柿の葉寿司とはどんな食べ物なの?基本中の基本をしっかり解説【奈良名物】

基礎知識・お役立ち情報

奈良名物と言えば、定番中の定番とも言える存在として挙げられるのは「柿の葉寿司」と「奈良漬」の2つ。本ページでは、「柿の葉寿司」という食べ物について、知っているようで知らないことも多い、基本的な知識をご紹介していきます。

どんな食べ物なの?味は?

柿の葉寿司とは、その名の通り「柿の葉」で包み込んだ形を持つお寿司です。

お寿司自体は、一般的な「押し寿司」の種類にあたるもので、それに柿の葉を巻いたものです。

柿の葉には抗菌・抗酸化作用があるとされ、お寿司の保存性を良くする効果があると言われており、素材もシンプルなことからヘルシーな食べ物として知られています。

味はそれなりに塩気がありますが、素材の魚(鯖や鮭)の風味・酢飯の酸味・ほんのりと柿の葉の香りが合わさって、比較的すっきりとした食べやすい味わいです。

奈良の特産品では奈良漬は業者ごとの風味の違いがかなり顕著ですが、柿の葉寿司は一定の差はあるとは言え、そこまで大きな味覚の差はありません。また、「当たりはずれ」のようなこともほぼ聞いたことがありません。

素材にはどんなものがあるの?

柿の葉寿司の素材は、まず基本となるものは当然ながら「酢飯」と「柿の葉」この2つです。

その上で酢飯の上に乗せる具材としては、奈良では「鯖(サバ)」と「鮭(シャケ)」が最も定番で、これ以外にも「鯛(タイ)」・「穴子」・「海老」・「大根」・「椎茸」を用いるものもあります。

基本的には素材はシンプルで、それほど「変わり種」的な具材が似合うという訳ではなく、定番の素材をじっくり味わうのに適したお寿司と言えるでしょう。

柿の葉寿司の歴史は?

柿の葉寿司の成立は、必ずしも正確な史料などが残されている訳ではありませんが、江戸時代頃奈良県南部~和歌山県の紀ノ川(吉野川)中上流域で成立したものと推定されます。

紀ノ川は川幅が太く水運が発展してきた歴史を持っており、この水運によって和歌山方面で獲れた魚が内陸部である流域一帯に運ばれたともされています。

塩漬けにされた魚(当時は基本的に鯖のみ)の切り身を、ご飯の上に乗せて柿の葉で包んで重石で押して熟成させ、更に保存性をよくしたものが柿の葉寿司の原型と考えられています。

魚が貴重な内陸部・山間部では柿の葉寿司は祭りなど「ハレの日」を祝うご馳走であったようで、様々な集落・地域でその地域ごとの柿の葉寿司が作られてきました。

なお、当初は酢飯ではなく単なるご飯の上に乗せて発酵させるなれずしの形態であったともされ、最初から現在の味と形というではなかったと考えられます。

柿の葉寿司は奈良だけなの?

奈良の特産品、定番グルメとして知られる柿の葉寿司ですが、地域性という意味ではこれは必ずしも「奈良市」の名物ではありません。

柿の葉寿司の発祥は上記で解説したように紀ノ川・吉野川流域、すなわち和歌山県北東部から奈良県南部一帯であると考えられ、現在も奈良県五條市などが柿の葉寿司の本場として知られています。

観光客が気軽に買える場所。という意味ではどうしても奈良県の北部、電車の利便性が高い場所に店舗が目立つようになりますので、一見すると奈良漬と並ぶ奈良市の名物が柿の葉寿司である。と誤解されがちですが、必ずしも奈良市内で古くから柿の葉寿司がブランド化されてきた。といった歴史は見られません。

また、柿の葉寿司を名乗るお寿司は、奈良だけではなく石川県加賀地方や鳥取県智頭町の郷土料理としても存在し、これらは必ずしも奈良・和歌山から輸出されたものと言う訳でもないようです。

なお、比較的似た種類のお寿司としては、中部地方や奈良県の一部でも食べられてきた「朴葉寿司(ほおばずし)」・北陸などの一部地域で見られる「笹寿司(ささずし)」もあります。

主な柿の葉寿司店について(奈良)

柿の葉ずし総本家平宗吉野町に本店を置き、奈良市内などでも広く展開する有名な柿の葉寿司店。近鉄線の駅ナカ店舗もあり、昼食などに気軽に購入可能です。
柿の葉すし本舗たなか五條市と奈良市に本店を置く柿の葉寿司店。京阪神の百貨店や首都圏にも店舗が多く、奈良以外の場所でもお買い求め頂きやすくなっています。
柿の葉ずしヤマト五條に本店を置く柿の葉寿司店。お持ち帰りの商品だけでなく、「大和鮨 夢宗庵」としてレストラン営業も行っており、柿の葉寿司を筆頭に様々なお料理もお楽しみ頂けます。
柿の葉寿司のゐざさ中谷本舗上北山村にある本店のほか、奈良県各地で複数の店舗を持つ柿の葉寿司店。「ゐざさ寿司」と呼ばれる柿の葉で巻いた少し違ったお寿司も魅力です。
この他吉野山にある「やっこ」・「ひょうたろう」・「たつみ」なども有名なお店として知られています。

まとめ

柿の葉寿司は、その名の通り「柿の葉」で包んだ押し寿司の一種であり、鯖と鮭が定番の素材であり、この他鯛や椎茸などといった具材も用いられています。味は少し塩気が効いたシンプルな味わいで、柿の葉のほのかな香りが良いアクセントになっています。

歴史としては江戸時代頃に紀ノ川・吉野川の流域(内陸部・山間部)周辺で成立したと考えられています(奈良市が発祥地ではありません)。海から離れた場所で魚を美味しく食べるため、塩漬けされた魚の切り身をご飯に乗せ、柿の葉で包んでより保存性を高めたものが原型で、当時は特別な「ご馳走」として食べられたようです。なお、これとは別に石川・鳥取の一部でも柿の葉寿司が特産品となっています。

柿の葉寿司の主なお店(製造業者)としては、平宗・たなか・ヤマト・ゐざさの4社があります。この他小規模なお店も見られ、現在では奈良県南部の本場のみならず、奈良市周辺や業者によっては京阪神・首都圏にも複数のお店を構えています。