【浄瑠璃寺本堂】圧巻の「国宝阿弥陀如来像」を安置する空間は平安時代の建築

浄瑠璃寺本堂とは?

浄瑠璃寺の本堂は、大きな池が印象的な浄土式庭園を有する浄瑠璃寺境内の西側、東端にある三重塔から池を挟んで見下ろす位置にある仏堂です。

堂内には浄瑠璃寺の本尊である九体の阿弥陀如来像(国宝)などの仏像が安置されています。

本堂の建築は、浄瑠璃寺の創建期にあたる平安時代に建立されたものとされており、簡素な印象を感じさせる一方で、九体の阿弥陀如来を配置することもあり「横の長さ」が印象的な仏堂となっています。

なお、建立当初は檜皮葺でしたが、江戸時代に現在の瓦葺に改築されたほか、正面の向拝部分も江戸時代に追加されたものとなっています。

平安時代の中期以降には末法思想の流行に伴い極楽浄土へと転生する際の「九品往生」の考え方に即して九体の阿弥陀如来像を安置する同様の「九体阿弥陀堂」が多数建立された歴史がありますが、現在残されているものはこの浄瑠璃寺の本堂のみとなっており、平安朝における信仰の形態を今に伝える貴重な存在として知られています。

仏像について

本尊木造阿弥陀如来坐像(国宝・9躰)

本尊である九躰の木造阿弥陀如来坐像は、来迎印を結ぶ中尊は像高2.2mほど、その他の定印を結ぶ8躰の脇仏は像高1.4mほどのスケールを持ち、現在も金色の輝きを留めながらずらりと並ぶその姿は、まさに「極楽浄土」を表現した圧巻の光景となっています。

九躰の仏像は必ずしも同じ表情と言う訳ではなく、どっしりとした圧巻の「並び」の中には個性も見え隠れするという魅力もあることで知られます。

造立年代については正確な年代などは不明ですが、浄瑠璃寺の創建期から創建後しばらくの間(平安時代の1050年~1100年頃)に造立されたものと推定されています。例外として、南端(左端)の像についてはその他8躰とは造立時期が異なる(後の年代)とも考えられています。

なお、九躰の阿弥陀如来様については、2018年より修理が開始されており、毎年入れ替わりで一躰から二躰程度が奈良国立博物館に送られて修理が行われるスケジュールとなっています。

そのため九躰そろって拝観できる機会は2020年代半ば以降となっており、現在は七躰もしくは八躰のみ拝観可能な状況ですので、拝観時にはその点をご留意の上訪れるようにして下さい。

木造四天王像(国宝・二躰)

阿弥陀如来以外の国宝に指定されている仏像としては、持国天・増長天のみが浄瑠璃寺本堂に残されている「木造四天王像」があります。

像は彩色も良く残され、スケールも1.7mほどと阿弥陀如来像の脇仏より大きく、四天王像にありがちな誇張性も抑えられたクールな印象を感じさせる像となっています。

なお、広目天は東京国立博物館に、多聞天は京都国立博物館に寄託されています。

その他の仏像について

本堂内には国宝の阿弥陀如来像、四天王像の他にも仏像が安置されています。

良く知られる存在としては厨子入りの吉祥天立像(重要文化財)があり、こちらは秘仏のため公開は冬・春・秋の一定期間のみ(1月1日~1月15日・3月21日~5月20日・10月1日~11月30日)行われています。

また平安時代の木造地蔵菩薩立像鎌倉時代の木造不動明王及び二童子像も安置されており、それぞれご覧頂けるようになっています。

浄瑠璃寺本堂の風景

浄瑠璃寺本堂

九躰の阿弥陀如来像を安置するために横長の建築となっている本堂。

堂内拝観には拝観料が必要ですが、庭園一帯から本堂の外観をご覧頂く場合は拝観受付などは必要ありません。

本堂は東を向いて建っており、池を挟んで向こう側には三重塔の姿もご覧頂けます。

日本を代表する「浄土式庭園」でも知られる浄瑠璃寺。 三重塔周辺からは池の向こう側に建つ本堂の姿を望むことも可能です。

拝観情報・交通アクセス

本堂拝観料:400円

・浄瑠璃寺は本堂内陣の拝観に限り拝観料が必要となります。庭園・本堂・三重塔周辺を含む境内散策の場合、拝観料は必要ありません。

・本堂を拝観する場合、山門を抜けて右手に進んで頂くと、本堂の北側に拝観入口の表示がありますのでそちらから入って下さい。

・浄瑠璃寺へのアクセス方法については、関連記事をご参照ください。

関連記事:浄瑠璃寺への交通・アクセス情報を詳しくご案内(バス・電車・タクシー)


周辺地図

本堂は境内の西側にあります。池を挟んで境内東側には三重塔があります。