唐招提寺の各みどころ・観光スポットを全てご紹介!(境内の穴場スポット等も)

観光お役立ち情報

奈良市中心部・東大寺・奈良公園周辺からは西に離れた「西ノ京」エリアにあり、「薬師寺」とともに大勢の観光客が訪れる世界遺産「唐招提寺」

唐招提寺は、「金堂」や「講堂」をはじめ奈良時代から残される建造物も複数あり、伽藍がしっかりと残されている一方で、比較的コンパクトな境内地となっているため拝観しやすい環境となっています。

こちらの記事では、唐招提寺境内の各お堂・みどころについて、一覧でご紹介しております。金堂をはじめとする有名なみどころから、歌碑などの余り知られていない場所まで、境内全体を広くご案内していきます。

境内全体の地図

唐招提寺は奈良のお寺の中でも比較的大規模な境内を持っていますが、東大寺や薬師寺と比べるとコンパクトな伽藍となっていますので、各スポット間の移動はそれほど時間は掛からず、スムーズに境内散策・各所の拝観をして頂くことが可能です。

金堂

建立年代奈良時代・8世紀後半頃
規模・構造高さ15.66m
桁行 7間(28.01m)・梁間4間(14.63m)
本瓦葺・寄棟造
※建造物として国宝に指定
文化財本尊廬舎那仏坐像(国宝)
本尊薬師如来立像(国宝)
本尊千手観音菩薩立像(国宝)

四天王立像(国宝)
梵天・帝釈天立像(国宝)
拝観について拝観は、堂内ではなく外側から仏さまを拝観いただく形となっています。なお、仏さまは間近にご覧頂けます。

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金堂は、奈良時代に建立された唐招提寺境内では最大規模の仏堂であり、南大門(入り口)の真正面から望む美しい姿は「奈良を象徴する風景」の一つとして大変有名な存在となっています。

堂内には本尊である巨大かつ大量の化仏を有する光背が特徴的な廬舎那仏坐像、また伏し目がちの表情の薬師如来立像、1000本近い腕が現存する圧巻の千手観音立像、また厳めしさと穏やかさの両方を感じさせる四天王像梵天・帝釈天立像(いずれも国宝)が安置されており、まさに「国宝の宝庫」と呼べる空間となっています。

講堂

建立年代建立:奈良時代・8世紀頃
移築:奈良時代後半(8世紀後半)頃
規模・構造正面9間・側面4間
本瓦葺・入母屋造
※建造物として国宝に指定
文化財本尊弥勒如来坐像(重要文化財)
持国天・増長天立像(重要文化財)
拝観について堂内の拝観が可能です(拝観料は唐招提寺の拝観料のみで拝観可能)

関連記事:【唐招提寺講堂】唯一残る「平城京の建物」の内部には鎌倉時代の仏さまが祀られる


講堂は、金堂の裏手(北側)に位置する金堂に匹敵する巨大な建物です。

この講堂は、金堂がこの地で新築されたのに対して「平城宮」の「東朝集殿」と呼ばれる建物を移築したというユニークな系譜を持つ存在となっており、唐招提寺のお堂でありながら、現在唯一残される「平城宮」にあった建物となっており、その存在感以上に貴重な存在となっています。

金堂に仏像が集中して配置されているため、講堂はその規模に比して仏像の数は少なくなっていますが、堂内には鎌倉時代に造立された弥勒如来坐像、またずんぐりとした姿の持国天・増長天立像が安置されており、ぜひ見ておきたい存在となっています。

鼓楼

建立年代鎌倉時代・1240年(仁治元年)
※建造物として国宝に指定
文化財金亀舎利塔(きんきしゃりとう・国宝)
白瑠璃舎利壺(はくるりしゃりこ・国宝)
方円彩糸花網(ほうえんさいしかもう・国宝)
※基本的に非公開
※金亀舎利塔のみ釈迦念仏会に伴う礼堂の特別公開時に合わせて公開されます。
拝観について内部の拝観はできません。なお、鼓楼は「うちわまき」行事の会場となります。

関連記事:【唐招提寺鼓楼】「うちわまき」の会場に用いられる建物には宝物が複数収蔵される


鼓楼(ころう)は、金堂と講堂のすぐそばにある小さな国宝建築であり、鎌倉時代に建立された建物となっています。

鼓楼は、「うちわまき」の行事で「うちわ」を参拝者に撒くための会場として、また仏舎利を奉安する施設としての役割を果たす建物となっており、豪華な金色の「金亀舎利塔」など、仏舎利を納めるための容器などはそれ自体が宝物として国宝に指定される存在となっています。

礼堂

建立年代鎌倉時代・1283年(弘安6年)に僧房を改築
※建造物として重要文化財に指定
文化財釈迦如来立像(重要文化財)
日供舎利塔(重要文化財)
拝観について通常は拝観不可ですが、「釈迦念仏会」に合わせて毎年10月21日~23日に特別公開が行われます。

関連記事:【唐招提寺礼堂】南北に細長く伸びる建築は伽藍の美しい風景を形作る


礼堂(らいどう)は、金堂・講堂・鼓楼と同じく境内の中心部にある長細いお堂です。

建物は隣接する鼓楼に安置されている仏舎利へ礼拝をする空間として設けられたものであり、堂内には釈迦如来立像なども安置されていますが、内部の拝観は基本的に出来ません。

なお、礼堂の建物は中央部に「馬道」よ呼ばれる通路が設けられており、ここを通って講堂・鼓楼側から宝蔵・経蔵方面へと通り抜けが出来るようになっており、写真撮影にも適したスポットとなっています。

宝蔵・経蔵

関連記事:【唐招提寺宝蔵・経蔵】奈良時代に建てられた貴重な「校倉造り」の倉庫が南北に並ぶ


宝蔵・経蔵は、礼堂の東側すぐの位置に南北に2つ並ぶ「校倉造り」の倉庫です。

北側にある「宝蔵」、南側の「経蔵」はともに奈良時代頃の建立と考えられ、いわゆる「正倉院」などとも近い時期の建築となっていますが、「経蔵」に関しては唐招提寺創建前からこの地にあったともされ、正倉院よりも更に古い「最古の校倉造り」である可能性もある大変貴重な存在となっています。

新宝蔵

文化財薬師如来立像(国宝)
獅子吼菩薩立像(国宝)
衆宝王菩薩立像(国宝)
如来形立像(重要文化財)

十一面観音立像(重要文化財)
金堂の鴟尾(国宝)
勅額(重要文化財)
拝観について基本的には通年拝観可能ですが、唐招提寺の拝観料に加えて新宝蔵の拝観料が必要です。
◇拝観料
一般・大学生:200円
高校生~小学生:100円
◇拝観時間
9時~16時

関連記事:【唐招提寺新宝蔵】奈良時代の個性豊かな「木彫像」などを拝観して頂ける展示空間


新宝蔵は、唐招提寺の所蔵する貴重な文化財の一部を展示する施設であり、かつて講堂に安置されていた「旧講堂木彫群」と呼ばれる個性的な木彫像を中心に、奈良時代の勅額や金堂の屋根の上にかつて設置されていた鴟尾なども展示されています。

なお、新宝蔵の拝観には通常の拝観料に加えて新宝蔵の拝観料が必要となっています。

開山堂

関連記事:【唐招提寺開山堂】真新しい鑑真和上坐像を安置する小さなお堂


開山堂(かいざんどう)は、かつて徳川家歴代将軍をお祀りするお堂として建立された小さなお堂であり、現在は「御身代わり像」として唐招提寺を創建した「鑑真和上」の坐像のうち、御影堂に安置されている国宝の坐像の精巧なレプリカを安置する空間となっています。

なお、堂内・鑑真和上坐像の撮影は一切禁止となっています。

御影堂

建立年代建立:江戸時代・1649年(慶安9年)
移築:1964年(昭和39年)
※建造物として重要文化財に指定
文化財鑑真和上坐像(国宝)
※御影堂修理中は新宝蔵に収蔵
拝観について現在は修理中のため、「開山忌」などの行事開催時も含め拝観することが出来ません。

関連記事:【唐招提寺御影堂】鑑真和上坐像を安置する建物はかつての「興福寺一乗院」由来


御影堂は、唐招提寺境内北側にあるお堂であり、かつて興福寺一乗院の「宸殿」として使用されていたものを昭和期に唐招提寺に移築したユニークな系譜を持つ建築となっています。

堂内には奈良時代に造立された臨場感あふれる「鑑真和上坐像」、また日本画家の巨匠「東山魁夷」画伯が長期間を費やして描いた大作である障壁画も設置されています。

なお、拝観は開山忌が行われる時期に限られ、毎年6月5日~7日の間のみ鑑真和上坐像などを拝観して頂けるようになっています。

なお、現在御影堂は平成27年から約5年程度の期間を見込む形で大規模な修繕が実施されているため拝観は不可能となっており、鑑真和上坐像の特別公開は新宝蔵において実施されています。

鑑真和上御廟

関連記事:【唐招提寺鑑真和上(開山)御廟】有名な渡来僧の墓所は美しい自然に囲まれる


鑑真和上御廟は、境内の北東端にある創建者「鑑真和上」の墓所です。

鑑真和上御廟は奈良のお寺としては珍しく、八角形の壁に囲まれ、立派な宝篋印塔も持つ「古墳」のごとき墓所となっており、周辺には小さな池もあり蓮や鑑真の故郷である中国から送られた花である「瓊花(けいか)」も花を咲かせる自然豊かな空間にもなっています。

戒壇

関連記事:【唐招提寺戒壇】あまり知られていない異国情緒あふれる空間


戒壇(かいだん)は、唐招提寺境内の西側、金堂などからは少しだけ離れた自然豊かなエリアに静かに佇む巨大な「石造物」とも言える施設です。

この施設はかつて「戒律」を授ける場所であった「戒壇院」の跡地であり、江戸時代の末期に戒壇院が焼失した後は建物は再建されることはなく、現在はその遺構である石檀部分と宝塔のみが置かれた状況となっていますが、宝塔と巨大な石檀の織りなす風景は日本国外にいるかのような異国情緒漂う独特の雰囲気を醸し出しています。

地蔵堂

関連記事:【唐招提寺地蔵堂】毎年地蔵盆の時期のみ公開される地蔵菩薩立像を安置する空間


地蔵堂は、開山堂の北側に位置する小さなお堂であり、弘法大師により造立が図られたともされる地蔵菩薩立像(重要文化財)が安置される空間となっています。

拝観は地蔵盆のシーズンである毎年8月23日・24日のみに限定されています。

中興堂

関連記事:【唐招提寺中興堂】「覚盛上人坐像」を安置する比較的真新しいお堂


中興堂は、唐招提寺を鎌倉時代に復興し鑑真和上の再来とも言われた覚盛上人をお祀りする空間であり、内部には覚盛上人坐像(重要文化財)が安置されています。

拝観は毎年5月19日に行われる中興忌梵網会(うちわまき)当日のみ可能となっています。

醍醐井戸

関連記事:【醍醐井戸(唐招提寺)】お寺の創建時に鑑真和上が掘ったと伝わる古井戸


醍醐井戸は、奈良時代に鑑真和上自らが造り上げたとも伝わる古井戸で「本坊」の近くに位置しています。

現在は名水が湧き出しているという状況ではありませんが、八角形の井戸枠と覆屋を持つ井戸の姿は長い歴史を感じさせる存在となっています。

御影堂供華園

関連記事:【御影堂供華園(唐招提寺)】鑑真和上の故郷ゆかりの白く美しい「瓊花(けいか)」が咲き誇る空間


御影堂供華園は、境内北側「御影堂」のすぐそばにある庭園であり、鑑真和上の故郷である中国揚州から送られた「瓊花(けいか)」と呼ばれる花が咲く空間です。

瓊花は毎年春の4月中旬から5月頃にかけて咲き、その期間中は庭園をご覧頂けます。

南大門

唐招提寺の拝観受付のある「南大門」

唐招提寺の南側、バス停のすぐそばにある「南大門」は、昭和35年(1960年)に奈良時代の天平様式を再現する形で建てられた唐招提寺の山門であり、切妻造り・五間の中央に三扉という形式になっています。

門には拝観受付を行うスペースが併設されているほか、東大寺のように門の両側に「仁王像」などが設置されている訳ではなく、全体的に質素なイメージを感じさせる門となっています。

なお、掲げられている「唐招提寺」の扁額に関してはレプリカであり、奈良時代に天皇により記された勅額は新宝蔵において展示がなされています。

本坊

唐招提寺本坊

本坊は、建物自体はいわゆる観光ルートに組み込まれている施設ではありませんが、前庭付近は夏になると朝方に美しい花を咲かせる「蓮」の名所となっています。

「蓮」に関しては同じく蓮がみどころの一つである「喜光寺」・「薬師寺」とともに「ロータスロード」と呼ばれており、蓮のシーズンになると3つの寺院では共通拝観券なども発売されています。

その他のみどころ・風景

境内の神社

唐招提寺境内の「弁天社」

境内の南側、観光客の移動するルートからは少し外れた場所には「弁天社」と呼ばれる神社があります。

開山堂のそばにも小さな神社があり、苔むした檜皮葺の屋根が趣深い存在となっています。

芭蕉翁句碑

芭蕉翁句碑(唐招提寺)

開山堂のすぐそばには松尾芭蕉の句碑があり、元禄元年(1688年)に芭蕉が鑑真和上坐像をご覧になった際に詠まれた句「若葉して 御目の雫拭ばや」が記されています。

北原白秋歌碑

北原白秋歌碑(唐招提寺)

芭蕉の句碑の近くには、北原白秋歌碑も設置されており、鑑真和上を偲んで詠んだ歌「水楢(なら)の柔き嫩葉(わかば)はみ眼にして 花よりもなほや白う匂はむ」が記されています。

会津八一歌碑

唐招提寺金堂前の會津(会津)八一歌碑

金堂の近くには、有名な會津八一の歌碑も設置されており、金堂の佇まいをうたった短歌「おほてらの まろきはしらの つきかげを つちにふみつつ ものをこそおもへ」が記されています。

松瀬青々句碑

戒壇に近い位置には松瀬青々の句「門を入れば 両に稲田や 招提寺」を記した句碑も設置されています。

西方院(塔頭)

関連記事:【唐招提寺西方院(奥の院)】快慶作の阿弥陀如来立像が祀られる静かな空間

金堂などのある境内から近鉄電車の線路を挟んで西側には、「奥の院」とも呼ばれる塔頭「西方院」があります。

こちらは観光客向けに通年公開されているようなスポットではありませんが、収蔵庫には快慶晩年の作である阿弥陀如来立像が安置されていることで知られています。