奈良観光に訪れる場合、電車やバス・徒歩を利用して観光をされるのが一般的ですが、自転車で自由に市内を巡りたいというニーズも一定以上見られます。
そんな時に便利なのは定番の「レンタサイクル」と近年整備が進んだ「シェアサイクル(バイクシェア)」。こちらのページでは、それぞれの特徴や使い方・料金等についてご紹介していきます。
レンタサイクル・シェアサイクル(バイクシェア)の違いは?
奈良市内で現在「自転車」をレンタルするサービスについては、従来から営業して来た「レンタサイクル」と、ドコモバイクシェアによる「シェアサイクル」の概ね2つの業態に分かれています。
どちらも自転車を借りるという意味では同じですが、レンタサイクルとシェアサイクルにはいくつかの違いがあります。
借り方について
レンタサイクルは、基本的に駅前等の営業所にある「有人窓口」で申し込んで自転車を借りますので、借り方はシンプルです。
シェアサイクルは、ごく一部を除き無人の自転車ポートで、ICカードをタッチ・スマホ等を操作してセルフで自転車を借ります。慣れておられる方には使いやすく、はじめての方には少しわかりにくいかもしれません。
使い方について
レンタサイクルは、一部を除き借りた場所へ返却する事が原則ですので、借りた日は自転車をずっと使うのが基本となります。
シェアサイクルは、市内のあちこちにある「自転車ポート」を随時利用する事が出来ますので、必要な区間だけ自転車に乗るという「ちょい乗り」的なニーズにも対応しています。
料金について
レンタサイクルは、一部を除き「1日」単位の料金であることがほとんどです。なお、長時間の利用はシェアサイクルよりも割安になるケースもあります。
シェアサイクルは、1日単位のプランもありますが、30分単位からご利用頂く事が可能です。
車種について
レンタサイクルの場合、通常の「シティサイクル」から「電動アシスト付き自転車」等、基本的には複数種の自転車からお選び頂けます。
シェアサイクルは、小さめの電動アシスト自転車のみ(全て同じ車種)が利用可能です。
どういう時にどちらが便利?
上述のように一定の違いがある「レンタサイクル」と「シェアサイクル」。
それぞれに利用するメリットがありますが、一例として下記のようなシチュエーションであれば、どちらが便利と言えるのでしょうか。
近鉄奈良駅から使いたい:レンタサイクルが便利です。
JR奈良駅から使いたい:レンタサイクル・シェアサイクルのいずれも便利です。
各観光地周辺から使いたい:近くにポートがある場合はシェアサイクルが便利です。
長時間使いたい:どちらも使えますが、レンタサイクルの方が割安なケースが多いでしょう。
とにかく安く済ませたい:1日中使う場合はレンタサイクル、短時間の場合はシェアサイクルが便利です。
観光地間・短時間のみ使いたい:シェアサイクル(バイクシェア)が便利です。
機械の操作・スマホの操作が苦手:レンタサイクルのご利用が無難です。
奈良「レンタサイクル」の使い方
駅からのご利用に便利
レンタサイクルの場合、近鉄奈良駅・JR奈良駅前に複数のレンタサイクル事業者の営業所があり、駅からどなたでもすぐにご利用頂く事が出来ます。
シェアサイクルの場合、特に近鉄奈良駅近くにはポートが1か所しかなく、少し離れている等の問題もありますが、レンタサイクルの場合は駅前の駐輪場(近鉄奈良駅の西改札を出て左側の階段を上ってすぐ)で借りられます。
駅から自転車に乗って、半日~1日市内のあちこちを自転車で巡って、再び駅に帰って来る。
こういったスケジュールをイメージしている場合は、レンタサイクルの利用が最も便利でしょう。
利用方法:誰でも簡単
レンタサイクルについては、例えば近鉄奈良駅であれば駅前の駐輪場の窓口がレンタサイクルの受付となっています。
原則としてどのレンタサイクル業者についても受付は常に「有人」ですので、レンタサイクルを使いたいと言えば、係員の方が自転車を持ってきて下さいます。
お支払いはその場で現金払い等が基本であり、やり取り・手続きに難しい点は一切ありません。レンタサイクルはどなたでもスムーズに借りやすいため、スマホアプリの操作等が少し苦手な方には特におすすめです。
利用にあたっては、事業者によっては24時間返却可能な所と、夜までに返却する必要がある所に分かれていますので、長時間ご利用の上夜間まで・24時間単位で「ハード」に使うような場合は、営業時間・返却時間の確認が必要です。
主なレンタサイクル業者
◇ナコーレンタサイクル
ナコーレンタサイクルは、奈良で最も一般的なレンタサイクル事業者であり、近鉄奈良駅前や大和西大寺駅前から便利にご利用頂けます。なお、返却可能時間が限られていますので、その点はご留意下さい。
◇駅リンくん
JR西日本グループの「駅リンくん」は、JR奈良駅前に営業所をもっており、JR奈良駅からのご利用に大変便利です。なお、返却可能時間が限られていますので、その点はご留意下さい。
◇ヤマト観光レンタサイクル
ヤマト観光レンタサイクルは、クロスバイクを含め車種が豊富な事が特徴・24時間返却可能なレンタサイクル事業者です。営業所は近鉄奈良駅・JR奈良駅の近くにありますが、少しだけ離れていますのであらかじめ場所の確認が必要です。
◇奈良レンタルサイクル
奈良レンタサイクルは、近鉄奈良駅の北側にあるレンタサイクル事業者であり、シティサイクルの1日料金は最安値・24時間返却可能となっています。なお、営業所は住宅街の中にあるため、あらかじめ場所の確認が必須です。
レンタサイクルの料金は?
レンタサイクルの料金については、車種や事業者ごと・事前予約の有無等に応じて料金はやや異なりますが、1日料金で見るとシェアサイクルよりは割安感のある水準で、借りやすくなっていると言えるでしょう。
車種 | 料金(1日) |
---|---|
電動アシスト車 | 980円~1,320円 |
普通車 | 500円~800円 |
クロスバイク(一部業者のみ) | 1,100円~2,750円 |
電動アシストではない一般的なシティサイクルの場合、500円程度で借りられる業者もあり、奈良交通バスの1日乗車券よりは少し割高ではありますが、長時間シェアサイクルを利用するケースと比べるとかなりお安くなっています。
なお、事業者によっては短時間の料金を設定している所もありますが、その場合でもシェアサイクルのような150円~単位の料金ではありません。
奈良「シェアサイクル(バイクシェア)」の使い方
利用拠点(ポート)は市内あちこちに
奈良のシェアサイクル(奈良バイクシェア)は、レンタサイクルとは異なり市内のあちこちに自転車が停められている無人の「ポート」があり、そこから自転車を使う形となります。
駅以外の場所(平城宮跡をはじめ主要観光地周辺)にも多数のポートがありますので、駅を降りてすぐでなくても、観光の途中からでも便利に自転車を使う事が出来ます。
また、時間単位での料金システムかつポート間の移動は自由のため、観光地から観光地の一区間だけを利用する「ちょい乗り」的な使い方も自由自在です。
短時間や短距離の移動にご利用頂く場合、シェアサイクルはレンタサイクルと比べて大きなメリットがあります。
利用方法:スマホで申し込み・ICカード利用
フレキシブルな利用が可能な「シェアサイクル(奈良バイクシェア)」は、サイクルポートは「無人」です。レンタサイクルとは異なり、説明等を受けながら利用を申し込みする形ではありません。
利用申し込みには2種類の方法があります。
コンビニ・窓口で「1日パス」を入手
コンビニ(セブンイレブン・ファミリーマート)とごく一部の有人窓口では「1日パス」が発売されています。この場合は現金で購入する事が可能です。料金はコンビニと有人窓口で同額です。
コンビニの1日パスには「パスコード」が記されていますので、スマホから利用登録の上、自転車番号を入力し、表示されたパスコードを操作パネルに入力して頂く事で利用可能となります。
また、有人窓口で購入する1日パスは「専用ICカード」となっており、自転車のICカードリーダーにタッチする事で利用可能となります。
専用サイトから申し込む(クレジットカード必須)
クレジットカードをお持ちの場合は、専用サイトで「会員登録」をした上で、「利用予約」をして下さい(短時間利用・1日パスのいずれも予約可能)。予約すると「パスコード」が発行されますので、自転車の操作パネルにパスコードを入力すれば利用可能となります。
なお、ドコモバイクシェアで「ICカード登録」を既にしておられる場合、タッチ1回ですぐに利用可能となります。
シェアサイクルの料金は?
奈良のシェアサイクル(バイクシェア)の料金については、以下の通りです。
利用形態 | 料金 |
---|---|
1日パス | 2,037円 |
時間利用 | 1回会員:最初の30分165円 ※延長30分毎に165円追加 月額会員:2,200円 ※1回30分までは何度利用しても無料 ※延長30分毎に165円追加 |
基本的には短時間利用の場合はレンタサイクルと違い小刻みな料金設定のため、割安となります。一方で1日利用の場合は購入形態・レンタサイクルの車種等にも左右されますが、基本的にはシェアサイクルが割高となるでしょう。
なお、住民の方や奈良に毎日訪れるような方の場合は「月額会員」に登録する事で、短時間利用等を頻繁にしても上限2200円での利用が可能です。
まとめ
奈良観光で自転車を利用する場合は、おなじみの「レンタサイクル」・近年整備された「シェアサイクル(奈良バイクシェア)」のどちらかをご利用頂く形となります。
レンタサイクルの場合は近鉄奈良駅・JR奈良駅等「駅から」の観光に大変便利です。また、申し込みが簡単・複数の車種・長時間(1日)利用では割安といったメリットもあります。
シェアサイクルの場合、利用可能なポートが多く、短時間利用の場合レンタサイクルよりもかなりお得な場合がある等、フレキシブルな利用に適しています。
一方で自転車は無人のポートに停められており、利用の手続きは原則として「セルフ」です。少し複雑な「1日パス」の仕組み(有人窓口で購入の場合割高)や、短時間利用の場合利用登録等が必要(クレジットカード必須)であるなど、スマホの操作が苦手な方には余りおすすめは出来ません。
なお、寒い時期や暑い時期等は、無理をせずに路線バス・ぐるっとバス等をご利用頂くのもおすすめです。