【旧大阪電気軌道富雄変電所】富雄駅前に建つ奈良では数少ない「近代の産業遺産」

知られざるスポット
旧大阪電気軌道富雄変電所

旧大阪電気軌道富雄変電所とは?

近鉄奈良線の奈良市最西端の駅「富雄駅」の駅前、出口を出て北側すぐの場所には奈良ではなかなか見られない「レンガ造り」の重厚な建築が残されています。

この建物は「旧大阪電気軌道富雄変電所」と呼ばれる歴史的建造物であり、その名の通り現在の近鉄奈良線がかつて「大阪電気軌道」と呼ばれる会社であった時代、路線が開業した際に設けられた変電施設となっています。

建設されたのは1914年(大正3年)、その後1969年(昭和44年)に近鉄奈良線の輸送力増強に伴い電圧が600Vから1500Vに変わる際に変電所としての機能は廃止されたため、実質的には50年少々の期間使用されていた施設となっています。

その後は倉庫などとして利用されつつ、平成に入ってからは県道拡幅等により西側の一部が撤去されて現在に至ります。一時は全てを撤去する可能性もあったようですが、結果として現在まで保存される形となっており、奈良では貴重な近代の産業遺産として今も立派な風景を生み出しています。

旧大阪電気軌道富雄変電所の風景

近鉄富雄駅のすぐ北側にある変電所跡。平成になってからは一部を撤去して改修した上でレストランとして用いられていた時期もあり、南側にはその際に増築された施設が見られます。そのため駅正面からは全体像がご覧頂きにくい状況です。

なお、建物に西側設けられている巨大な穴は、高圧線を引き入れるための穴であり、東側には変圧後の電気を通す小さな穴が設けられています。

レンガ造りの建築は、奈良市では奈良少年刑務所跡を除いてはほとんど見られません。なお、レンガ造りの変電所としては、神戸市の阪急六甲駅前の変電所など、近畿地方に現在も複数の建物が残されています。

東側ら見ると、変圧後の電気を通す小さな穴を確認することが出来ます。

交通・アクセス

近鉄富雄駅(西口)を出て北側すぐ

※見学は外観のみとなっており、内部への立ち入りは一切出来ません。また、駅前ですので電車によるアクセスをおすすめします。

周辺地図

富雄駅周辺には大規模な観光名所・歴史スポットはありませんが、南に徒歩約15分ほどの場所には添御県坐神社があります。