奈良市街地の南側に位置し、上街道(上ツ道)が南北に通る歴史ある地域・難読地名としても知られる「肘塚町(かいのづかちょう)」。こちらでは、地域の歴史やみどころ・居住環境など基本的な情報をご案内してまいります。
地理・概要
読み | かいのづかちょう |
交通 | 奈良交通バス「北京終町」・「田中町」・「南方町」バス停 JR京終駅から徒歩すぐ~約5分 近鉄奈良駅から南方向に徒歩約20~25分 JR奈良駅から南東方向に徒歩約25~30分 |
人口 | 約1100人(2021年現在) |
校区 | 春日中学校・済美小学校・済美南小学校(飛地のJR線より西側のみ) |
郵便番号 | 630-8142 |
奈良市の肘塚町は、奈良市街地の南側、「京終」地域として近年注目を集める区域に含まれる町であり、町内をかつての「上街道(上ツ道)」が南北に通っています。町内は一部が飛地となっており、南隣の南肘塚町の更に南側に更に「肘塚町」が見られるという少し珍しい構図が見られます。
一帯は密度の高い住宅地であり、大規模なマンションや開発された住宅街などもある一方、街道沿いを中心に古い住宅建築も残されています。店舗などは町内では小さな商店などがメインですが、近くを通る国道369号線沿いに各種大型店舗・スーパーなどが見られます。

なお、基本的には住宅街ですが、一部は奈良市内では数少ない自動車学校の「春日自動車学校」の敷地となっています。

このほか、町内の北東側には複数のゲストハウス(宿泊施設)もあり、奈良観光に訪れた際の滞在拠点としてもご活用頂けます。
居住環境
街道沿いの古い町並みが残る一方で、昭和・平成以降に開発された住宅物件も多い肘塚町は、一般的な住宅地としての性質も強い地域です。
賃貸については京終駅そばの比較的新しいマンション『レイセニット奈良グラン・ヴェルジェ』は3LDKで10万円以上の家賃と相応の水準ですが、比較的古いシングル向け物件などは、家賃3万円台~とごく一般的な家賃となっています。

売買不動産物件は、近年売りに出た新築物件は2000万円台前半もあり、中古の場合広さにもよりますが数百万円程度のものもあるなど、価格は安めの地域です。但し主だった住宅開発が終わったため、現在はそれほど流通が多い訳ではありません。
生活利便施設については、町内ではなく東側の国道369号線沿いに多数のお店が並んでおり、スーパーマーケット「万代紀寺店」は町内全域から徒歩圏となっているほか、コンビニ・ドラッグストア(ウェルシア奈良南肘塚店)・酒屋(やまや)・100円ショップダイソーなど、お買い物の利便性は概ね高い地域です。また、国道沿いには飲食店も多くなっています。
交通
肘塚町は、JR京終駅からは徒歩すぐの距離となっていますが、京終駅からのJR万葉まほろば線(桜井線)は本数が少なく、近鉄・JR奈良駅を利用する方も多い地域です。
近鉄・JR奈良駅へは徒歩では少し遠い距離であり、自転車やバスによる移動も多くなっています。
バスについては、市内循環バスの「北京終町」・「田中町」バス停が町内の北側からのご利用に、天理・下山方面から奈良駅へのバスが通る「南方町」バス停が町内の南側からのご利用に便利です。循環バスは約15~16分おき・南方町からの奈良駅方面行きは約20分おきの運行で、一定の利便性は確保されています。
道路については、近くを国道369号線が通りますが、町内の道路はほぼ全て狭路で、交通量がある程度見られる旧上街道でも対向が難しい区間があります。
歴史・由来・みどころ

肘塚町は、歴史としては旧「奈良町」地域の南端部にあたり、外側の農村部とかつての市街地の境界付近に位置します。上街道(上ツ道)沿いにあたることから、かつては人通りが多い地域であったことも推定されます。
「肘」の「塚」といういわくありげな地名は、実際に奇怪なエピソードに由来するという伝承もあり、奈良時代の僧侶「玄昉(げんぼう)」が、藤原広嗣の怨霊により空の上に連れ去られ、体の一部が各所へ落下し、肘がこの肘塚町に落ちたことに由来する。という説もあります。但し、この説については「かいのづか」という地名に「後付け」されたエピソードである可能性(由緒地とされる場所も含め)が否定できませんので、はっきりした由来はよくわかりません。
町内のみどころとしては、上街道の道路上に空海ゆかりとも言われるご神木が立つ「椚神社(くぬぎじんじゃ)」が知られています。なお、神社のそばには奈良町の入口を意味する惣門や鹿よけの柵があったという話も残されています。
また、奈良では数少なくなった銭湯「ほてい湯」も町内で営業しており、生活に根差した魅力が感じられる地域にもなっています。
肘塚町周辺地図
肘塚町は、中辻町・北京終町・南京終町(5丁目・丁目設定なしの地域)・南肘塚町・紀寺町と隣接しています。
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