【希少?】奈良の「新築一戸建て」事情は?価格水準や流通状況をご案内 | 奈良まちあるき風景紀行

【希少?】奈良の「新築一戸建て」事情は?価格水準や流通状況をご案内

奈良の基礎知識

観光で有名な「奈良市」。こちらのページでは奈良市内の不動産事情について、「新築一戸建て」というテーマから見て行きたいと思います(ここでは、注文住宅ではなくいわゆる「建売」の事情を解説します)。

新築一戸建て(建売)については、かつての時代のように大規模な開発が次々に行われる局面ではなくなりましたが、ミニ開発を中心に常時一定数の供給は続いています。

価格については利便性に応じて異なり、4000万円~5000万円台以上の物件もあれば、最も安い場合は建物込みの価格で2000万円以下の物件も見られます。

「大量供給」の時代は終わりました

「新築一戸建て」を買う。というテーマになると、一般的には整備された「大きな住宅地」に建てられた戸建て住宅。というイメージが先行するかもしれません。

しかし、奈良の新築一戸建てに関しては、現在は「大規模」かつ「新規」の開発(新しいニュータウン・団地)を探すのは次第に難しくなっています(小規模な建売の住宅地・一戸単位の新築物件は豊富にあります)。

歴史を見れば、奈良県内・奈良市内のいずれにおいても1960年代から1990年代にかけての時代は活発なニュータウン・郊外住宅地開発が行われ、次々に新しい住宅地が建てられたという歴史があります。

また2000年代以降も、近鉄学研奈良登美ヶ丘住宅地(現在も一部の開発が続行中)・近鉄あやめ池住宅地などの住宅開発が行われ、駅前の開発等も活発に行われた時期があります。

しかし、2010年代以降は住宅開発のうねりは大きく減退し、そもそも開発に適した土地を「開発し尽くした」こともあり、2020年現在は「学研奈良登美ヶ丘住宅地」の開発等がまだ一部で見られますが、「大規模」な住宅開発が次々に行われる時代はほぼ「終焉」を迎えたと言って差し支えありません。

後述する通り、奈良では現在もそれなりの数の新築一戸建て住宅が流通していますが、それは昔のような巨大住宅地開発によるものではありません。むしろ「ミニ開発」的なものにシフトしているのが現状と言えます。

ミニ開発等は現在も続く

2020年現在の奈良は、次々に行われる「巨大住宅地」の開発は少なくなりましたが、数十戸単位から数戸~1戸単位で行われる中規模の住宅開発~ミニ開発とも言える「新築一戸建て」住宅の供給は比較的順調に続いています。

開発されるエリアについては、郊外の駅徒歩圏でありつつ、徒歩15分程度と少し離れたエリア(近鉄大和西大寺駅や菖蒲池駅・富雄駅周辺等)等が多く見られます。

一方、駅の真横や駅からすぐの場所については、単発で土地が売買されるようなことはあっても、新築一戸建ての住宅地が開発されるケースは極めて少なくなっています。

例えば奈良の中心駅である近鉄・JR奈良駅の利用圏の場合、駅から比較的離れた法蓮地域や紀寺地域、神殿・永井地域等で新築一戸建てが見られる場合が多くなっており、いずれにせよ「駅に近い物件」とは言い難いケースが多いでしょう。

奈良市の場合、人口減少時代とは言っても土地が次々に手放されたり、団地が取り壊されて次々に再開発が行われるような状況は2020年現在は見られません。

また、既に「市街化」に適した土地は「市街化」し尽くしてしまった状況とも言えるため、今から新規の開発をどんどん行うような環境にはありません。

新築物件の戸数そのものが極端に少ない訳ではありませんが、利便性の高い場所に手ごろな物件が次々に供給されているか。と言えば、そのような状態とは言い難いのが現状と言えるでしょう。

価格水準は?

駅から少し離れた場所のミニ開発等がメインとなっている奈良市内の新築一戸建ての供給状況。

価格という観点から見ると、利便性の高い物件・比較的ハイグレードな住宅設備を持つ物件は、当然ながら比較的割高な価格水準となります。

例えば貴重な「駅前」住宅地の開発である近鉄不動産の「学研奈良登美ヶ丘住宅地」については、建売の分譲住宅が5000万円台以上、また高の原駅に比較的近い開発物件でも4000万円台以上と、それなりの価格となっています。

一方、ミニ開発・単独の開発物件を見て行くと、一部では駅までの交通手段が「バス利用必須」の物件もあるため、最安では1800万円程度の物件から見られる等、価格水準としては一般的にかなり手頃とも言える物件も少なくありません。

ざっくりとした「平均値」を取れば、奈良市内の「建売」新築一戸建て住宅の平均的な価格はあくまでも独自の推計ですが、概ね3000万円程度と言えるでしょう。

奈良市自体は、近鉄・JR奈良駅周辺の市街地や学園前駅・学研奈良登美ヶ丘駅周辺の高級住宅地等は不動産価格はかなり高い傾向がありますが、それ以外の地域については駅前でない場合それほど不動産価格の水準は高くありません。

また、本格的なこだわりある住宅を建築したいニーズであれば、別途土地のみを用意して注文住宅を建てる人も多い訳ですので、建売の一戸建て住宅に限って見れば、近鉄不動産等の一部住宅開発を除いては、コストパフォーマンスが重視されている傾向もあると言えるでしょう。

今後はどうなる?

一部を除いて駅からやや離れたエリア等の「ミニ開発」が主体となってきた奈良市内の「新築一戸建て(建売)」事情ですが、今後はどうなっていくのでしょうか。

まず、需要の高い「駅周辺」エリアの開発について考えれば、現在ある市内の各駅周辺で大規模な戸建ての住宅開発(再開発含む)が行われる可能性はそれ程高くはありません。何故ならば開発の余地がある場合「マンション開発」が優先されるケースも多くなっている他、そもそも主要駅周辺エリアは既に高度な土地利用がなされている場所が多く、今更大規模な戸建て住宅開発を行う余地はないからです。

例外としては、市内にあるUR賃貸住宅等の団地の建て替え(規模縮小)・廃止等に伴う民間住宅開発が行われる可能性がありますが、こちらについては団地の再編は2020年現在本格化しておらず、当面現在の状況が大きく動く事はないでしょう。

その他の各種ミニ開発・比較的駅から離れた場所での戸建て開発等については、人口減少・少子高齢化・需要・供給のバランス以前に、地元不動産会社の収益事業として一定以上の住宅供給は必ず行われる事が想定されますので、こちらについても極端な動向の変化は想定できません。市内では平均3000万円程度で建売住宅が販売され、交通利便性が比較的低いエリアでは、今後も建売住宅が2000万円以下で売買されるという現状が続くと思われます。

なお、今後は奈良市内南部「八条」地区にJR大和路線の新駅の建設が予定されており、合わせて土地区画整理事業も実施される予定です。この新駅周辺に新築戸建ての分譲地が供給されるかについては確実な情報はありませんが、一般論としては一定の住宅供給が行われる事が想定されますので、新駅建設により久しぶりに住宅開発が活発化する可能性もあると言えるでしょう。

※上記はあくまでも本記事における一見解であり、確実な見通しをお伝えするものではありません。

まとめ

奈良市内の新築一戸建て(建売住宅)事情については、大阪のベッドタウンとして急速に開発された時代は過ぎ、現在はごく一部を除き大規模な住宅開発は少なくなっています。

現在の新築一戸建て供給は、駅から少し離れた場所等のいわゆる「ミニ開発」がメインであり、市内各地で数戸単位等で新築一戸建て住宅が発売されています。

主要駅のすぐ近くの利便性が高いエリアについては、近鉄不動産の「学研奈良登美ヶ丘住宅地」を除き、既に土地が開発され尽くしている・マンション需要等が根強い事もあり、新築一戸建て住宅が多数販売されている状況は見られません(供給ゼロではありませんが、かなり限定的な市況です)。

新築一戸建ての建売住宅の価格水準については、平均すれば概ね3000万円程度と推測されますが、一部の利便性の高い・ハイグレードな物件は4000万円~5000万円台の物件も見られます。一方でバス利用が必須のエリア等、駅からかなり離れた場所であれば土地・建物込み2000万円以下で購入可能な物件も見られます。

今後については、現在の状況が大きく変わる事は考えにくい情勢ですが、UR賃貸住宅の再編事業やJRの八条地区新駅に伴う土地区画整理事業の一環等で、今後の住宅開発の状況が変わる可能性はあります。