唐招提寺の国宝・主要重要文化財一覧

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奈良時代からの伽藍が比較的良く残され、多数の文化財を有する世界遺産として知られる「唐招提寺」。

こちらの記事では、唐招提寺の各お堂・新宝蔵等に安置されている主な国宝・重要文化財について一覧形式でご案内していきます。

唐招提寺は文化財の収蔵数は多いですが、お寺の境内がコンパクトなため、拝観はしやすくなっています。なお、特別公開時以外はご覧いただけないものもありますので、ご覧頂く文化財によっては公開の日程などをあらかじめご確認頂く必要があります。

金堂の文化財

文化財年代特徴
本尊廬舎那仏坐像(国宝)奈良時代・8世紀後半頃像高305cm・乾漆造・862体の化仏を有する・穏やかさを感じさせる表情
薬師如来立像(国宝)平安時代・9世紀頃像高337cm・木心乾漆造・どっしりとした威容
千手観音菩薩立像(国宝)奈良時代・8世紀後半頃像高536cm・木心乾漆造・953本の腕を有する・唐招提寺最大の仏像でありながらもほっそりとしたスマートな印象を感じさせる
四天王立像(国宝)
※持国天・増長天・広目天・多聞天
奈良時代・8世紀後半頃像高はいずれも185~188cm・木造及び乾漆造・須弥壇の四隅に配置・彫り込みはやや浅く平たく重厚な表現
梵天・帝釈天立像(国宝)奈良時代・8世紀後半頃像高は186、188cm・木造及び乾漆造・穏やかな表情と繊細な袈裟の表現が印象的

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唐招提寺の金堂は、建物自体も奈良時代に建てられた国宝建築であり、奈良時代にさかのぼる「金堂」としては日本で唯一残される存在です。

金堂は通年拝観可能な空間であり、本尊である廬舎那仏坐像・薬師如来立像・千手観音菩薩立像の三尊が圧巻の光景を生み出しているほか、四天王立像及び梵天・帝釈天立像も奈良時代の国宝となっており、奈良の寺院でも有数の「国宝の宝庫」と呼べる空間として知られています。

なお、盧舍那仏・薬師・千手観音を祀る形式はこの唐招提寺金堂を除いては他に見られない独特のものとなっています。

講堂の文化財

文化財年代特徴
本尊弥勒如来坐像(重要文化財)鎌倉時代・1292年(正応5年)頃像高284cm・木造・目元や顔立ちが印象的・かなりの重厚感のある仏さま
持国天・増長天立像(重要文化財)奈良時代・8世紀後半頃像高133、128cm・木造・創建当初に鑑真とともに来日した唐人の作とも・ずんぐりとした姿の一方で繊細な表現も

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唐招提寺の講堂は、建物は平城宮の「東朝集殿」を移築したものであり、現存する平城宮由来の唯一の建築物として国宝に指定されています。

堂内は横長の広々とした印象を感じさせるものであり、いずれも重要文化財に指定されている本尊弥勒如来坐像と、奈良時代にさかのぼる持国天・増長天立像が安置されています。

新宝蔵の文化財

文化財年代特徴
薬師如来立像(国宝)奈良時代・8世紀後半頃像高160cm・木造(一木造)・螺髪と両腕は現存せず・ふくよかで印象的な佇まい
獅子吼菩薩立像(国宝)奈良時代・8世紀後半頃像高172cm・木造(一木造)・腕は現存せず・衆宝王菩薩立像と同様当初は不空羂索観音として造立と推定
衆宝王菩薩立像(国宝)奈良時代・8世紀後半頃像高173cm・木造(一木造)・腕は現存せず・獅子吼菩薩立像と同様当初は不空羂索観音として造立と推定
如来形立像(重要文化財)奈良時代・8世紀後半頃像高154cm・木造(一木造)・頭部と腕は現存せず・曲線美が特徴的な「唐招提寺のトルソー」として知られる
十一面観音立像(重要文化財)奈良時代・8世紀後半頃像高166cm・木造・全身が現存・ほっそりとした佇まい
金堂の鴟尾(国宝)奈良時代・8世紀後半頃高さ約1.2m・創建期から長らく金堂の鴟尾として飾られる・平成大修理によって新調された後新宝蔵で展示
勅額(重要文化財) 奈良時代・8世紀後半頃縦1.48m、横1.17m・檜製・講堂もしくは中門の扁額であったとされる・孝謙天皇の宸筆と推定

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新宝蔵は、建物自体は新しく唐招提寺の文化財を収蔵・展示するために昭和期に建てられた空間となっています。新宝蔵は収蔵文化財が多いため、通常の拝観料に加え新宝蔵の拝観料が別途設定されています。

こちらにはかつて講堂に安置されていた「旧講堂木彫群」と呼ばれる奈良時代の仏さまが複数安置されており、金堂の仏さまとは全く違った素朴ながらも繊細な仏教美術の世界を堪能して頂けます。

また、平成大修理までは奈良時代の創建期より約1200年に渡り金堂の上に設けられていた巨大な「鴟尾」なども展示されています。

御影堂の文化財

文化財年代特徴
鑑真和上坐像(国宝)奈良時代・763年(天平宝字7年)頃像高80cm・脱活乾漆造(一部木造)・鑑真が亡くなる直前に造立された日本最古の肖像彫刻とも

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御影堂は、唐招提寺境内の北側に位置するお堂(重要文化財・江戸時代)であり、鑑真和上坐像が安置される空間となっています。

なお、2022年3月までは大修理により御影堂は公開されません。また、鑑真和上坐像については特別公開時のみ拝観可能であり、通年の拝観は出来ませんのでご注意下さい。

鼓楼の文化財

文化財年代特徴
金亀舎利塔(きんきしゃりとう・国宝)室町時代・14世紀鑑真和上渡航中の故事(舎利を亀が背負って浮かび上がった)にちなんだ表現・金色が美麗に残される・繊細な透かし彫りも特徴
白瑠璃舎利壺(はくるりしゃりこ・国宝)8世紀頃(渡来品)鑑真和上が日本に持ち込んだ舎利(如来舎利三千粒)を入れる容器・高さ10cmほどのペルシア製ガラス壺・厳封され厳重に保管されている
方円彩糸花網(ほうえんさいしかもう・国宝)8世紀頃(渡来品)鑑真和上が持ち込んだ白瑠璃舎利壺を包み込んでいたレースと推定・中央部に正方形の文様が表現される

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鼓楼は、金堂・講堂のすぐ東側に位置する鎌倉時代の国宝建築であり、現在は鑑真和上が日本に持ち込んだ仏舎利を奉安する空間として用いられています。

鼓楼は「うちわまき」の会場となりますが内部の拝観は不可能となっており、金亀舎利塔のみ釈迦念仏会に伴う礼堂の特別公開時に合わせて公開されます。

礼堂の文化財

文化財年代特徴
釈迦如来立像(重要文化財)鎌倉時代・1258年(正嘉2年)高さ166cm・木造・厨子入り・清凉寺式の釈迦像
日供舎利塔(重要文化財)鎌倉時代・13世紀高さ48cm・木製・黒漆塗・通常の勤行において供養される仏舎利を収納する容器

関連記事:【唐招提寺礼堂】南北に細長く伸びる建築は伽藍の美しい風景を形作る

礼堂は、鼓楼・講堂のそばに位置する細長いお堂であり、鎌倉時代に建立された建築(重要文化財)となっています。

内部には仏舎利を収納した日供舎利塔と釈迦如来立像があり、礼堂が特別公開される釈迦念仏会開催期間のみご覧頂くことが可能になります。

中興堂

文化財年代特徴
覚盛上人坐像(重要文化財)室町時代・1395年(応永2年)像高87cm・木造・唐招提寺中興の祖「覚盛上人」の像・彩色が良く残される

関連記事:【唐招提寺中興堂】「覚盛上人坐像」を安置する比較的真新しいお堂

境内北側にある中講堂は、通常は公開されていませんが「うちわまき」行事開催時(毎年5月19日)のみ特別公開され、重要文化財の覚盛上人坐像をご覧頂けるようになっています。

地蔵堂

文化財年代特徴
地蔵菩薩坐像(重要文化財)平安時代頃像高約160cm・木造(一木造)・長い下半身や美麗な衣が特徴

関連記事:【唐招提寺地蔵堂】毎年地蔵盆の時期のみ公開される地蔵菩薩立像を安置する空間

境内北側にある地蔵堂は中興堂と同様通常時は公開されていませんが、毎年8月23・24日「地蔵盆」の際には特別に開扉され、重要文化財の地蔵菩薩坐像をご覧頂けるようになっています。

まとめ

唐招提寺は、奈良を代表する寺院として多数の国宝・重要文化財を所蔵しています。特徴としては唐から渡来した鑑真和上が創建したこともあり、唐からの渡来品や唐風の表現が見られる仏像なども収蔵られている点が挙げられます。

金堂・講堂・新宝蔵の仏像・文化財については基本的に通年拝観可能となっています。また御影堂(現在は新宝蔵)の「鑑真和上坐像」や鼓楼の「金亀舎利塔」等については特別公開時のみ拝観可能となります。