奈良「平城宮跡」でご覧頂ける「花」と「自然」のご案内

市街地に囲まれた広大な空間として知られる奈良・平城宮跡。「日本最大級の遺跡」と言っても過言ではない空間は、一部で復原建築が整備されているとは言え、大半の区域は「原野」と言ってもよいような何もない草地が広がっており、四季折々の自然を味わえる空間にもなっています。

こちらのページでは、平城宮跡エリアでご覧いただける「花」や「自然」のみどころについてご案内していきます。

平城宮跡エリアには「森」や「茂み」と呼べる空間はほぼなく、見晴らしの良い草原といってよい空間が広がっていますが、春の桜や秋のススキをはじめとするみどころがあり、単なる「遺跡」としてのみならず四季の自然を体感できる「散策空間」としてもお楽しみ頂けます。

平城宮跡の「春」

春の平城宮跡は、「桜」が有名ですが2月~3月頃には「梅」の花もご覧頂けます。平城宮跡内の梅は、「梅林」と呼べるほどの規模はありませんが、第一次大極殿の南西側の遊歩道沿いや東院庭園周辺などで梅の花をご覧頂けます。

また、「椿」についても、3月頃から4月にかけて、平城宮跡エリアの遊歩道沿いの一部などでご覧頂けます。

変わり種としては、桜が開花する時期と同じ頃には東院庭園」内で少し珍しい「桃の花」が咲くことでも知られます。

平城宮跡エリアでも桜のある風景を楽しめる

桜については、平城宮跡エリアは奈良市内では「佐保川の桜並木」・「奈良公園一帯」・「鴻ノ池運動公園(奈良電力鴻ノ池パーク)」などには遠く及びませんが、一定の規模の「桜」のある風景を楽しめる空間となっています。

桜は朱雀門の北東側・第一次大極殿の南西側のエリア、第二次大極殿跡の周辺一帯を中心に咲き誇っています。

平城宮跡は広大な空間ですので「桜並木」や密集して咲き誇るような風景が広がっている訳ではありませんが、満開の時期にはお花見に訪れる観光客も見られます。平城宮跡エリアは広大な敷地を持つため、花見客で大きく混雑することはほぼありませんので、落ち着いた環境で桜のある風景をお楽しみ頂くことが可能です。

なお、同じ広い遺跡としては「藤原宮跡」では4月には「菜の花」がご覧頂けますが、平城宮跡エリアでは菜の花は余り多くは咲きませんのでご注意下さい。

5月頃には比較的大規模にツツジが咲き誇る

なお、桜のシーズンを終えると5月には「ツツジ」が咲き誇ることでも知られます。ツツジは広い範囲でご覧頂けますが、とりわけ朱雀門周辺や平城宮跡の西側の区域で多くご覧頂けるようになっており、規模として見ると奈良市内では最も多くのツツジが咲き誇る名所と言えます。

平城宮跡の「夏」

夏になると平城宮跡エリアは「酷暑」となることが多いため、冬と同様訪れる人の数は少なくなる傾向があります。

1年の中で見ると、「花」のみどころは最も少ない季節であり、ほぼ全域に青々とした「草原」が広がるというのが平城宮跡の夏となっています。

青々とした草原が広がる夏の平城宮跡

名所としての規模という訳ではありませんが、初夏と言える5月下旬ごろなどには、第一次大極殿近くの湿地や、東院庭園周辺の田園風景のそばなどに「キショウブ(黄菖蒲)」の花がご覧頂ける場合もあります。但し、柳生花しょうぶ園・法華寺・不退寺で見られるような花しょうぶ・キショウブの規模ではありません。

また、平城宮跡資料館のそばにはやはり5月頃に見ごろを迎える「シャリンバイ(車輪梅)」・「トベラ」・「センダン」なども見られます。

四季折々の風景が特に美しい「東院庭園」については、6月頃の「クチナシ」の花や「ネムノキ」の花も印象的な風景を生み出します。

なお、盛夏については、余り「見ごろ・見どころ」となる花はありません。青々とした「草原」の風景は都市の真横ではなかなかご覧頂けない美しい風景ですが、かなり暑い時期には宮跡エリア内を歩くだけでも一苦労といった環境になる場合もありますので、熱中症対策などをした上で観光に訪れることをおすすめします。

平城宮跡の「秋」

秋の平城宮跡は「花」という訳ではありませんが、「ススキ」が平城宮跡エリア一円でご覧いただけるようになっています。ススキの規模は奈良・関西随一の名所として名高い「曽爾高原」に次ぐ規模であり、平城宮跡エリアを通過する近鉄電車の車内からは圧巻の風景を味わうことも可能です。

一面に「ススキ」の風景が広がる秋の平城宮跡

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平城宮跡内では、年ごとに場所を変えて剪定・伐採作業が行われるため「ススキ」の群生地は常に同じという訳ではありませんが、エリア内であればかなりの場所でススキがご覧頂けます。

春や秋は気温も過ごしやすく穏やかな気候ですので、ススキに包まれながら散策して頂くと、「遺跡」としての平城宮跡とはまた違った風情を味わって頂けるでしょう。

なお、紅葉については平城宮跡内に樹木がそれほど多くないということもあり、一部のイチョウの木などを除いては全体としては大きなみどころはありませんが、四季折々の風景が楽しめる東院庭園内ではモミジなどの紅葉がお楽しみ頂けます。

平城宮跡の「冬」

冬の平城宮跡は、周囲の市街地が少し離れているということもあり、朝晩の気温の冷え込みはかなり厳しく、昼間も決して過ごしやすい空間ではありませんので、概ね閑散としている場合がほとんどです。

しかしながら、一見枯れ草ばかりに思われる空間は、「花」という意味で見ると比較的みどころが多い時期でもあります。

最も有名な存在としては、「サザンカ(山茶花)」については、平城宮跡エリアの広い範囲で植えられているため、真冬の1月・最も寒い時期になると美しい風景を生み出します。

平城宮跡のあちこちでご覧頂ける「サザンカ」

また、サザンカほどの目立つ存在ではないものの、「南天」の実が多数見られたりするなど、決して物悲しい風景だけではないというのが冬の平城宮跡の特徴となっています。

寒さがきついため、決して快適に散策できる空間とは言えませんが、サザンカの鮮やかな色彩はなかなかのものですので、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

まとめ

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以上、奈良・平城宮跡内の「花」と「自然」の概要についてまとめてきました。

平城宮跡は一見ただの何もない「草原」であるように思われるかもしれませんが、上記で解説してきたように、春の桜やつつじ・秋のススキ・冬のサザンカなど四季折々の風景を楽しんで頂くことも可能です。

また、何の変哲もないものに思われがちな夏の青々とした「草原」の風景も美しく、暑さや寒さ対策を充実した上で訪れるのであれば、いつ来てもそれぞれの季節ごとの魅力にあふれた空間となっています。

第一次大極殿・朱雀門や平城宮いざない館といった「建築・施設」の観光も大変魅力的な平城宮跡ですが、ぜひ自然あふれる風景も合わせて楽しんでみてはいかがでしょうか。