奈良の「中古住宅(一戸建て)」事情は?地域ごとの特徴等を解説 | 奈良まちあるき風景紀行

奈良の「中古住宅(一戸建て)」事情は?地域ごとの特徴等を解説

奈良の基礎知識

本記事では、奈良市内の不動産事情のうち「中古住宅(一戸建て)」に関するテーマを詳しく解説していきます。

奈良は大阪のベッドタウンとして発展し、マンションや団地以上に「戸建て」の開発が活発に行われてきた歴史を持っています。

そのため、中古住宅についても一定の流通量が見られ、価格やグレードも地域や物件によって様々なタイプからお探し頂けるようになっています。

戸建てが比較的多い「奈良市」

奈良市を「戸建て」住宅という切り口から見た場合、奈良のまちは全国的に見ても「戸建て」の住宅が全ての住宅に占める割合が比較的高い部類に入ります。

大阪のベッドタウンである以上「団地・マンション」も少なくありませんが、全体として見ると、比較的敷地面積の広い戸建ての住宅開発がメインで行われ、とりわけ市内西部・北部のエリアは昭和の中頃~平成初期頃に開発された戸建て住宅がずらりと並ぶような風景が見られます。

戸建て物件と言うと、敷地が狭くなりがちな都市部では3階建ての物件などが目立ったりしますが、奈良の場合近鉄奈良駅・JR奈良駅周辺等を除き「2階建て」で「庭付き」の物件がかなり多く、郊外住宅地では広いお庭を持つ物件も目立ち、他の地域と比較して「剪定(庭師)」の需要が高いという特徴もあります。

そもそも、奈良は日本で最も貯蓄率が高いとされる地域の一つです。そのような場所柄「広い庭付き一戸建て」が多くなるのはある意味では自然な流れと言えるでしょう。

地域ごとの特徴・価格水準

奈良市内の中古一戸建て物件については、学園前駅・富雄駅・菖蒲池駅・高の原駅周辺といった郊外住宅地一帯では特に流通が多くなっています。

とりわけ富雄駅利用圏の三松・三碓地域、学園前駅利用圏の朝日町・西登美ケ丘・学園大和町・藤ノ木台地域、高の原駅利用圏の左京・朱雀・神功地域等では比較的物件数が多い傾向です。

また、近鉄奈良駅・JR奈良駅の利用圏でも流通は比較的目立ちますが、青山地域・法蓮地域・紀寺地域・神殿地域といった駅から離れた物件が多く、駅の徒歩圏や「ならまち・きたまち」エリアといった「観光地」に含まれるエリアでは物件数はかなり少な目です。

市内で不動産価格が比較的安いエリアは、一例を挙げれば近鉄学園前駅の北西側エリア(朝日町等)・近鉄菖蒲池駅の北西側エリア(敷島町等)・近鉄橿原線の西ノ京駅・尼ヶ辻駅最寄りのエリア(五条山・六条方面等)・近鉄奈良駅、JR奈良駅から南方向に離れたエリア(紀寺・神殿・永井・恋の窪方面等)等が列挙できます。

これらエリアは場所によって「狭い道が入り組んでいる」・「バス利用が必須」等の条件はありますが、古い物件であれば500万円前後から見られます。

奈良市全体の傾向としては、駅に近い利便性の高い物件でなければ1000万円以下の物件もありますが、平均すれば2000万円程度~の物件が目立ちます。

郊外で2000万円を越える物件は、ほとんどの場合一定の土地面積が確保されており、中には面積が300~400平米以上と「家庭菜園」が出来そうな物件も見られます。なお、広い物件が多い奈良では、築30年以上の中古でも3000万円~4000万円台を付ける物件も多く見られます。

高額物件については、学園前駅周辺もしくは近鉄奈良駅周辺で1億円を越える物件も見られますが、流通はそれほど多いとは言えません。

新築物件とどちらがお得か?

中古一戸建て物件を探す際にポイントとなるのは、その「コストパフォーマンス」。

中古である以上、新築と同じ機能を求めるのは無理がある一方、同じ予算でより広い・大きな住宅に住めたり、新築よりも少ない予算で同じレベルの住宅に住めるという特徴があるからこそ「中古住宅」には一定のメリットがある訳です。

奈良市内の中古一戸建て物件について新築と比較した場合、絶対的な事は言えませんが、単純な不動産サイト上で見た「売買価格の平均」からすると、新築・中古の価格差はそれほど大きくは見えません。ネット上で「中古物件」のリストを見れば、3000万円台~の物件も一見すると沢山見られます。

そのため、一見すると中古を買うと損であるようにも見えるでしょう。

一方で、奈良市内で近年売買される新築の戸建て(建売)住宅については、かつてのような大規模な開発は減少し、比較的安価な・駅から少し離れた場所での「ミニ開発」が目立ち、敷地面積や建物等を見るとそれほどハイグレードな物件は多くありません。

他方で、中古一戸建て物件の場合、先述したように価格面では一見同じでも、新築と同じ予算でより「広い土地」や「広い建物」が手に入れやすい傾向があります。例えば中古の3000万円台~のスケールを新築で再現すると、5000万円台~の費用が掛かってもおかしくありません。

また、「中古物件」を名乗る物件には、少し時間が経った新築(築1~2年)と思われる物件・買ってすぐに手放されたと思われる物件も複数紛れているため、価格を考える場合はそれらを除外して考える必要もあります。

全体としてみると、購入価格という点で見れば中古を買うメリットは確実にあると言えますが、メンテナンスコストや生活スタイル・交通利便性等を考慮すると、新築が適切な場合も多々ありますので、個々の物件の性質・購入者の方のニーズをよく比較した上で検討されるとよいでしょう。

奈良で中古住宅を探すには?

奈良市内で中古一戸建て物件をお探しの場合、原則として他の都市と「探し方」に大きな差異はありません。

市内の中古物件については、近鉄不動産や大手・地元の各不動産仲介業者等が各種物件を取り扱っていますので、物件探しに困ることはまずありません。

なお、「中古物件」を名乗る物件には、実質的には新築(1~2年程経過して売れていない物件)物件等も紛れているケースが時折ありますので、お探しになる場合はある程度「どういった家が良いか」をイメージした上でお探し頂いた方が無難かもしれません。

また、奈良の歴史ある風情に関心があり、いわゆる「古家・町家」に住みたい。というニーズも少なくありませんが、この場合は本記事で解説したような「中古住宅事情」は当てはまりません。

レトロな古家や町家は「売買」で流通しているケースがかなり希少であり、町家バンクや古家賃貸を得意とする一部の不動産業者を介して検討することになる場合も多いでしょう。

加えて、広々とした「町家」については時折「億単位」の価格が付いた不動産として出回るケースがありますが、そういった場合「とにかく売りたい」という前提で売りに出される事もあるため、「町家」と名乗らず、「単なる広い土地(更地化を前提)」として売られることもあります。

つまり、町家が出回っていても、必ずしも文化的・歴史的価値を考慮して取引されるとも限らないため、ネット上で検索するだけでは、その物件が町家であることに気づかずにいてしまう(土地としか表記されていない)可能性もあるのです。

奈良の「中古一戸建て物件」を探す場合、ごく普通の一軒家であれば、全国各地と同じ探し方で何ら問題はありませんが、建築に興味があり「町家・古家のライフスタイル」に憧れるようなケースでは、オンラインだけでは恐らく情報が集められない等「全く違う都合になる」という事はよくご理解の上、「家探し」をして頂く必要があるでしょう。

まとめ

奈良市は、大阪のベッドタウンとして発展する中で多数の比較的広い一戸建て住宅が建設された事もあり、中古一戸建て物件は一定以上の流通が見られます。

物件については、富雄駅・学園前駅・菖蒲池駅周辺をはじめ郊外の物件が多い一方、駅から離れた場所であれば近鉄・JR奈良駅の利用圏にも多く見られ、観光地周辺を除く市街地のほぼ全域で中古一戸建て物件をお探し頂けます。

価格については、利便性がやや低い場所であれば数百万円程度からある他、2000万円前後からであれば、郊外住宅地の比較的土地面積の広い物件も複数見られます。奈良には広い物件が多い為、中古でも3000万円~4000万円台の物件も少なくありません。

中古一戸建てについては、同じ価格で新築よりもスケールの大きな住宅に住めるメリットがある一方、維持コストや利便性等を考慮すると、必ずお得とは言えないケースもありますので、個々の物件ごとにしっかりと検討されることをおすすめします。

なお、中古物件でも「奈良らしい」歴史あふれる「町家・古家」については事情が異なります。町家やレトロな古家に興味がある場合、家探しの方法や売買・賃貸の状況等は通常と同じではありません。また、流通状況を見落としやすくなっていますので、注意が必要です。