「繁忙期」と「閑散期」の料金設定・仕組み・適用される列車・期間などについてシンプルに解説していきます。

繁忙期・閑散期料金はいくら?

新幹線・特急の繁忙期・閑散期料金の金額設定は非常にわかりやすいものです。

繁忙期の場合、通常の指定席特急料金から200円増しとなります。

閑散期の場合、通常の指定席特急料金から200円引きとなります。

料金の制度は基本的にこれだけです。繁忙期というのは要するにお客様が多い時期、閑散期というのはお客様が少なめの時期にあたり、利用が多い時は値段を上げて、利用が多い時は値段を下げている形になります。

設定される列車は?

繁忙期料金・閑散期料金は、各地のJR線の特急電車、新幹線の「指定席」に適用されます。あくまでも「指定席」のみであり、「自由席」・「グリーン車」・「グランクラス」といった他の種類の座席には設定されないことが特徴です。

すなわち、特に短い区間の場合、繁忙期に自由席を使うとお得感がより増す。ということにもなります。

但し、適用されない列車もあります。

JR北海道・JR九州線内の「在来線特急電車」に繁忙期・閑散期の区別はありません。

また、JR東日本線内の主要な特急電車も設定が多くで除外されています。「あずさ」・「かいじ」・「富士回遊」・「はちおうじ」・「おうめ」・「踊り子」・「湘南」・「ひたち」・「ときわ」・「スワローあかぎ」・「あかぎ」・「日光」・「きぬがわ」・「スペーシアきぬがわ」をご利用の場合は繁忙期・閑散期の区別はありません。

計算方法は?

繁忙期料金・閑散期料金の計算方法は、それほど複雑ではありませんが、利用する区間によっては200円増しの料金が2回掛かることもあります。

繁忙期・閑散期の料金(200円増し・200円引き)は、「それぞれの列車ごと・料金区分ごと」に計算が行われます。

すなわち、余り多くはありませんが、在来線の特急電車を2回乗り継ぐ場合は、それぞれの指定席料金にそれぞれの繁忙期料金をプラスした金額となります。

例えば、金沢駅~【特急サンダーバード】~京都駅~【特急きのさき】~豊岡駅というルートで利用する場合、それぞれの特急ごとに指定席料金が掛かるため、運賃と料金の合計は繁忙期は11,680円・通常の料金は11,280円・閑散期は10,880円と800円の差が生じます。

また、新幹線については東海道・山陽新幹線はそれ自体で1つの路線として統一の料金区分となっていますが、九州新幹線の区間については別の料金区分になっているため、それぞれの路線ごとに繁忙期・閑散期料金が計算されます。

要するに、以下のようなルートで利用する場合はそれぞれの路線ごとに料金が足し引きされます。

東海道・山陽新幹線の各駅~九州新幹線の各駅
東海道・山陽新幹線の各駅~東北・北海道新幹線の各駅
東海道・山陽新幹線の各駅~北陸新幹線の各駅
東北・北海道新幹線の各駅~北陸新幹線の各駅
このほか3つの新幹線路線をまたぐルートなど(仙台~東京~博多~熊本など)

例えば、京都駅~【新幹線みずほ号】~熊本駅というルートで利用する場合、東海道・山陽新幹線の特急料金と九州新幹線の特急料金を合算して、その上で繁忙期・閑散期料金を足し引きしますので、繁忙期は21,400円・通常の料金は21,000円、閑散期は20,600円と800円の差が生じます。

なお、新幹線と特急を乗り継ぐ場合は、乗り継ぎ割引が適用されます。在来線の指定席特急料金については繫忙期・閑散期料金を差し引きした上で割引が行われるため、この場合は400円増し・400円引きということにはなりません(この他、在来線扱いのミニ新幹線である秋田・山形新幹線についてはやや特殊な仕組みになっています)。

繁忙期・閑散期はいつ?

閑散期:1月16日~2月・6月・9月・11月~12月20日の期間のうち「月~木曜日(祝日・祝日の前日・振替休日を除く)」

繁忙期:3月21日~4月5日・4月28日~5月6日・7月21日~8月31日・12月25日~1月10日

通常期:上記以外の全ての日

曜日の配列などで毎年一部で異なりますが、閑散期・繁忙期・通常期の期間については、上記のようにほぼ固定されたスケジュールとなっています。ざっくり言えば、春先の転居・行楽シーズン、大型連休期間、夏休み期間、年末年始期間は繁忙期で、それ以外は通常期か閑散期(金・土・日はどんなシーズンでも閑散期にはならない)という形です。

なぜこんな料金制度になっているの?

JR線が繁忙期・閑散期料金を設定している理由としては、特に公式的なアナウンスは近年見られませんが、一般論としては利用が多い時期は値段を少し上げることで利用の集中を抑え、利用の少ない時期を少し安くすることで、利用の促進を図る。ということが言えます。

但し、JR線の繫忙期・閑散期料金はあくまでもプラス200円・マイナス200円という「ちょっとした額」に過ぎません。このレベルの料金差では、高いので利用を控えたり、別の日に変えたり、安いから使ってみる。ということにはならないでしょう。

ホテルなどの宿泊業界や交通関係でも「高速バス」や「航空便」については「ダイナミックプライシング」として需要に応じて極端に値上がりしたり、値下がりしたりする運賃の仕組みが一般化してきていますが、鉄道についてはこの繫忙期・閑散期料金が「おまけ」程度に設定されてはいるものの、需要の多さ・少なさによるダイナミックプライシングの導入はまだ検討段階のレベルのようで、コロナ禍を経て今後どのようになるかが注目されます。

まとめ

JRの「繫忙期・閑散期料金」とは、新幹線及び在来線の指定席料金について、利用の多い時期は200円増し、利用が少なめの時期は200円引きをするという料金のシステムです。

設定される列車はあくまでも「指定席」のみであり、自由席やグリーン席・グランクラスといった座席には繫忙期・閑散期の設定はありません。また、JR九州・JR北海道の全在来線特急列車、JR東日本のあずさ・ひたちなど多くの在来線特急列車にも繫忙期・閑散期の設定はありません。

料金は、列車または路線ごとに適用されるようになっています。例えば在来線の特急列車を乗り継ぐ場合、また料金が別々の「東海道・山陽新幹線」と「九州新幹線」などを乗り継ぐ場合には、それぞれの列車または路線ごとに繫忙期・閑散期料金が差し引きされ、例えば「400円増し・400円引き」といった形になります(乗り継ぎ割引のある場合などはまた異なります)。